豊島区駒込で子ども食堂「おまめ食堂」を始めます
豊島区駒込で子ども食堂を始めます。法人ではなく池田園子個人の活動です。プレオープン(初回)は9/29(水)17:30〜20:00(感染症対策のため、入れ替え制)。
今回は、なぜ私が子ども食堂をスタートするに至ったか、またどんな準備をしてきたか、どんな子ども食堂を目指しているかを書きます。
子ども食堂を開こうと決めたきっかけ
「きっかけのカケラ」はいくつかあります。
たとえば、私は料理が好きで、ひとりで暮らしているときも、自分のために食事を作ります。栄養のあるものや温かい料理を食べて、健康な心身を維持したいからです。
とはいえ、難しいものを作るわけではなく、時間のかかるスパイスカレー系を除くと、ほとんどが30分以内でできる簡単でざっくりしたものばかり。
ただ、「ひとり分の料理」を作る習慣が元々ありません。厳密にひとり分のカレーやスープを作るのって、私には難しい。
一般的なサイズの鍋を使っても、2〜3人分くらい作っていることになり、何度かに分けて食べることになるんです。
友人などが来ているときは、タイミングが良ければ一緒に食べてくれるので、ありがたいと感じています。「どんどん来て」「帰り道に寄って」。そんなテンションでした。
8月下旬もそんなことを考えていたら、ふと「地域の子どもたちに食べてもらえたら最高だな」と思いついたのです。
コロナ禍で仕事がなくなったり、減ったりした人の中には、子どもに食べさせるものにも困っている状況がある、という報道は見聞きしていました(きっとそういう方は、親御さんご自身も困っているはずですが)。
自分には子どもはいないし、子どものいない人生を送る予定ですが、「子ども自身が“何らかの理由”で困っている、辛い思いをしている」ことへの関心がかねてからありました。
そういう子どもたちの役に立てたらいいなと、一時期、区の小中学生向け学習ボランティアをやっていたこともあります。
今回は、人が健やかに生きていくために必要不可欠な食という分野で、私ができることをさせてもらいたい、という思いで、子ども食堂をやろうと決めました。
「自分を大切にすること」を教えてくれた食
私は地元にいた18歳まで、母が作ってくれた栄養たっぷりの温かい料理を食べて育ちました。
いろいろな仕事をしながら、3人の子を育てる多忙な中で、毎日いろいろな料理を作ってくれたことに、尊敬と感謝の念があります。
おかげで、私は食に興味を抱き、「自分の身体は食べたものでできている」と実感を持ち、健康でいるために身体にいいものを選択する大人になりました。
それはひいては「自分を大事にする」という、生きていく上で根本的に必要なスタンスにつながっていると思っています。
私は自分の子どもは持ちません。代わりに、自分の半径5メートルに来てくれる子どもたちに、「よそのおばちゃん」の立場からそんな考え方をシェアできたらと願っています。
母が与えてくれた食体験から生まれた「自分を大事にする」という在り方を、食を通してシェアしていきたいのです。
食育というほどの教育はできないし、教育者でもないのですが、食体験をベースに自分を大事にしている「一おばちゃんの言葉」に少しだけ耳を傾けてもらえる? という感じでしょうか。
子どもたちがいつか「あのとき、あのおばちゃんがあんなこと言ってたな」と大人になって思い出して、自分を大事にする行動を実践してくれたらいいなあ、と。
こんな準備をしてきました
前置きが長くなりましたが、子ども食堂開設までにどんな準備をしてきたか、時系列でまとめます。
まずは、「子ども食堂 豊島区」で検索。ヒットしたのがこちらのページでした。
問い合わせ先として書かれている「としま子ども食堂ネットワーク事務局 子ども若者課地域支援グループ」へ電話すると、豊島区役所につながり、担当者と話をすることができました。
そこで、概要を共有すると、保健所に連絡することを勧めてもらい、池袋保健所へ電話。「生活衛生課食品衛生グループ」担当者に対応してもらいました。
私のような、自宅で開催する超小規模な子ども食堂の場合、届出はマストではないけれど、実態把握のために「小規模給食施設、ボランティア給食における食事の提供届」を出してほしいとのことで、先日保健所に行って、書類に記載・捺印してきました。
その後は、保健所に届出を済ませたこと、開催する子ども食堂の概要、開催時期などの共有などを、前出の「子ども若者課地域支援グループ」に行いました。
初回開催時には「子ども若者課地域支援グループ」担当者が現場を見にきてくれるそうで、それまでは頻繁にやりとりをすることになります。
初回が無事終わったところで、豊島区の子ども食堂ネットワークに、子ども食堂の情報が掲載されます(ネットワークへの加入はマストではありませんが、私は子どもや親に見つけてもらう機会を増やすために加入したいと考え、その旨を担当者に伝えました)。
さらに、「社会福祉協議会のCSW(コミュニティソーシャルワーカー)」とも連携を取っています。
私が開く子ども食堂に来てほしい対象である、現実的に困っている子ども、親を紹介してもらう目的です。
私は子どものいない独居で、普段地域の子どもや親と関わる機会がないのですと話すと、「子ども若者課地域支援グループ」担当者がつなげてくれました。
さらに、地域の民生委員・児童委員さんも紹介してもらい、対象者とつなげてもらう予定です。
こういった報連相を進めながら、下記のような衛生管理周り、保険関連の情報にふれていきました。
自分や誰かに作った料理で食中毒を起こしたことはありませんが、改めての学習をしています。
私が開く子ども食堂の概要
下記が、連携している豊島区役所、保健所、社会福祉協議会に共有している概要です。
・子ども食堂名
「おまめ食堂」
・開催日と時間
初回は9/29(水)17:30〜20:00
今後は「原則、毎月最終火曜or水曜の17:30〜20:00」。確定したら具体的な日を告知。
・開催場所
豊島区駒込某所(JR駒込駅から徒歩2分)
参加者に連絡。
・実施形態
会食(開催者の自宅ダイニングルームでの食事)
※広い室内ではないため、2〜3名ずつ入れ替え制で行うことを想定。
※大豆製品(大豆、豆腐、高野豆腐など)やその他の豆(ひよこ豆、レンズ豆など)と野菜を使った料理を作ります。肉・魚は使いません。大豆アレルギーのお子さんはご注意ください。
・対象者
豊島区在住の小学生のみ
※今のところ。範囲を変更する可能性もあります。
・定員
5名まで
・参加費
0円
・参加申込方法
メール( sono.ilangilang@gmail.com )
プラントベースな食事を提供するのは、私自身がそれに興味があるためです。
また、子どもたちに「肉や魚を食べなくても、植物性食品から栄養を摂ることができるし、満足感を得られるんだよ」と伝え、食体験を通じて感じてもらう意図もあります。
私が子どものときは、そんな発想はありませんでした。ひとつの考えとして伝えたいです。
最後に
「月1回の開催で、5名まで」というのは、あまりにも小規模な取り組みではあります。私の「困っている子を助けたい、役に立ちたい」というのは、ある種のエゴだとも認識しています。とはいえ、自分ができる限りでやれることをしたい。
私という一般人が世に与える影響は小さいです。それでも、「おまめ食堂」にたまたま来てくれた子が、温かい食事を摂る機会ができて喜んでくれたり、食に興味を持つようになったりすれば、ひとりの子どもにいい影響をもたらせたことになります。
上で、母から、食を通じて健やかに生きていくための考え方をもらうことができたと書きました。それだけではなく、私はこれまで35年間、いろいろな人から、いろいろなコト(生き方、考え方、振る舞いなどのヒント)をいただいてきました。
それらを与えてくれた人たち一人ひとりへの恩返しが難しい分、下の世代に恩送りしたいという思いがあります。私ひとりの活動なので、大変微力ではありますが、この動きを通じて誰かひとりでも、子どもの役に立てたらいいなと考えています。
もし皆さんの周りに、上記の「対象」に当てはまる子どもがいたら、親御さんにこの記事をシェアしていただけたら幸いです。