夢の話

 今の職場で働いて今年で7年目になる。今後のキャリアプランなど、今まで全く考えてこなかったが、お付き合いする彼女もできて、少し考えるようになった。
 いま私は全国に医療機関を展開する国の外郭団体が運営する施設に事務職員として勤務している。医事課に6年、今年から総務課勤務だ。過疎地域に存在することもあり、外来患者数は月平均70人~80人、1日の新入院患者は1名。今にもつぶれそうだ。そのためか、本部は冷たく事務職員の増員はなく、しかし、政府の方針で医療政策はめまぐるしく動き続けている。
 入職した理由は安定性もあるが、今後の少子高齢化の中でいかに労働人口を確保するか、そのためには医療だ!、と表向きは答えている。そうして自分を納得させているが、昔、高校生の頃に描いていた夢はインターアクトクラブによるボランティア活動を通じて感じた、「大人も子供も高齢者も集える場所づくりができる」、「町全体で福祉を保ち向上させる」、そんな仕事がしてみたいということだった。

 残念ながら、私は結局、大学では好きな科目だった歴史の勉強や治安維持機構に関する勉強ばかりをして、グリークラブでは歌いまくり2年留年、親を安心させたくてやっとこさで今の外郭団体に滑り込んだ。
 だが、だが、そろそろ私の中で壊れそうだ。別に全国転勤でも残業80時間でも、叱られ続けても、宿直何回入ってもよかったかもしれないが、今後のキャリアプランを考えたときにつらくなってきた。これは数年前に適応障害で1年休職したことも大きく影響しているが。
 そして、過去を振り返ってみたときに高校生のころの夢、大学生の時に捨てた夢がよみがえってきた。
 だが年齢的に役所は難しいだろう。そこで、社会福祉協議会を考えた。中途の人間、しかも一度は休職したことがある人間。雇ってくれるだろうか。数年前の話だ秘密にしとけとも思うが、後々のことを考えると正直にいたい。

 チャレンジしてみようか、と思っている。どうせなら、ワークライフバランスを考えて、趣味の拠点がある関西で。不安も大きいが、今のところ、今の職場を抜け出したいという気持ちも強い。それならば、別の単独総合病院とかでもいいのだが、どうせなら夢を追いかけてみたい。
 30代の無謀なチャレンジかもしれないが、やらぬよりやってみようか、とここに書いてみる次第だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?