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シリーズ【ふせんをはりたい、ことばたち。】 #4 「先生に〜して“頂く”とは、言わないほうが良いと思います。子供は親と教師で、一緒に育てていくものですから。」 娘の小学校の先生のことばより


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娘が小学生の頃。

色々なことがあり、いったいどうしたら良いの?と、
暗闇の中を、手探りで歩いているような時期がありました。

そんなとき、小学校の非常勤の先生とお話しをする機会がありました。
その先生はもう引退され、若い先生方へのアドバイザーのような形で来られている方でした。

とても深みのある声が印象的な、少し風変りな初老の男性で、何度かたまたま顔を合わせていました。


その日もしばらく、娘のことを話したりしていたのですが、
私が「先生方に娘が〇〇して頂いて…」と言ったときです。

その先生は、少し考えるような様子を見せた後、こう言いました。

「あなたは言葉がきれいですね。それはとても良いことなんですが、先生にして“頂く”とは、言わない方が良いと思います。子供は親と教師で、一緒に育てていくものですから。」

私は、お世話になっている先生に「○○して頂く」と言うのは当たり前のことだと思っていたので、驚きました。
でも、言葉遣いというよりも、私の姿勢のことを言ってくださったのだと気付きました。


目の回るような忙しさの小学校の先生達を目の当たりにすると、

「娘のために時間をとってもらって、申し訳ない…」

と考えることもありました。そのことを見抜かれていたのかもしれません。

申し訳ない、と思うということは、子供が自分の一部であるかように感じているからではないだろうか。

なにより大事なのは、子供。
私が守るべきなのも、先生方が守るべきなのも、子供。

このことばを通じて、先生に教えてもらったような気がします。







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