一日

見えない事務室
紙の音
コピー機の香り
ファンの風

誰かの一日を借りて
誰かの一日を作っている
何も思わず買ったお菓子も
何気のない問い合わせも
誰かの一日を借りている。

だから私も、私の一日を貸して、
誰かの一日を借りている。
そうして世界は丸くなって
世は回っていく。

ひとかけの優しさが
世の中というえんを潤滑させて
ひとかけの横暴が
世の中というえんに傷つける

目の前だけでは無い
その裏にもあそこにも
誰かの一日と
誰かの優しさが
名も知らぬ誰かの一日を彩っている。

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