あの世とこの世の間で

 高校3年生の春、健康診断で要検査通知をもらった私は、登校前に検査を受けるために地元の総合病院へ行った。
 朝食を抜き、いざ採血検査。今思えば、低血圧だった私。小学生の頃は、朝礼で先生が話をしている間立っていられない子供だった。
でも高校生の時は運動部だったから、体力には自信あったんだけど…採血の前では無力でした。

いざ採血。

なかなか針が血管に刺さらない…。
針で血管を探しているのを見ていたら…。

椅子から滑り落ちた。(らしい。その時の記憶なし。)

 〜ここからたぶん臨死体験〜
頭の中のBGMで高橋真梨子の「遥かな人へ」が流れていました。

人を愛するため 人は生まれた
苦しみの数だけ やさしくなれるはず

ここが繰り返しリピートされていました。

そして寝ている自分を上から見ています。

その後自分の名前を呼ぶ声が
聞こえます。
「気持ちよく寝てるのに起こさないでよ」と思っている自分に気づきます。
そしてなんとなく周囲が騒がしい。
まだ私の名前を呼んでいる。
「うるさいなぁ」
何やらベッドが揺れている。
「ん?心臓マッサージ?そんなに押したら肋骨折れちゃうよ」(痛みはない)

『〇〇ちゃん、起きて!』
そして往復ビンタがはじまる。5発目ぐらいから痛みがわかって目が覚めた。

そして、ナゾに医者から怒られるという。
採血する前に血圧低いことを申告しろっていう内容。

〜私、悪くないよね~
と思いながら言い返せなかった私。

 その後、病院で少し休んで採血のやり直し。
 学校には戻らず、そのまま自力で帰宅。
 今思えば、どうして親に連絡しなかったんだろうなぁ。
 「迷惑をかけてはいけない」という意識が働いていたんだろうな、きっと。

 臨死体験中に聴こえた高橋真梨子の【遥かな人へ】のサビのフレーズは私のその後の人生の伏線になるのでした。






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