葛木そな

絵と小説をかいてます。 気軽に声かけていただけると嬉しいです。

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  • 小説「鏡のない世界で」

    声のでない僕と、一緒に暮らす杏奈の物語。 処女作です。 毎日夜に続きを更新します。 読んでみてもらえると嬉しいです。

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小説「鏡のない世界で」

記事をどうやったら見やすく掲載できるのかわからず、こちらの固定でお知らせしてます。 短編小説を投稿します。処女作です。 声が出ない僕と、一緒に暮らす杏奈の物語。 毎日夜、続きを更新します。緊張してます。 マガジンにもまとめますので、読んでもらえると嬉しいです。

    • 鏡のない世界で  4.5

      0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/n3994feda11e9 茶色い体毛。 黒目がちな瞳。 突き出た鼻。 大きく立った2つの耳。 そして、首には薄いピンク色の首輪。 そこには骨型のチャー厶に僕の名前。 鏡に映った僕の姿は、僕が見ている杏奈のそれとは随分違っていた。 あぁ、そうか。 だから、声が出ないんだ。 だから、杏奈には彼氏ができたんだ。 思えば、

      • 鏡のない世界で  4.4

        0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/n10c598bd6428 蛇口から出る水の勢いある音が、直接心臓を打っているかのように強く響いてくる。 眼前にある細い背中を捉えたと同時に、僕は杏奈に駆け寄っていた。 背中が僅かに上下している。息をしている。 どうしよう。助けを呼ばないと。 でも。 僕は声が出ない。助けを呼べない。 外に行けない。 なぜ? そうだ

        • 鏡のない世界で  4.3

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/n0ad2131bc582 さらに一週間が経ち、まだ物思いにふけっていることも多いが、杏奈は起きている時間の方が長くなっていた。 午前のおやつ時間頃おもむろに起き上がり、お湯を沸かして温かいお茶を飲む。あれからコーヒーは飲んでいない。眠りを妨げるのを嫌がっているのだろうか。 お昼前になると、ゆっくりと昼食の準備を始める。と

        • 固定された記事

        小説「鏡のない世界で」

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        記事

          鏡のない世界で  4.2

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/n35ef54599dae 彼女が泣き崩れた日と同じ曜日を迎えた。 いつもならデートの日。色めきだった空気が朝から充満し、身支度を終えて「行ってきます」に向けて最終段階に入っている時間。 彼女は家に居る。ベッドの中に。 今週はずっと、学校も休んでいた。 トイレなどの必要以外は、ベッドから出てこない。 ほとんど食事をとっ

          鏡のない世界で  4.2

          鏡のない世界で  4.1

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/nf0e4987615f1 マンションと道を挟んで南向かいに公園がある。 鉄棒やブランコといったアスレチックが無作為に並び、ちょっとした池もある、少し大きめの街区公園だ。 昼下りには園児たちが、まだ有り余る体力を全力で開放し、宵のうちは学生が、ここまでは聞こえない声で談笑を行う。 独りでいる時は1日に何度か、ベランダで寛ぎ

          鏡のない世界で  4.1

          鏡のない世界で  3.3

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/n92d673ead5f7 太陽が折り返しを迎える頃、僕たちは重い体を引きずるように起床し、食事をした。 土曜日の定番だったあのメニューは、日曜日の定番になっていた。 向かいに座る杏奈は、口は動かし瞬きはあまりせずにテレビを観ている。 皿が空になり、コーヒーを飲む頃には、普段通りの他愛ない話をしばらく続けた。 食後は食器を

          鏡のない世界で  3.3

          鏡のない世界で  3.2

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/nbb6d661505e8 声の出ない僕はもちろん彼女との連絡手段も持ち合わせてはいない。帰ってこない理由を知る由もない僕は、夜が更けるほど、不安が増していった。 出かける時の彼女は普段と変わりなかった。最近入念になった身支度を整えて、ワントーン高い声で行ってきますと言って出て行った。 だから、帰ってこないのがデートのせい

          鏡のない世界で  3.2

          鏡のない世界で  3.1

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/ne1cf39283cad 隕石のような衝撃を受けた日から、僕の日常は大きく変わった。 まず、土曜日は1日、独りきりになった。 デート日のルーティーンが、そこに嵌められたのだ。 どうやら男は社会人で、平日出勤のため、必然的に仕事明けの土曜にゆっくり会うようになったらしい。 広告代理店務めの営業職、背は178センチで細身だ

          鏡のない世界で  3.1

          鏡のない世界で  2.

          0話:0. https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話:1.2 https://note.com/sona_06/n/n442d3e3f46e0 杏奈の帰りが遅い。 いつもなら夕飯の準備に取りかかる頃には、食料品を入れたエコバッグを肩から下げて帰ってきていた。 薄暑を含んで少し奥行きの増した空は、深い蒼が包み、朱さをあと少しで呑み込み切ろうとしている。 お腹すいたな…。 今日に限って、胸のざわつきが1日消えることはなかった。 悪

          鏡のない世界で  2.

          鏡のない世界で  1.2

          0話: https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 前話: https://note.com/sona_06/n/nbc5c5d68a39e テイクアウトしてきたカフェラテを飲みながら、しばらくスマホを見ていた杏奈の眼が、ふと明るくなるのがわかった。 まただ。 1ヶ月ほど前から、杏奈がこういう眼をする時が増えた。 今まで見たことのないその表情を初めて見たとき、僕は激しく動揺したのを覚えている。 そしてこの表情の後は必ず、聞きたくない言

          鏡のない世界で  1.2

          鏡のない世界で  1.1

          前話:0.https://note.com/sona_06/n/n84b50718d664 築年数のまあまあ経っている、コンクリートでできた4階建てのマンション。 1フロアには南に面して4住戸並び、北側の外廊下がそれを繋いでいる。 僕たちの部屋はそこの3階、一番西側の住戸だ。 北側の玄関を入ると半畳ほどのポーチがあり、右手にはポーチと同じ幅の靴収納がある。 腰の高さほどのその収納の上には、カギを入れるガラス製の丸皿と、ベランダで育てているハーブが芳香剤がわりに活けてある。

          鏡のない世界で  1.1

          鏡のない世界で  0.

          僕は声が出ない。 おそらく先天的なものだろう。記憶のある限り自分の声を聞いたことはない。 耳に異常はないので言葉の理解はできているが、会話はできないのだ。 だが不思議と、それを苦痛に思ったことも、相手に伝わらず悲しかったり、歯痒いと思ったこともない。 そして僕は、外に出たこともない。 12帖ほどの広さである直方体の中が、僕が存在する世界だ。 僕にとって、向こう側の世界は窓に映るものがすべてで、世界が広いというのはもはや漠然とした概念でしかない。 やはりこれも、外に出たい

          鏡のない世界で  0.

          1ヶ月

          note始めて昨日(日付変わっちゃったから一昨日ですが)1ヶ月経ちました。noteさんはマメにお知らせくれるので、1ヶ月通知きて、あぁ、そうかと思いました。私にはちょうどいい。 1ヶ月、あっという間です。 でも、自分が思ってた以上にたくさんの人に見ていただけて、本当に嬉しい。ありがとうございます。 いろんな絵を描いて、フォトギャラリーにアップしていけたらと思ってます。使っていただけると嬉しいです。 あと、ただいま小説執筆中です。こちらも読んでいただけると嬉しいです。

          なんと、noteさんからお知らせが届きました。 「コーヒー片手に」のイラストが先週特にスキされたとのこと。 note始めてままならない私の記事をこんなにも見ていただけて本当に感謝です。 皆さま、本当にありがとうございます☘ https://note.com/sona_06/n/n377ed9756023

          なんと、noteさんからお知らせが届きました。 「コーヒー片手に」のイラストが先週特にスキされたとのこと。 note始めてままならない私の記事をこんなにも見ていただけて本当に感謝です。 皆さま、本当にありがとうございます☘ https://note.com/sona_06/n/n377ed9756023

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          春になる

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