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お好み焼きをものすごい高級食材でフレンチにアレンジしたけどやっぱりお好み焼きだったみたいな

「カメラを止めるな!」のフランスリメイク版「キャメラを止めるな!」。
アカデミー賞監督のアザナヴィシウス監督が、ロマン・デュリスや妻のベレニス・ベジョを贅沢に使い、音楽もアレクサンドル・デスプラ!
5億円も使って、製作費300万円の日本のインディーズ映画をリメイクというので興味津々で観に行った。

オリジナルの「カメラを止めるな!」はグダグタの最初の30分からの展開がびっくりで本当に面白かったが、リメイク版はネタバレしている分新鮮な驚きがないというディスアドバンテージがある。
それでも、「わかってるんだけどやっぱり可笑しい」ところはいっぱい。
ものすごくお金かけて豪華な陣営敷いていながら、オリジナルのチープさを再現しているっていうギャップもおかしい。

劇場内笑いに包まれていた

日暮監督のこぢんまりした生活感溢れるマンションの雰囲気がオリジナル版ですごく好きだったのだが、フランス版ヒグラシ監督役のアパルトマンも「あー、フランスだとこういう感じなのかー」と妙に納得できるリアリズムがあった。

でもこれ、最初のゾンビ映画撮影の部分は確かに忠実なリメイクってことになっているけど、全体としてはリメイクじゃなくて原作をメタ映画にした続編みたいなものなのだろうな。
フランス版オリジナルの部分もたくさんあるし。

アダム・ドライバーやジャン=クロード・ヴァン・ダムとかタランティーノとか実在の映画関係者の名前がバンバン出てくる。
青塗りのケンがスマーフって言うのもヨーロッパっぽい。日本だったらドラえもんかな。

通訳の日本人女性がとてもよかった。どんぐり改め竹原芳子さんの存在感に負けていなかったと思う。
パールハーバーの話は余計かな。

音響係もエスプリの効いたいい味出していた。
ゾンビ映画のロケ地である、林の中に建つ無駄にフロアが広い廃墟もなんかステキな所だった。光線や色彩が「気狂いピエロ」っぽくて。

でも、やっぱり「そんなにお金かかってるの⁈」と素人は思ってしまうのだよなあ。
ギャラで高くついちゃったのかしら。





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