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江國香織さんの小説にでてくる女性になりきって今日も生きる


こんばんは、Nariです。最近、花屋のアルバイトが忙しくて、自習の時間が十分にとれず、それにともなって少し心に余裕がなくなっています。

私は、心が荒んだとき、江國香織さんの描く小説の世界に入り込むようにしています。


私は江國香織さんの文章が大好きです。高校生の頃に江國さんの本と出会ってから、彼女の著作のほとんどをものすごい勢いで読み漁りました。

中でも特に好きで、今でも定期的に読み返すのは、『冷静と情熱のあいだ』『神様のボート』『いくつもの週末』などで、江國さんが絵画作品について語った『日の当たる白い壁』なども私の大切な愛読書のひとつです。


江國さんの小説に出てくる女性たちは、みんな強くて弱い。繊細で泣き虫、なのに自由奔放。不健康、そして不安定。快活という言葉とは、1番遠い場所にいて、しとしと降る雨が似合う女性。

そんな女性たちの中でも、私がよくなりきるのは、『きらきらひかる』にでてくる笑子さんや『冷静と情熱のあいだ』のあおい、『神様のボート』の草子のママです。

必ずしも、彼女たちがそれぞれ隠し持っている地獄の部分に大きく頷くことができるわけではないけれど、そのそれぞれの翳りが彼女たちを一層美しくしている気がして、それは決してみんなが憧れるような清々しい美しさではないけれど、絵画的な、神秘的な美しさで、すごく惹かれるし、私もこういう美しさの在り方なら叶えられるかもしれない・・・と淡い期待を抱けるのです。

彼女たちになりきって生活することで、自分のもつ地獄を自分の中で許せるものにする、というか、それらをなるべく美しいものへと昇華する、というある種の逃げの戦法です。

たまには、こういうことをして、自己陶酔するのも心の栄養!と思って、してしまいます。案外よく眠れるようになったりします。


ちなみに、江國さんの本を読んでいると、シダネルの作品やボナールの作品を思い出します。

アンリ・ル・シダネル『ゲルベロイの門燈』1920
アンリ・ル・シダネル『夕暮れの白い庭』
アンリ・ル・シダネル『The Artist's House at Gerberoy』1932
アンリ・ル・シダネル『La maison à Gerberoy』1930
ピエール・ボナール『The window』 1925
ピエール・ボナール『Open window 』1921


何度見ても、素敵すぎる・・・シダネルは風景画、ボナールは室内画がたまらなくいいのです。まだまだ唸るような作品がたくさんあるので、今夜は新たなお気に入り作品を探しながら寝ようと思います。


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