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第11話 まずは体への負担を減らす

脱毛症があまりにも急速に悪化したこともあり、拘束時間が長く体への負担が大きい体育会の部活を辞めることを決意しました。

部活を辞めることを言いだすときには、勇気が入りました。
普段は怖い部長に、練習終了後に話をする時間をもらい、自分がなぜ部活を辞めたいと思ったかを正直に話しました。
自分でも本当のところ、部活を辞める理由がよく分かっていませんでした。
いろいろな気持ちがごちゃ混ぜになっていたのです。

① 脱毛が急速に進み原因不明の中、体を休めたい
② 部活の練習漬けの毎日ではなく、他のこと(勉強など)にも時間をつかいたい
③ 厳しすぎる毎日の練習がイヤなので逃げたい
④ とにかく、なんでもいいから時間がほしい。ゆっくり自分を見つめたい

主に、①と②を中心に説明したのだと思います。
でも、長く話をする中で、③や④のような本音のところもこぼれたのだと思います。

「普通は、辞めることを引き留めるところなんだけどな」、と部長は言いました。
でも、私がいろいろなことを思い悩みそのことを正直に話したことで、私の状況を理解し、私にとっては部活を辞めることが良いと判断してくれました。
その日を以て、私は部活を辞めました。

翌日、朝起きてから、とても解放感があったことを覚えています。
いつもなら急いで朝食をかけこんで朝練に向かったりしていたのですが、その日は何もする必要がありません。しかも、大学の講義も、さぼっても大丈夫なものがほとんどでした。
つまり、朝から晩まで何にも縛られず、自分の好きに過ごすことができるのです。
考えてみれば、そういう日があること自体、初めての経験でした。
とりあえず、朝寝坊をゆっくり楽しむことにしました。

今から当時を振り返ると、部活を辞めるという判断は良かったと思います。
ただ、それまで忙しかった日々が、いきなり暇な毎日に変わってしまったという点は大失敗でした。部活以外に、なにか自分が打ち込めるものや居場所を作っておくべきでした。

部活を辞めたその日から、さらに暗黒のトンネルに入り込んでいくことになります。
深い悩みを持っている人は、あまり暇な時間を持たないほうが良いと思います。
暇な時間があればあるほど、際限のない悩み思考のループに入り込んで、より一層ストレスを貯めてしまうからです。

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