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Vol.001 新人教員(Cro-Magnon)sの基本精神

1 はじめに

 ひよこクラブにようこそ!

 このクラブは、新任の先生方を対象にしたものですが、常にアンテナを張ってヒントを求めてあがいている若手から中堅の先生方を対象に、見失ってはならない大切なことを毎回書いていこうと思います。

   初回は、とても大切なことをみなさんにお話しいたします。それは教員が持つべき基本精神です。以下を読んで、正直なところ別な価値観を持っているという方や異議のある方は、遠慮なくひよこクラブ(新人s)から抜けてください。
ではいきます。

2 新任教員(ほんとは中堅の方々こそ)に必要な基本精神

1.「いま、ここ」にある環境の中で全力を尽くす。

2.「正解」を求めるな。

3.ベテランから使える部分だけ盗め。

4.ベテランにはできないことをやれ。

5.コピペ禁止。

6.ムキになれ。

7.万能感を持たない。生徒に媚びない。自信を持て。

以 上


3 ひよこクラブの基本精神:注釈版

1.「いま、ここ」にある環境の中で全力を尽くす。

①職場の環境を変えるのは年をとって偉くなってからにしよう。いまはぺーぺーだからムリ。
②職場の矛盾やお仕着せやさまざまな無理難題は、運用次第で乗り切れるので、賢く乗り切る方法を考えよう。どうせ何もできないくせにキレイなこと言ってアツくなって自己満するのはベテランに任せておいてください。先生方がそうなるのは20年程度早いです。
③一端の口を利く前に、どんな泥仕事でも黙々とこなしましょう。唯一無二性はみんなが嫌がる仕事をにこにこしながらこなすところから生まれます。

2.「正解」を求めるな。

現場に立っているとき「よりよい指導法」とか考えていたら目の前を生徒が通り過ぎていってしまいます。現場では指導に躊躇してはいけない。良いことをしたら褒める、悪いことをしたら叱る、というのは教育の普遍的な部分です。みなさんは教育学の研究者ではありません。教育の実践者です。最適な方法は常に結果論でしか見出せないものです。また、結果論でものをいう人間は実践者ではない。評論家です。どうか今のうちにたくさん失敗してたくさん周りに迷惑かけてたくさん凹んで痛い目にあってください。

3.ベテランから使える部分だけ盗め。

①ベテランと言われる先生方も、たまにはとても使えることをやっています。よく見て盗みましょう。
②但し、何でも鵜呑みにしていると、バカになります。

4.ベテランにはできないことをやれ。

難しいことではない。たくさん転がっていますよ。目の前に。例えばどんなことがあると思いますか? ベテランには逆立ちしてもできないこと、でも先生方なら(きっと割に)簡単にやってのけられること。いろいろあります。それをやらないのはもったいない。これについては長くなるので回を改めてお話しします。

5.コピペ禁止。

①「共有」の名の下に他人のアイディアや資料を盗むな。いかにもな言葉とか、表面的な部分だけ他人の言葉を借りてきて生徒や保護者に披露しても見透かされるだけです。
②あと、他の教員から借用した資料やアイディアは、正直に生徒たちに経緯や出どころを言いましょう。いちいち出典を明らかにする、そういう、一見取るに足りないような局面で誠実な姿を生徒に見せることは、その先生の生きざまを見せると共に、大切なことを教えることになります。自分の発案みたいなふりをして見栄をはって何になる? 生徒も保護者もそんな部分は見てません。それにセコワザをやっていると他の教員から信用を無くします。「共有」と「借用」は別物です。「他人のふんどしで相撲を取る」な。

6.ムキになれ。

「教科については絶対誰にも負けない」と思いましょう。但し、裏打ちするものがなければ意味なしね。そして、優れたクラス経営や、優れた授業を見た時には、悔しい気持ちになってください。悔しい気持ちになったら、負けないHRや授業を披露してください。そのこだわり、とても大切。

7.万能感を持たない。生徒に媚びない。自信を持て。

①「万能感をもたない」について
生徒が悩んでいる。声をかける。これは仕事として当然です。でも「この生徒を俺が救ってやる」とか、学校を辞めたがっている生徒を無理やりひたすら情で責めつつ「おい、辞めるなんて悲しいこと言うなよ」などと気持ち悪いばかりか無責任極まりないことを言うようなバカにはならないようにしましょう。特に若いうちはバカになりがちです。プロとして、仕事として、その生徒の適正な将来を考えましょう。

②「生徒に媚びない」について
「こいつの心を俺が開く」とか言って万能感に満ちて、目立つ生徒や中二病的な「オイラはワルだぜ」的な生徒に入れ込む教員が良い教員ではありません。それはとても罪な教員です。なぜならその間に、最大多数の目立たない、当たり前のことを一所懸命毎日やっている、不器用な生徒たちが放置されてしまうからです。そんな教員は、彼らから見たら「生徒に媚びる教員」です。一番大切にするべき生徒は「全員」だ、というのも嘘つきの言いぶんです(目標にするのは当然だけど)。一番大切にするべき生徒、一番手をかけるべき生徒は、「一所懸命がんばっている(けどうまくいっていない)ごく普通の生徒」「当たり前のことを当たり前にやっているごく普通の生徒」です。

③「自信を持て」について
生徒と言わず、子どもの前で大人が悩む姿を見せたり、弱い姿を見せたり、自信なさげな姿を見せるのは、犯罪です。子どもは間違いなく情緒不安定になります。「ありのままの姿で生徒と接する」と、流行りの歌みたいな美辞麗句は、大人であることの放棄です。
自信のなさは確実に生徒に見抜かれます。自信がなくても自信たっぷりな態度を見せて生徒を騙し続けましょう。それが仕事です。それがプロです。
生徒を好きになれないのと同様に、どうしても自信持てないなら、また、自信のあるふりさえいまひとつできずにそれを生徒に見透かされる日が続いたなら、なるべく速やかに潔くこの仕事を辞めましょう。生徒のためです。

以 上

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