ボードゲームを考える⑤:体験

はじめに

※この投稿はボードゲームに対する理解と解釈、頭の整理などを私なりに行い、いつの日かのボードゲーム製作に繋げるためにやっています。そのため、あくまでも私の感覚であり、既プレイ、未プレイを含め、想像的部分も多々あることをご了承ください。

ボードゲームを考える⑤

今回、体験について考えたいと思います。

体験

SNS等を見ていたら興味深い記事があったので読んでいました。

株式会社アークライトでボードゲーム編集者を務める、野澤 邦仁さんがボードゲームの企画から制作・出展方法まで指南するという内容のもと、「予算50,000円で、創作ボードゲームを20〜50個制作&ゲームマーケットに出展し、販売すること」を目標に据え、その条件をクリアする手法を解説してくださっています。

なかでも、アークライト 野澤 邦仁のボードゲームを作るには Vol.02「ゲームの着想7つ道具」にて書かれている…

あなたが「プレイヤーにさせたい体験」から逆算し、組み立てていくと良いでしょう。

アークライト 野澤 邦仁のボードゲームを作るには Vol.02「ゲームの着想7つ道具」


この「プレイヤーにさせたい体験」という発想が今までなかったので、自分なりに深堀してみようかなと思います。

自分の中に落とし込む

まず、「ito」というゲームが「ザ・マインド」というゲームをもとにアイデア、商品化されたものということに驚きました。


内容的なもので言えば「ザ・ゲーム」というゲームを私は持っているので、基本的には同じ1~100の数字を扱うゲームという認識があったが、それを言語化して「別の体験(面白さ)に変わっています」という文言を読んだとき、私の中で何を感じました。


いつの日かにボードゲームを作ろうと日々のアイデアをノートに記録し、好きなように自分のやりたいようにそれらを組み上げているが、そこに「体験」という感性はなく、良く言えばオリジナル、悪く言えば独り善がり。

ゲームのルールやシステム(メカニクス)に強く惹かれ、興味や衝撃を受ける私にとってそこに体験という言葉は無く、ひとくくりに「面白い」の言葉に集約し、それをかみ砕くことは考えていなかったので新しい視点の扉が開いたような感覚。

この日を境に以前の感覚とは違う視点での創造に繋がっています。

終わりに

「体験」という視点はなかなか面白いと同時に、様々なことでのかみ砕きに用いやすいので知ることができてよかったです。また、体験という視点からゲームを考えるのも興味深く、新しい引き出しとして活用することを楽しんでいます。

自分が面白いと思ったことをかたちにすることばかりに気をとられて、相手のことを考えていないとはまさにこのことで、それはそれで面白くも感じ、そのまま貫けば尖った作品にもなりそうと笑いながら妄想していました。

それとは別に、企業に勤めて求められる立場と個人が実費で作る立場では思考も内容も異なってくるのと同様に、「売れる作品にしたいのか?」「自分の好きを詰め込みたいのか?」など方向性によってもいろいろ変わってくるので、そこは作りたい内容によって割り切ろうと思いました。

自分の「面白い」が共感されれば自然と広がっていくし、共感されずに尖ってしまっても一部マニアには熱狂的なファンが付くかもしれない。どちらに転んでも愛をもって自分の作品を生み出したいものです。


余談

「好きな伝統ゲームを現代風にする(モダンクラシック化)」

『ゴルフ(トランプ)』『スコパ(ラテントランプ)』『カンビオ(ククゲーム)』『かりうち(盤すごろく系)』「ドミノ牌を使ったオリジナルゲーム」など、伝統ゲームを現代風に挑戦しているとのことなので、私も考えてみました。

今回、私が注目したのは『ゴルフ(トランプ)』

これに「アズール」を合わせてみたいと思います。


なぜアズール?と思うかもしれないけど、深い意味はなく「似てる」「フィーリング」です。現代風という点でもちょうど当てはまったのでラッキー!ぐらいの感覚です。


まずゴルフ(トランプ)で私が感じたこと(面白さ)
・目視からできる予測
・コンボ(繋がる楽しさ)
・山札から欲しいものが出てと願うドキドキ
・全てなくなったときの気持ち良さ(例:ソリティア)

次にアズール
・タイルの綺麗さ
・タイルが埋まっていく体験
・目に見えて分かりやすい結果
・公開されている情報からの予測

ここから実際の各ゲームの手順とルールを考えたとき、なんやかんや混ぜ混ぜして…

タイトル
「タイル(仮)を集めるゲーム」

コンポーネント
・タイル5種類(色)
・タイルを置く皿
・タイルを入れる袋

準備
1.場に皿を5個置き、皿の上にタイルを縦に5個置く(積む)
2.それ以外のタイルを袋に入れ、準備終了

やり方
1.プレイヤ―は袋からランダムに1個のタイルを取り出し、場の中央に置く
2.置いたタイルを基準に連鎖(コンボ)を繋ぐことができ、連続2回まで可
※1「赤→青→緑→黄→紫」 赤を引いたら赤→青→緑と連続で得られる
※2「赤→赤→赤」 同じ色でも可
※3 ただし入れ換え時に各皿の上に連鎖可能な色がなければ不可
3.これを繰り返して、全ての皿に乗ったタイルを取れば終了
・10個以内ならプロ
・15個以内ならセミプロ
・20個以内ならアマチュア

ざっくりと言えばこんな感じになりました。

ただ、これだとどうなのか?

正直、面白いかは分かりません。当てはめてはみたもののなんか寂しい。なので、ここからさらに考え直してみました。

タイトル
「タイル(仮)を集めるゲーム2」

コンポーネント(イメージ=「イ」と省略)
・タイル50個(5色×1~5までの数字×2)(イ:コンプレット)
・場のタイルの順番が見やすくなる何か(イ:ジューC、お菓子の自販機)
・山札カード20枚(色や数字など始まりを示すカード)

準備
1.タイルをよく混ぜ、1列5個のタイル列を5個作る
2.山札カードをよく混ぜ、場に置く。

やり方
1.プレイヤーは山札からカードを1枚引き、表にして中央に置く
2.中央に置いたカードを基準にタイルを獲得していく
3.タイルを獲得するときは列の1番下から取っていく
4.獲得したタイルに応じて得点がもらえる
5.減ったタイル列にタイルを上から補充する
6.1~5を繰り返し、タイルが無くなるか山札が無くなるまで行う

補足1
・タイルの獲得方法はいくつかルールがある
1.数字が連続している(カードの数字が1なら2のタイルが獲得可)
2.数字が同じ(カードの数字が1なら1のタイルが獲得可)
3.獲得できるタイルは3タイルまで

Q&A
・連続した数字での獲得であれば数字が戻るのもOK(1→2→1など)
・同数での獲得であれば途中で連続になるのは禁止(1→1→2など)
・あくまでも最大獲得が3タイルであって1タイルでも2タイルでもOK

補足2
・得点に関すること(未定)

こんな感じ。

一応得点についてはいくつか考えがあって…
・獲得したタイルの数字が得点になる
・得点ボードを作って当てはめていく(イ:ビンゴカード)
・同数字ボーナス、同色ボーナス

この3つかな。ゴルフ感を残すなら勝敗をターン数に設定して、余った山札カードの枚数が得点とかでも良いかもしれない。

そもそも人数を設定していないので何とも言えないけれど、1人ならゴルフより、2人ならアズールよりと分けられたらいいと思う。

最後に本ゲーム(創造)で得られる体験について
・順番が分かっているので、予測のイメージが湧きやすい
・山札によって変化するので適度なドキドキ感になる
・追加されるタイルによって生まれる新たな予測
・得点方法による効率化

などが私の感覚としてはあるので、これをかみ砕くと

・目に見える分かりやすさ(誰でも遊びやすい)
・ランダム制による適度な刺激(ドキドキ感)
・ある程度の戦略性(場の情報公開)
・1人なら効率化、2人なら駆け引き

さらには繰り返すごとに得られる経験から、次のゲームはより理解を持って遊べると思う。


以上。余談でした。


興味があればぜひ、みなさんも何かを組み合わせて創造してみてください。


追加(8/3)


タイトル
「タイル(仮)を集めるゲーム3」

コンポーネント(イメージ=「イ」と省略)
・タイル70個(1~7までの数字×5タイル×2色(赤・青))
・場のタイルの順番が見やすくなる何か
・山札カード25枚(1~7の数字×3+ALLを4枚)

準備
1.タイルをよく混ぜ、1列5個のタイルを7列作る
2.山札カードをよく混ぜ、場に置く。

やり方
1.プレイヤーは山札からカードを1枚引き、表にして中央に置く
2.中央に置いたカードを基準にタイルを獲得していく
3.タイルを獲得するときは列の1番下から取っていく
4.獲得したタイルに応じて得点がもらえる
5.減ったタイル列にタイルを上から補充する
6.1~5を繰り返し、タイルが無くなるか山札が無くなるまで行う

補足1
・タイルの獲得方法はいくつかルールがある
1.数字が連続している(カードの数字が1なら2のタイルが獲得可)
2.獲得できるタイルは3タイルまで

Q&A
・連続した数字での獲得であれば数字が戻るのもOK(1→2→1など)
・あくまでも最大獲得が3タイルであって1タイルでも2タイルでもOK

補足2
・得点に関すること
1.タイルを獲得したら得点ボードに置く

☆得点ボードイメージ(仮)
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2.置く場所は自由だが、置き方にはルールがある
:複数タイルを獲得時には獲得した順番に置いていく
:複数タイルの置き方は「縦」か「横」のみ
:隣接する場合、タイルの数字が連続していること
例=数字1のタイルなら上下左右に置けるのは数字2のタイルになる

・得点に関すること2(点数は仮)
1.得点にはいくつかの条件を満たすともらえる(基本)
:黒い部分の縦1列か横1列が埋まる(3点)
:ナナメ1列が埋まる(5点)

2.基本以外にもボーナス得点有り
:黒い部分の1列が全て同じ色(4点)
:黒い部分の1列の数字が連続している(6点)
例=1~5のタイル 2~6のタイル 3~7のタイル

3.特殊ボーナス
:黒い部分と白い部分を合わせて1~7まで連続している(10点)
:色も含め黒白1列1~7まで連続している(15点)

※置き方のルールには検討の余地あり
→ 隣接する場合、タイルの数字が連続していること
・範囲を狭めていく(難易度上昇)
・1か所連続している(難易度低下)
この2つのパターン