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アメイジング歌舞伎マン②四月大歌舞伎夜の部感想

前回のあらすじ:誤って歌舞伎のチケットを2回分買ってしまった。
一等席、まぁまぁ高い(18000円プラス手数料)
あまり裕福な暮らしをしているわけではないので、
経済的な不安に震えながら行った一度目の感想はコチラ

二回目も行ってきたのですが夜の部にも「アメイジング歌舞伎マン」がいた!
お時間ございましたらどうぞ

お染久松色読販


二回目の観劇、夜の部で目撃したアメイジング歌舞伎マンとは坂東玉三郎氏のことである。

土手のお六というワルの女の役だった。

自ら詐欺を働くワルの女なのだが、
悪い事をするにも悲劇性がなく、本人もまったく悪びれない。 
不思議だがまったく悪びれない土手のお六にはなぜだか愛嬌を感じてしまう。
アンパンマンにおけるドキンちゃんみたいな、
ルパン三世における峰不二子みたいな感じ。

そういう愛嬌あふれるキャラクターを、
おじさんが顔を真っ白に塗って演じる。
そのはずなのに、所作の一つ一つが冴え渡っており、まさに女性よりも「女性らしい」。

特にまばたきを、
びっくりした時、思案する時、
ぱちぱちする様子がホントにかわいくてチャーミング。
女の私でもきゅん、としてしまった。

本当に無知で恥ずかしいのだが、
家に帰ってからこのお六を演じておられた「坂東玉三郎」氏が人間国宝であることを知った。
いや、人間国宝って、、、

オタクが感極まった時に言う「こんなの人間国宝でござるなぁwwコポォww」というものの例えとしての人間国宝ではなく、本物の人間国宝だ。

当然、人生の中で「人間国宝」のほまれを受けた人を観たのは初めてだった。
おかげさまで、「人間国宝ってかわいい」ものなんだなという学びを得て帰った。大いに間違っている気もするが

神田祭


このように、かわいすぎる女形、坂東玉三郎演じるお六に釘付けだった1幕だったわけだが、
さっきの演目から異様にセクシーな存在感を放つ、お六の隣にいた俳優が当然目についていた。

こちらも帰ってからようやく気が付いたのだが、
同じく人間国宝の片岡仁左衛門氏だったのだ。
1日に二人も、人間国宝を目にするとは一体なんという日だろう。

なんと表現したらいいのか……「宝塚の男役」を、女性じゃなくて、実際にイケメンの男性がやったらどうなるのか、みたいな?

こうまで「雄み」を強調する、と、なんか私みたいな弱者女性(弱者女性とは)は縮こまるしかないというか直視できない、というふうになった。カッコよすぎて。ほとばしるほどにイケ散らかしていた。

この神田祭はこの坂東玉三郎氏と片岡仁左衛門氏しか出て来ず、この「凄み」のある二人が舞台上で舞い踊るのをただ観る、という演目なのだが、
あまりに凄すぎて、客席のあちこちから感嘆のため息が聞こえてくるのだった。凄い……

普段からこうしてnoteを書くなどして、
文章での表現を日常的にやっているつもりにも関わらず、この「凄み」を適切に表現する言葉が見当たらないことが歯がゆい。

とにかく観てみてくれッ!!観たらわかる!!!!!!!

結局オタクにありがちな鳴き声しか出せないのであった。悔しい

四季


こう、バレエの演目で言うところの「くるみ割り人形」とか、
ミュージカルの演目における「CATS」みたいな、
「いろいろなダンス」の寄せ集め的な演目だった。
私は「冬」が好きだったかな。
歌舞伎というよりもコンテンポラリーダンスみたいな感じで、
歌舞伎の演目とは思えないほどの人数が舞台上で群舞する。
和服を着た若い男女が、
木枯らしに舞う木の葉になりきって、
バック転したりアクロバットを決めたりする。
「冬」なんだけど、色とりどりの着物の色(なんかパステルカラーなの)があたたかくて、楽しい気分になった。

人間国宝とはセクシーを極めし者のみがなれる


のかな?
と思うくらい「凄み」のある俳優を目にして、
観劇後も数日フワフワしていた。

これまでまったく歌舞伎俳優に詳しくなかったが、
今回流石に坂東玉三郎氏と片岡仁左衛門氏のことは覚えた。
そこで先日見つけたインタビュー記事である。
(アフィリ感がある)

朝ご飯にピーナッツ食ってんのか……
なんかそれすらも凄く感じる…

しかも御年74歳て……

もうこちらの常識を破壊するのはこのくらいにしておいてほしい。
勘弁してください
負けました


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