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混沌。50歳。

電話番号が思い出せず。
ネットで調べようと思うのだけど、上手くキーボードが打てない。
マウスも思い通りに動かせない。

手が悪いのか、指が悪いのか、マウスが悪いのか。

イライラしてマウスを叩き落した。

隣に座っている同僚に聞けばいいか、と閃き、聞くと教えてくれたけど、覚えられず何度も聞く羽目になった。

え、もしかして、私、認知症になったのか?
なんか変じゃない?

そう言えばここはどこなんだろう。
会社だと思ったけど、家のような気もする。
知らない道を歩いてきた記憶がある。

でも、そんなことを周りの人に悟られてはいけないような気がして、必死に電話番号をメモする。
直接ボタンを押せばいい、と気付き、電話する。

発信音が鳴らない。やっぱり間違ったのかな、と思ったら、相手が通話している気配がする。

「もしもし」と話しかけるけど、返答はない。
「もしもし」
「もしもし」
気配はする。繋がっている。
なのに、返答がない。

イライラする。
なんか変だ。やっぱり、私、認知症になったのかもしれない。

でも、周りには悟られてはいけない。取り繕わなければならない。
不安が大きい。




そんな夢を見ることが最近多い。

仕事柄、自分が認知症になったら、と考えるせいなのか。
夢のもどかしさが、認知症の方の葛藤を連想するのか。

早い人は30歳代でもアルツハイマー病になる。
50歳代から違和感を感じ、早期アルツハイマーと診断される人もいる。

現実に、記憶力は落ちているし、不安も大きい。
でも、100歳まで生きる時代。
病気でも、歩けなくても、動けなくても、生きる時代。

少し前なら、認知症になったらどうせもう長くないとか、80歳なら死も近いとか思われていたと思うけど、

そう簡単には死ねないの。

私、これから何十年も、同じような夢を見るのだろうか。
それとも、やっぱり認知症が現実になるのかな。

どっちにしても苦しい。歳を取る恐怖。

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