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事業タイミングとファクター

言語化が最近の自分のテーマなので、自分と将来採用する人に向けてブログを残しておこうと思う。

起業家として事業をする上で、非常に重要なのは正しいタイミングで正しい場所にいることである。成功する理由の7割はこれで決まると思う。タイミング自体はコントロールすることはできないけど、ある程度検討をつけて予測することはできる。タイミングが来た時に、良いプロダクトがあって、良い人材がいて、十分な資金がある状態が作れているのであれば座組で勝てる。

別の言い方をすると、波が来る前に沖合にでて待たないと波には乗れないということである。AIにしてもWeb3にしても波が出てから9割以上の人たちは沖にで始めるが、それではインダストリーの根本的な大元は抑えられない。Chat GPT-4oが出てとても革新的だと思うけど、OpenAIの設立は2015年で約10年の準備があって今このプロダクトが出ている。

タイミングが一番重要な成功ファクターである上で、タイミングが科学できるのか?というのは重要な問いだと思う。ファクターは星の数ほどあるだろうけど、メインで考慮する事項は ①技術革新、②規制環境、③社会環境変化だと考えている。また、この3つのファクターの基盤にあるのが定量化するのが難しいが「感情」だと思う。

①の技術革新はわかりやすい。ムーアの法則であったりとか、ChatGPT3から4、4oの技術進捗と時間軸を考えれば1年後にどこまで伸びていて何ができるようになってくるのかを想像するのは難しくない。大事なのは技術の成長は線形ではなくて指数関数的だという点で、Web3であればトランザクションコストの減少やEIPなどをベンチマークにとれば将来の数年で何ができるようになるのかを想像できそうだと思う。②つ目は規制環境。どんなに技術が進歩したとしても、その技術を応用してできることが現在合法でないのであればビジネスとしてはもちろん成立しない。例えば、株などの証券をパブリックチェーン上で1対1で発行すれば分散型Nasdaqみたいなものは技術的にはすでにできるのだろうけど、現行の規制環境ではできないのでビジネスとしては成り立たない。規制も時代によって緩和されたり厳しくなったりするので、特に緩和される領域を理解しておくことは重要である。例えば、ステーブルコインなどは特に日本だと重要だと思う。③つ目は社会環境変化。これは人口減少だとか、少子高齢化だとか気候変動がこれに当たる。マクロで避けられない事象に対して、そのタイムラインはマクロデータを見れば大体予測できる。Web3であればここ👇でも書いたけど、2030年までに10億人がWeb3ユーザーになるらしい。

この3つのファクターとそのベクトルの強度を予想した上で世界がどこにどの時間軸で進むのかをイメージしてメンタルモデルを持つのが重要だと思う。

最後に、一番重要だと思うのは感情だ。僕の中で好きなのが漫画のトリリオンゲームの一コマ。「人がコストを支払おうって思うのは結局、「勝ちたい」もそうだけど、感情が一番揺れた瞬間。」

トリリオンゲーム

結局、技術を作るのも、規制環境を作るのも、社会変動を産むのも突き詰めれば人である。人が意思決定を行う時において数字も重要だけど、感情が揺れるというのはもっと重要だ。Web3でいうと日本政府が法人に対する暗号資産の期末課税に関する規制を廃止したときに僕はこれを大きく感じた。Astarとして数千億の時価総額になりシンガポールに移らざるを得なかったけど、変わっても変わらなくても法人としても個人としても何にも恩恵や損失は一切ない日本の税制に意見をさせていただいた。僕らに続く日本の若い人たちであったりとかプロジェクトが僕らと同じ苦労をするのは大変だと思ったからだ。自民党の政治家の方々や各省庁の方々とは非常にお世話になったけど皆さん頭がもちろん良いし話せばわかってくれる人たちだというのを強く感じた。政治家や官僚の方々も未来の日本をつくるために仕事をされているし、一企業の利益とか損失を超えて業界であったり日本の為に意見を言えば年齢関係なく耳を傾けてくれて実際に変えてくれるというのがわかったのは非常に良い経験だった。

ビジネスとしてお金を稼ぐのも重要だけど、人として、チームとして、会社として世の中から応援してもらえる存在になるというのはそれ以上に重要だと思う。そのために必要なのは社会的大義であり、志であり何のために生き、なぜそれをするのかという哲学であると思う。僕の場合は世界をかなり飛び回る中で、ロシアの辺境にいってもトヨタの車が走っていたり、アメリカの広さに打ちひしがれそうになったときに隣に座ったアメリカ人がSonyのヘッドフォンをつけていたり、世界で孤独を感じる時に日本の会社であったり先人の人たちから大いに助けられた。自分の次の世代に日本人として僕が残せるものを残していきたいと思う。

まとめると、タイミングがほぼ全てなのでチャンスが来た時にそれを掴めるように予測をして待って仕掛けていきたい。

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