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Let's 経営学 #8

 前回、ある条件で5000円をオークションにかけたら必ず5000円以上で落札されるという話の中で、どうしたら誰も損しないですむか?、とみなさんに質問しました。
 答えを言います。

 誰も損しない唯一の方法は、自分の利益ではなく全体の利益を考えることです。つまり、一人の人だけが手を挙げて100円で落札して、差額の4900円をオークションの参加者全員で分けることです。ひとりひとりの利益はわずかですが、確実に利益を出せます。この場に勝つには他に方法はありません。
 COP26でも各国が自国の利益を優先せず全体の利益のためにどうすればいいかを最優先したらうまくいったことでしょう。そうすれば温暖化も地球の終末も先に延ばすことができたはずです。物事がうまくいかないのは自己の利益を最優先するからです。「囚人のジレンマ」も同じ結論です。
 ここからさらに本題から遠く離れます。
 ただ、5000円オークションですけど、参加者全員が全体の利益を考えた行動を取ったら、かえって健全性がなくなります。いえ、もはやオークションではなくなります。そう考えると、オークションのような自由競争社会では、「誰も損しない方法」はないのかな。
 でも、それでも「みんなで乗り越える」という、自由競争とは真逆の行動をとるべき時もきっとあるのでしょうね。世界規模、地球規模の環境問題はそうなのでしょう。SDGsの難しさはそこにあるのではないでしょうか?

つづく

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