『飛び降り自殺レポ』
飛び降り自殺レポは名前からしてまずショッキングだった。
あの話の長所は、やっていることが完全に自業自得であるという点だと思う。
だからエンターテイメントにできた。
ダウンロードが6000を突破したタイミングで、長らく見てなかったAmazonレビュー欄を覗いてみた。
ああ、これは。
2年以上前のレビューですね。
そして、長文だ…これはとんでもない現象だ。
飛び降り自殺レポはまごうかたなきラクガキだ。
内容も、私が経験したことと思ったことを、覚えている限り描いただけ。
わざわざ出版したのも本当に軽い気持ちだった…ただ、これが私のやったことなのだろう。
赤の他人にここまで言わせるものがこの本にはある。
自分で産んだ子供ながら、恐ろしいですね。
それと何よりすみません、レビュー読むの2年越しになりました。
普段レビューは怖くて見ない。
あの本には、というか私が出した本にはぜんぶ、私の性格や行動原理がそのまま表れている。
レビューを書いてくださった人たちも、本の内容を通して、私自身の人間性を批判したり心配したりドン引きしたりしていた。
ここまでの本になるとは思わなかった…知らない人たちからたくさん怒られたような気がして、まあまあ凹んだ。
いや…すみません、死ぬんじゃないかってくらい凹んだんだ。
真剣に読んでくださって本当にありがとう。
やっぱり描いてよかった。
そうだね。
飛び降りる前も後も、私は他人の立場に立ってものを考えるなんて全くしてこなかったね。
飛び降りる直前までTwitterやってたし、死に損なった段階でできるだけ早くTwitterは再開した。
飛び降りてから2ヶ月後くらいだった。
人間関係はインターネットにもあった。
私が死ぬことも、そして結局失敗したことも、知らせたかった人がいたので…そういう行動原理なんですね私は…インターネットでしか繋がりがない、大切な人たちもいる。
飛び降りた当日、私は電線をぶち切って停電騒ぎを起こしたらしいし、当然飛び降りたビルにも死ぬほどの迷惑をかけたし、それについては本当に償いきれないです。
殺されても文句言えないと思う。
それにその時の私は貯金なんてなかった。
それで飛び降り自殺に失敗すれば、医療費を払うのは親しかいない。
そうですね、返さないと…無理だこれ…私を生かすために奔走した医療従事者の方々、当時コロナ禍真っ只中の病床を一つ圧迫し、看護師さんもずっと手を焼いていたと思う。
今更なんだけど主治医の先生すごいなあ…あんなんなった人間も生かすんだからなあ。
「迷惑」の規模があまりにも大きい。
そして私はそれに対する関心があまりにも薄い。
本当は医者に対しても「余計なことしやがって」って思ったよ。
お見舞いに来た母に暴言吐いたりしてた。
そうだね、それでも私は生かすべきだったのかな。
つくづくこの助かり方はおかしいね…絶対どこかバグってますね。
「私が私自身の弱さと向き合って、問題を根本的に解決しないと、この人はもう一度死のうとする」と言ってくれた。
すごいね、あの本でそこまでわかるんだ。
そういえばコメントの中で誰一人、私の自殺自体を疑った人はいなかった。
あれはただのラクガキで、私は本当は飛んでない可能性もあるのに。
そこは…あの本にも何か説得力があったってことだ。
飛び降り自殺レポは、「みんなきっとびっくりしてくれる」という動機から始まった。
読んで面白ければ御の字です。
あるいは私が死んでしまった動機について、ちゃんと絵にする機会もあるかもしれない。
飛び降り自殺レポを読んでいただき、さらに思いのこもったレビューまで書いてくださった方々、本当に、本当にありがとうございました。
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