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歌舞伎町に咲いた1輪の絶望 PSYCHO-PASSVV3感想とついでに歌舞伎町タワーTHEATERMILANO-ZAの見え方と感想も

ネタバレあり
メディアミックスは舞台版だけ観ています

本作は「新宿」が舞台というわけではないが、
2023年新規オープンの歌舞伎町タワー内THEATER MILANO-ZAでの公演ということもあり、
なんだか「非日常体験」が幕が開く前から始まっているようであった。

客席は満席。
人気作の三作目の公演を観に行って来ましたので感想書きたいと思います。
それと、新設の劇場のレビューがまだ少ないと思いますので、
THEATER MILANO-ZAの劇場の感想も書きます。
お時間ある方はどうぞ

遅刻しそうになった(歌舞伎町タワー近辺の話)


いきなり隙あらば自分語りで恐縮だが、
中央線ユーザーなのでどうしても目的地が新宿だとナメてしまいギリギリになってしまう。
前に紀伊國屋劇場に行った時も遅刻しそうになった。

そのため新宿駅東口から、
西武線の線路沿いを40歳本気ダッシュをキメるハメになった。

でも「新宿」もしくは「歌舞伎町」という街は
40歳のBBAがゼエハア言いながらヨロヨロと走っていても誰も気にしない。
こういう特有の妙な「懐の深さ」みたいのは相変わらずだ。

これから歌舞伎町タワー内のMILANO-ZAを利用する人も増えていくと思うので、
周辺の状況なども詳しく書こうと思う。

JR新宿駅から「歌舞伎町タワー」に向かうには、
西武新宿線の線路沿いに向かう行き方と、
(赤いルート)
「歌舞伎町」のランドマークである、
入口のネオンサインのゲートをくぐり、
ゴジラに向かって歩き、
昨今話題の「トー横」をかすめて行く方法の
(青いルート)
二通りの行き方がある。

どちらがいいかというと、
土地勘がなく、
迷子になることや治安が心配な場合は前者の「西武新宿線の線路沿い(赤いルート)」を利用し、
歌舞伎町の観光もしたい場合は
後者(青いルート)がいいだろう、
と言われている。

私は今回、時間にゆとりがなく迷うわけにいかなかったので西武新宿線の線路沿いのルート(赤いルート)を通った。

ところがやはりマクドナルドを越えたあたりから急に雰囲気が変わるのを感じた。
日曜のお昼にも関わらず、
歌舞伎町のど真ん中からはだいぶ外れているにも関わらず、
どこか「スラム街」ぽいというか……
歌舞伎町のあの感じだ。
やはりこちらをまわってもこの感じがするのだなと思った。

別に誰かから声をかけられたりすることもなかったし、
外国人観光客の集団をすり抜けながら
道端のゲロや散乱したゴミを踏まないよう気をつけて歩くだけなのだが……
ソワレの予定があったりして心配な人は歩きやすい靴で速歩きをしたほうがいいかもしれない

歌舞伎町タワー自体は、
「歌舞伎町の楼閣」とも表現できるようなやや不気味な佇まいをしており
遠くからでもよく見える。

新築なのでビルの中はきれいだが、
ニュースなどでも取り上げられられた通り
歌舞伎町のカオス感をビルの中でも再現しようという建築した者の意図があるため、
低層階のフードコートやガチャガチャコーナーなどには猥雑感があるものの、
どこか人造的で、見た目ほど治安が悪いわけではない感じがする。

かなり治安が問題視された2階のジェンダーレストイレだが、
現在は改装され、普通の男女別のトイレになっているようだ。
私は遅刻しそうになっていたためビル内のトイレは利用せず、劇場内のトイレのみ利用した。
劇場内のトイレの個室数は多くもないが少なくもない。
言うまでもないが新築なのでかなりきれいだし、
ペーパータオルが備え付けられているのは助かる。

話は戻るが、歌舞伎町タワーに入ってから6階の劇場まではエレベーターは使えず、エスカレーターを利用する。
各階の天井が高いのか、
「6階」とはいえなかなか着かない感覚がするので、
私が言えた道理ではないが、時間にはゆとりをもって向かった方がいいだろう。

M列19番は前の人の頭で見えなかった……


劇場内は文句なくきれいだ。

なぜか座席の足元の床は足音が鳴りやすい。
地元の映画館でも絨毯くらいは貼っているのでなぜなんだと思った。
こういうことからも、できるなら遅れないほうがいいだろう。
(開演後に着席しようとすると自分の足音が響いてしまうので)
私が言えた道理はないが……(一応まにあったが)

また今回のM列19番はかなり「見えなかった」
一つ前の列の舞台側に座っておられた女性が非常に背が高かったのだ。

私とその女性にどのくらいの身長差があったのかというと、
終演後立ち上がった際に段差があるにも関わらず、
私よりも背が高くなるくらい背の高い人だった。
そのせいだと思うが、
私の姿勢によるものの舞台の30〜20%くらいが常に見えず、
舞台の三分の一が常に見えないとなると舞台上の登場人物に気が付かないこともあった。
そのせいで物語についていけてないと感じた。
座席の間隔が狭いのでこういうことが起きるのだろうか。
今回が稀に見る不運だった、というのであればまぁいいが、
これから2.5をこの劇場でたくさん上演していくということであるから、少し恐ろしくなってしまった。

とはいえ、検索してみても立川のように阿鼻叫喚があちこちから聞こえてくるというわけでもないので、
本当にただ運が悪かっただけなのかもしれない。
だといいのだが……

見た感じ、最前列から4列目までは段差がない。
4列目は見づらいのではないだろうか。

一方で5列目から段差がつくので、5列目の視界は良好なはずだ。
また、上手ブロック、下手ブロックの通路側も見やすいのではないだろうか。

同じ通路側でも、中央ブロックだと今回の私のように前の人の身長次第では三分の一が見えない、ということもあるかもしれない。

下から見上げた感じだと、
2階はサイドブロックと最前列が見やすいのではないかと思った。
座る機会があれば追記したい。

さすがに3階は遠そうだが、
最前列などで視界が良好なのであれば、今回の記事私のように「見えない」よりはマシかもしれない。

あらすじはワンピースフィルムRED暗黒編といった感じ


2022年に大ヒットした劇場版ワンピースフィルムRedにおけるウタの歌のような力を利用して、一般民衆を先導し、テロ行為をさせようとしている連中を止める、というようなあらすじだ。

もちろん「ウタ」は出てこないが、
「ウタ」みたいなバーチャルアイドル的なディーバが登場する。

その歌姫の歌には人類を動物的にする効果があるが、
この歌を活用すればこの「PSYCHO-PASS」の世界でお馴染みの「犯罪係数」を上げずに、
つまり警察に察知されずに、
人々に暴動を先導することができるという寸法だ。

年甲斐なくたまに私もクラブでオールするが
やはり爆音で音楽がかかっている空間では何かしらトランス状態になるというか、
今回のイルージオの音楽の効果、というのもさもありなん、と感じた。

和田雅成はブルベ夏


いや、ブルベ冬かもしれない。
どっちでもいいが。
遠目にもわかるほど色白で、美しい男だった。
ちなみに私はイエベ春だ。
どうでもいいが。

実は今回、
いまひとつ物語にのめり込むことができない観劇だったと感じている。

その理由を帰ってからいくつか考えてみたのだが、
当然その一つは座席運が悪く、常に舞台の3割が見えなかったからだと思う。

それともう一つ気がついたのが、
私がスケベだからなのだが、
どうしてもイケメンが目の前にいるとぽーっとしてしまい、
複雑な物語・複雑なセリフが全然頭に入ってこなくなると思った。

PSYCHO-PASSといえば、相当に作り込まれた世界観が特徴だ。
この複雑な舞台をイケメンでキャスティングしてしまうと、実は(スケベな人の)多くが、物語やセリフを把握できないのではないか。

ポケモンでいうところのメロメロ状態というやつだ。すべての行動にデバフがかかる。
スケベじゃない人なら、大丈夫なのかもしれないが……

2.5にどハマリしたきっかけがコロナ禍での刀剣乱舞の無料配信だったのだが、
2.5次元の俳優で、初めてきゅんとしたのが実は刀ステジョ伝のへし切長谷部だったのである。
つまりタイプなんだ……和田雅成の顔が……

何やってもかっこいい、
キックすると、脚が長い
和田雅成を見れただけで良かったといえば良かった

鈴木拡樹の吐いたタバコの煙を吸った


どんどんキモくなっているがついてきてほしい。

PSYCHO-PASSVV3は開演時、
なんと「携帯の電源をお切りください」の看板を持ったスタッフがいるうちに、
主演の鈴木拡樹が登場する。
注意書きを持ったスタッフがまだ立っているのに、主演が出てきている、という異様な時間は3分程度だっただろうか。

華奢なスーツ姿の男が上手から背中を丸めて物憂げに登場したが、
よく見ると鼻筋の通ったイケメンである。
それもそのはず、主演の鈴木拡樹だからだ。

さすがだ、と思った。
スタッフがまだ注意書きの看板を持って立っているのだから厳密には開演前なのであろうが、
客席は水を打ったかのように静かになった。

異様な空間に、何が起きるのだろう?とドキドキしながら舞台を眺めたが、
鈴木拡樹演じる九泉晴人がおもむろにポケットからタバコを取り出し、火をつけて吸い始めた。
おやまぁ、なんてカッコいい人なんやろ、と眺めていると、
なんとM列までタバコの匂いが漂ってきたのである!

え……これってまさか今舞台で九泉晴人が吸ってるタバコの匂いなの!?
え!?
ていうか前の方の人、喘息の人とかいない!?大丈夫!?
え、じゃあ今これ、鈴木拡樹が吐いた煙を私が吸ってるってコト!?
え!?もう息吐きたくない!
このままここで死ぬ!

そうした思いが駆け巡るうちに、イケメンがもう一人、多和田任益演じる林崎が登場し、
PSYCHO-PASSお馴染みの不穏としかいいようのない雰囲気が充満していった。

一作目の時からそうだったが、
なんでこんな目に遭わないといけないのか?というくらいの悲惨な目に、九泉晴人が遭いまくる。

ショックを受け、おびえ、不安そうにする演技がうまい鈴木拡樹がまぁ、グッとくるといえばくる

田村心くんも良かった


田村心くんと言えば刀ミュの陸奥守吉行役でもお馴染みだ。

笑顔が愛らしい青年で、「ぼくたちの遊び場」(2.5次元俳優が出てくるYouTubeチャンネルだ)では等身大で素朴な人柄に好感しかなかったが、
(陸奥守吉行みたいに表裏のない感じのする人だ)
今作ではスラム育ちのスレたキャラをカッコよく演じていた。

こういう役もできるんだ〜
髪型も似合ってました

あとギターのお兄さんもカッコよかったな……

シビラシステムに倫理観はないんか


昨今、発展目覚ましいAIのチャットGPTなどに、
困り事を相談すると、
「それは素晴らしいですね」とか
「それはお辛いですね」といったような
こちらの感情をおもんぱかったような一文をたいてい冒頭に据えてくる。

マジで困っているときなど、ロボットが相手なのにその一言にじ〜んとすることさえある。
「学習」だけがアイデンティティのAIであるが、そこいらの底意地の悪い気の利かない人間より余程親切なのだった。

このような現状のAIの優しさに着目すると、人類社会の平和と安全を担うシビラシステムこそ、
人為的に記憶を植え付け、人格を人為的に形成する「人造監察官育成システム」に異を唱えそうだが、どうなのだろう。

役者のみなさんの熱演もあり、
良い舞台だったと思います。
それだけに、もっと視界が良ければ……という無念が募る結末になったのでした。

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