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チームワークが高まる話し合いの進めかた②-ビジョン・アウトカムの共創-(伊藤)

こんにちは、SOUNDコーチ養成講座・講師の伊藤隆慶です。
(自己紹介はコチラ

本記事では、「SOUNDメソッド®」のSTEP2:Outcomeによって、チームの方向性について話し合う際の、会議の進めかたを説明します。
テーマは「ビジョン・アウトカムの共創」についてです。

※「SOUNDメソッド®」は、以下の「S、O、U、N、D」の5つのステップで進めていく、話し合いの手法です。

「SOUNDメソッド®」の各ステップ
©Authentic Works inc.

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1.起きている事象

チームの方向性や目標、あるいは企業理念やビジョンを話し合おうとしても、話し合い自体が停滞したり、逆に議論が発散し過ぎて収拾がつかなくなったりする。
会議でこんな経験をしたことはありませんか?
方向性について話し合った時に、以下のようなことが起きやすくなります。

  • 問題解決や実現可能な範囲にとどまっている

  • 一人一人の理想や目標がバラバラで一つにまとまらない

  • 決まった方向性に対する熱量が時間の経過とともに下がっていく

方向性や理想については、個人の主観だけでなく、チームに対する意識の高さの違いなど、多様性を認めていく社会的な流れからも、一枚岩になりにくいことがあります。

ここでは、チームメンバーが理想や目標について話しやすく、自分事化しやすくなるために、会議の進めかたに注目してみましょう。

2.進めかたの解説(STEP2:Outcome)

「SOUNDメソッド®」の中では、2番目のステップとして、ビジョン・アウトカムの共創を“Outcome”としています。

(1)気がかりを吐き出して、実現したい未来を考える

メンバーの意識がバラバラの問題に向いていると、理想について話し合おうとしても、個々の問題の対処に議論が向いたり、白けたような雰囲気になりやすくなったりします。
この場合は、一つ前の[STEP1:Status]から実施します。
(“Status”の解説はコチラ

ある程度メンバーの気がかりが話されたと感じたら、一人一人の本当に実現したい未来や理想を共有します。
共有する時は、一人ずつ、2~3分程度と時間を決めて、話してもらいます。
話す人以外のメンバーは、その話に意見や質問をせず、ただ聴くだけにとどめます。
聴き手の人は話されている内容を聴きながら、心が動いたフレーズや思い浮かぶイメージを、付箋紙などを使ってメモしていきます。
そして、メモされた付箋紙や全員が話し終わった後の雰囲気などから、メンバーが持っている共通の想いについて話し合います。

(2)実際の事例

私がとある会社(製造業)の販売部門で、数名のメンバーが集まって「職場の雰囲気をより良くしたい」という議題でミーティングをおこなった時のことです。
その会社の販売業務は、もともと個人のオペレーションで完結しており、職場全体で何かをやろうとしても協力を得にくい状況が続いていました。
ミーティングの最初は、一人一人の問題意識から現状の問題が出てきましたが、一通り話されたところで、私から「何でも可能だとしたら、どんな職場になっていたいですか?」とお聞きしました。
すると、徐々にではありますが、一人一人の職場に対する想いが話されるようになり、目指したい職場のイメージが固まってきました。
なお、ここで話された理想の職場の状態は、活動が停滞した時にも立ち戻れる共通認識となり、半年経った今でも活動が継続しています。

(3)“Outcome”で注目する観点

“Status”の時と同様、思っていることが話せるようになっているか、相手の話が聞けた体験になっているかが、会議前に比べて高まっているかに注目してみましょう。
加えて、ここに集まったメンバー同士で、何を大切にしていきたいか、どこに向かっていくのかの、文脈を一緒に創り上げることで、一体感と当事者意識が高まりやすくなります。

メカニズムの詳細は、こちらもご覧ください。
https://www.soundmethod.jp/about-method

3.まとめ

本記事では、SOUNDメソッドのSTEP2:Outcomeによって、チームの方向性について話し合う際の、会議の進めかたを説明しました。
実践のポイントは以下の3つです。

  1. 参加者の「本当に実現したい未来」を言葉にして、共通の想いは何かに目を向ける

  2. 会議前と後で、参加者同士の話しやすさや、共通認識が生まれたかに注目する

  3. 一人一人がアウトカムへの実感が持てるような言葉で、話し合われた言葉をまとめるようにする(次のSTEP3:Understandに続く)

今回の記事は以上です。
チームメンバーのお互いの関係性に課題を感じる時に、“Status”と併せてぜひトライしてみてください。

4.参考リンク

話し合いをサポートするツールや、より深く学びたい方は、あわせてこちらもご覧ください。

《SOUNDカードWEBページ》
https://www.soundmethod.jp/

《SOUNDカードのメディア紹介》
『カンニング竹山の一番研究所(2024年1月20日放送回)』
https://www.youtube.com/watch?v=e8-hApeMi1o&list=LL&index=2

《SOUNDコーチ養成講座(初級編)》
https://www.authentic-a.com/sound-coach-basic

《SOUNDコーチ養成講座イントロセッション》
https://www.authentic-a.com/sound-coach-intro

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