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「アジアを代表するラッパーになったミン・ユンギと私」Agust D TOUR ‘D-DAY’ THE MOVIE感想

1年前に来日公演も行ったBTSメンバーSUGAのソロワールドツアーの映像を映画化した作品を観に行ってきた。
1年前も地元の映画館で来日公演のライブビューイングを観たが、今回も劇場版を観覧し1年前の感動がよみがえったしだいだ。
観ながら考えたことを書きますのでお時間ございましたらどうぞ

コロナ禍以降に破竹の勢いで伸びたBTSブームはついに私のところまで来た


私はDynamite以降にゆるarmy(BTSファンのこと)となったいわゆるニワカである。
それも自力で辿り着いたというより、
なんとなく「流行っているらしい」くらいの認識でいただけだった。
2020年、コロナ禍の閉塞感が満ちる職場で、同僚たちがちらほらarmyを自称しはじめた。女性スタッフの多い職場なのだ。
あんまりこういうのに興味なさそうな同僚までもがお気に入りメンバーの名を口にするようになり、その一面にびっくりしているうちに、気づけば同僚の4割くらいがarmyを自称するようになっていた。
そんな中、久しぶりに実家に帰省すると母も熱心なarmyになっていた。
2018年Love yourselfのライブBlu-rayを購入していた母からとにかく観てみろ、と半ば無理矢理に貸し付けてられたので、帰ってから仕方なく見始めた。
それがあまりにカッコよくてかなりアッサリBTSが好きになり今に至る。
コロナ禍でヒマだったのもあり、巷にあふれるBTSの切り抜き動画も覚えるくらいに見た。
とにかく2020年からのBTSブームの盛り上がりにはものすごい勢いがあった。
2021年10月に発売されたLOTTEのキシリトールガムBTSパッケージは地元の多摩地区でも争奪戦となった。
私もガムを買いに発売日に地元に繰り出したが、年の近い感じの女性たち(一人や二人ではない)と何回もドラッグストアやコンビニ、スーパーで鉢合わせ、皆手に手にBTSのガムボトルを持っていた。
こうしたブームに飲み込まれるようにして、私もarmyとなっていったのだった。

コロナ禍以降、唯一の日本公演


一度、彼らのパフォーマンスをこの目で見てみたいとは願うものの、現在彼らは韓国で兵役に就いているため、その願いが叶うのはもうしばらく先になりそうだ。
とはいえ、army想いの彼ららしく、この「空白期間」を過ごすarmyたちがさみしくないよう、事前収録やそれぞれのソロ活動をもって、埋め合わせをしようと考えてくれたようだ。
その中で唯一、SUGAことミン・ユンギは2023年、自身の兵役の直前にソロのAugustD名義でワールドツアーを行った。
ツアー開催地にはなんとここ日本も含まれており、コロナ禍以降なおかつ兵役前に日本国内でコンサートをやったBTSメンバーは唯一SUGAということになった。
当然、私も母もあらゆる手を尽くして(応募できるすべての機会を使って)現地に応募はしたものの、当選は叶わず、地元でライブビューイングを観たというしだいだ。

アジアを代表するラッパー


BTSの7人ではなく、その中のたった1人によるコンサートだったわけだが、たった1人でも「アジアを代表するラッパー」だという風格があった。
私もニワカarmyではあるが、彼らの駆け出しの頃の映像は何度も目にしてきた。
まだ何者でもなかったころのBTSは少年ダンスチームみたいで、ただ若く幼なかった。
それが、いつしか、数奇な運命を辿り、本国で流行り、日本で流行り、欧米でも流行って、グラミー賞に二度もノミネートされ、国連アンバサダーに任命され、ホワイトハウスに招待され、気がつけばこうして、アジアを代表するミュージシャンとして、堂々とステージパフォーマンスを披露しているのを、新宿の映画館で私が観ている。
彼らがどこまでも駆け上がっていく姿は、
私自身の人生のロールモデルのようでもあるし、
賛同する人も嫌がる人もいるだろうが東アジア人の一つのロールモデルともなっていると思う。
BTSとは、ミクロな、内的な意味では私の人生にとっての伴走者でもあるが、
一方でマクロな視点では現実問題、現在の社会の立ち位置として東アジアのカルチャーや人種が、欧米で、特にアメリカでの受け入れられ具合を占う試金石ともなってきた。
ともかくBTSはビッグになった。
パンPDも映像作品内で憂慮していたが、
「スター」の人生とは一般的に言って不幸だ。
BTSの、今この画面に映し出されているミン・ユンギの人生は、どうなのだろう。
本人の人生の実感をこちらは知る由もないが、ミン・ユンギの姿はどこからどう見ても「アジアを代表するラッパー」として堂に入っていた。
めっちゃくちゃカッコよかった。

「アジアのロールモデル」を背負う胆力


彼らの受ける賛辞は当然、強烈なかわりに、強烈なヘイトとも表裏一体のはずだ。
彼らがカルト的に持ち上げられるほど、おぞましい憎悪もぶつけられているはずだと思う。
誰しも心に承認欲求を飼っているものだが、
だからといって「アジア人のロールモデル」を背負わされるほど有名になることを望む人はいるのだろうか。
でも、BTSは7人として、その役を意欲的に受け入れているように見える。
今回見たのは一人だったけど、ミン・ユンギからもそのような姿勢を感じた。
「アジア人のロールモデル」が、BTSで良かった。(とはいえ日本においてのBTS原爆Tシャツ事件については残念としか言いようがないのだが(ユンギが着たわけではない))
私より若いこの男、SUGAことミン・ユンギに感じる頼もしさ。
そしてなぜか、ミン・ユンギに限らずBTSの彼らを見ていると、私も自分の使命を全うしよう、自分の人生に取り組もう、という意欲が湧いてくる。
それはきっと、彼らが人生を勇敢に、恐れず、楽しんで生きようとしていると感じるからだろう。
前後のインタビューからは、これだけ売れて「もうウンザリ」という有名人にありがちな、
ファンとしてはこれ以上なく悲しい「満腹宣言」ではなく、
「まだライブをやりたい」
「公演こそアーティストの本懐である」
「ステージに上がりたくないと思ったらアーティストをやめるべき」
とまで言ってのけ、
兵役直前だったからというのもあるかもしれないが、「まだこの活動をやっていたい」という意欲を聞けたことがこの上なく嬉しかった。
7人揃ったところを見られる日も心待ちにしたいと思う。

ギャップ萌え


それにしても、「アジアを代表するラッパー」の姿が様になりすぎていて、改めてこのミン・ユンギという男がもともとはBTSという韓国のボーイズグループのメンバーであり、あのBTSのキャッチーかつダンサブルなナンバーのほとんどを踊りこなせる人なのだということが、改めて凄いと感じた。
エミネムとかと同様、著名なラッパーらしくどこか内気な雰囲気のあるミン・ユンギだが、アイドルとして活躍してきた過去があるからか、どこか愛嬌もあり、ハイブランドがこぞってコラボを申し込むようなファッショニスタでもあり、雰囲気も垢抜けてて、イケているのだった。
一言でいうと、カッコ良いのだ。

ありきたりな結論になってしまうが、
今こそ心にある正直なこの言葉を語るべき時であろうと思う。

ユンギ、マリー・ミー!!!!!!!!!!

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