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青春の後ろ姿#179 〜20代は、清志郎と、バイクと、文学以外に何もありませんでした〜別冊宝島⑧

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 別冊宝島の「おたくの本」は、90年代当時、市民権を得るにはまだまだ遠かったオタクについて、いち早く肯定的に捉えて、しかもこの当時にあって体系的に分類している、画期的な一冊でした。

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 ゲーマー、アイドル、カメラ、デコチャリ、コミケ、2次元、やおい族、プロレス、パソコン、、、。黎明期によくここまでカテゴライズできたなあと思います。

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 なかでも印象深かった記事は、公園にテレビとビデオと発電機を持ってきて、アイドルの映像を流し、それに合わせて親衛隊の人たちが愛でるという、今のビデオコンサート、フィルムコンサート、ヲタ芸へと通じる行為を、奇妙な風景として、でもしっかりキャッチしていた点です。

 思えば、ホームビデオとか存在しない小学生の頃、70年代当時、地方都市の大きめの楽器屋の2階で、無料で宇宙戦艦ヤマトの最終回を流すというフィルムコンサートと銘打った催しに、当時小学生だった私は行ったことがあって、他にも友達や地元の別の小学校の何人かの「情報通」や「ヤマトファン」が集まってただ観るということがあったんですけど、何となく連帯感みたいなものを感じました。

 そういう試みから、今度は80年代になって個人が思い発電機やらビデオやらブラウン管のテレビやらを公園に持ち込んで、みんなで観ながら掛け声をかけるという時代な入り、オタクへと進化していきました。

 一方で、メディアも進化して、今ではオンラインでライブがあり、スマホで映像も音も掌に収めてしまうという、あの頃からすればSFの世界を現実に生きています。そういう時代の過渡期に立ち会えてなかなか嬉しいです。

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