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映画の話55 スリーパーズ

 とても考えさせられる映画です。悪だからといって私的制裁(映画では復讐殺人)がなされていいのか? ロバートデニーロ扮するボビー神父の苦悩がよくわかります。それでもボビー神父が偽証したのにおそらく迷いや悔いはなかったのだろうと思います。
 本当の加害者は誰で、本当の被害者は誰なのか。少年たちの苦しみ、悲しみ、悔しさと、復讐殺人とを天秤にかけることはできないし、天秤にかけてはいけませんが、映画を観ながらどうしてもそうしてしまいました。
 諸手を挙げて「よかった!」とはとても言えない結末ですが、やはり泣けてしまいます。この矛盾や、割り切れなさから目を背けず、きちんと受け止めて考え続けることが、せめてもの人間らしい行為なのかもしれません。
 傑作だと思います。

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