無学の教育者 八重子おばさんの想い出 #4

 ばれやしないかという恐怖と、泣かせてしまったという罪悪感と、なんとかうまくこの場を切り抜けたいというずるさで、気持ちがぐしゃぐしゃになった。
「ウウーウッ、ピーポーピーポーッ」
と、パトカーのサイレンを口まねしながら八重子おばさんのいる部屋から遠ざかった。
 なんだか夢の中で歩いているようなふわふわした感じがした。目に入る光景も妙にぼやけた感じがした。


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