見出し画像

0314_私が思っているよりも世界は優しい、らしい

あのね、みんな、私に優しくしないで欲しい。
救われると思ってしまうような言葉をかけないで欲しい。
居心地が良いと思わせないで欲しい。

最近、ずっと情緒がおかしい。
今だって、いつも通りの具材を入れたひとり鍋を食べながら、家族が欲しくて、家庭が欲しくて、安心できる場所が欲しくて、泣きそうになっているんだから。


人から優しい言葉をもらう度に、本当に嬉しくて、その人をもっと近くに感じたいと無条件に思ってしまう。だけど実際はその人たちと毎日連絡ができるわけでも、会えるわけでも、一緒にご飯を食べられる日々が訪れることもない。

みんなにはそれぞれにちゃんと大切な人がいて、それこそ家族がいたり、家庭があったり、仕事があって、日常がある。

私がその中に入れることはない。
私の寂しさを埋めるための、みんなじゃない。



みんなが優しくしてくれるのは、私の境遇を知って可哀想だと同情してくれているだけで、私のことを好きだとか、傍にいたいだとか、支えたいだとか、そんなこの先まで見据えた対象として見ていてくれるわけじゃない。

去年、それを痛感する出来事があったから、私は人の言葉を正しく受け取ることをどこかでやめてしまったような気がする。

私のためを思ってかけてくれる言葉を、真正面から受け止めることがこわい。温かすぎるその言葉に、愛情が含まれているものだと勝手に勘違いしてしまいそうになることがこわい。

そんなことない、同情されているだけ。
いつの間にかそんな風に自分に言い聞かせるようになった。
勘違いをしてしまうことがないように。自分を守るために。

それでも頻繁に、周りにいる優しい人たちがくれた言葉を思い出しては恋しくなるけれど、それをその人自体が恋しいのだと、勘違いしてはいけないのだと思う。





眠れないここ最近の毎夜に、人からもらった言葉を思い出したり、見返したりして、自分を保つことに必死になる。

本当は、みんなともっと一緒に過ごしたい。
頭のおかしいようなわがままを言うと、
私と家族になって欲しい。一緒にいて欲しい。

こんな言葉を毎日みんなの口から直接聞けるのなら、こんな言葉をくれる人たちと日々を過ごしていけるのなら、ようやく私は自分に優しくなれるような気がして。



 でも結局、
 最終的に本当に自分を許せるのは自分だけなんだろうね。
 だけどこちらから見えているあなたは
 本当に頑張り過ぎているから、
 早く許せる時が来て欲しいと切実に思う。

 あなたらしいね。
 みんなのためを思って、さっとやめないのも。
 だけど十分すぎるくらい耐えてきたよ。
 だから自分のペースでやっていけば良い。

 あなたは何も悪くないのに、
 あなたをずっと苦しめているものがあることが悔しい。
 あなたはとっても魅力的な人だから
 もっと自分に自信を持ってほしいんだよ。

 あなたという人間が不幸でいていいはずがない。
 幸せで囲まれていいはずの人間なのに。




それにこの1週間、どうしてか同じような言葉を別々の人にもらった。その人たちに接点はないのに、同じ空間で話したわけじゃないのに、私の話を聞いたあと、本当にびっくりするぐらいに同じ言葉で返してくれた。


 あなたが思っているより、世界はずっと優しいよ。
 だから大丈夫。いつかそれを実感できる日がくる。
 あなたにそんな日が、必ず訪れるから。

 世界はもっと優しくてもいいと思う。
 というか、あなたに対して優しくあって欲しいと思う。



あぁ、なんか、同じようなこと去年も言われたなって。
私に報われて欲しいと言ってくれた人がいたな、って。

だけど、いつも思う。
私の幸せを願ってくれる人はたくさんいても、報われるように導いてくれる人はいない。

そりゃそうだ。私も含めてきっとみんな、自分の人生を生きていくのに必死だと思う。中心にあるのは当たり前に自分の世界、だ。

だけどその結果、その人たちの幸せの中に私はいつもいないな、って。中心には存在できないんだな、って。


みんなが言うように、私が思っている以上に世界は優しいのかもしれないけれど、私はまだ、そんな風には思えないや。

だって結局、いつまでも悩んでいても誰かが助けてくれるわけでも、突然がらっと身の回りの環境を変えてくれる何かが訪れるわけでもない。

私のために動いてくれる人がいるとしたら、それは私自身しかいない。すこしのことでいいから私が私のために行動しないと、この状況は何も変わらない。



不幸は選ばずとも簡単に向こうからやってくるのに、回避なんてできないのに、させてもらえないのに、幸せを手に入れるためには自分で行動するしかないなんて、行動したからと言って必ず報われるわけでもないなんて、やっぱり世界は優しくなんかないと思ってしまう。

それなら不幸も、選ばせて欲しいよ。
この状況をすべて、自分で選ばせて欲しかった。

私が選択を間違えたせいで不幸になっているのなら、納得できたんだよ。私のせいだから、その先も自分で責任を取ることを簡単に選べたんだよ。


だけどそうじゃない。私の努力も小さな前進も、やっぱりいつまで経っても報われない。

あと10年経てば、って、10年前も言われた。
この10年、その言葉を適当なこと言わないで欲しいと思いながらもどこかで信じて、頼りにして、頑張っていたのにな。
また今から10年なんて、私にもう言わないで。

無理だよ、もう信じられない。
だからやっぱり、他人任せ、環境任せ、時間の経過任せじゃなくて、私が私自身を救わないといけないらしい。

だけどそれって、ものすごく大変なことなんだよ。
生きるって、なんでこんなにも難しいの。




 あぁ 答えがある問いばかりを
 教わってきたよ そのせいだろうか
 僕たちが知りたかったのは
 いつも正解など大人も知らない

正解 / RADWIMPS


 一人きりの方が気楽でいいや
 そんな臆病な言い逃れは終わりにしなくちゃ

 砂漠の町に住んでても
 君がそこにいさえすれば
 きっと渇きなど忘れて暮らせる

 聴こえてくる 流れてくる
 君を巡る 想いのすべてよ
 どうか君に届け

365日 / Mr.Children



みんなの優しさたち、涙が出るほど嬉しいと同時に、
私はもっと身近に感じたくなってしまう。わがままだね。

だから、優しくしないでくれていいんだよ。

みんなが近くにいてくれたらと
これ以上、叶わない願いを持ちたくない。


/ 2,570文字


この記事が参加している募集

眠れない夜に

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?