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艦娘ドラフトレース2024春 考察と振り返り

先日、艦娘ドラフトレースの2024春大会が開催され、

右下が私

優勝してきました。やったぜ。

今回のドラフトレース、優勝した要因を1つ挙げろと言われたら「考察量の多さ」だと思っています。考察勝ちです。

この大会が発表された時から、自分は「最高に面白いルール」「参加するならぜひ勝ちたい」と感じていました。

大会前の準備や考察にも身が入り、当日までにほかの人より良いドラフト戦略を作れたと思います。

その甲斐あってか、本番のドラフトフェイズでもいい感じにドラフトをすることができ、他の人より強く、速い編成を組むことができました。
そのことが、そのまま優勝につながったと思っています。

ということで、この記事ではどういう考えのもとドラフトを行ったか、その考察を書いていきます。

ドラフトレースのルール

ドラフトレースは、ドラフトで艦娘を奪い合い、獲得した艦娘でレースを行う大会です。
最終的には早くゴールした人の勝ちです。

今回の大会では1-4→2-3→4-3→6-3→6-4を順番に攻略(S勝利)し、母港に帰ってくるまでのタイムの速さを競います。
早くゴールできるような強い編成を組むためには、ドラフトフェイズである程度強い艦娘を獲得することが必要不可欠です。

しかし、ドラフトフェイズで狙った艦娘を指名するのも、一筋縄では行きません。

BAN(事前に決めておく)や指名被りを受けると、その艦娘は使えなくなるからです。

詳しいルールは公式サイトを参照してみてください。


事前に考察したこと

事前に、考察をパワポ資料にまとめていたので、その内容を軸に話していきます。
動画まで作っていたのですが、うまく話せてなかったので、URL限定公開でここに置いておくにとどめます。


①ドラフトの基本

事前考察をまとめたスライド(一部)

ドラフトレースに初参加するにあたり、「ドラフトでは、どういった戦略が基本になるのか」を考えました。私の出した答えは、「指名被りを避けつつ、いかに強い艦隊を組むか?」です。

ここは微妙に人によって違うところだと思っていて、例えば、参加者の中には「被り覚悟で強い艦娘を指名する」という戦略の人もいたように思います。
私は「指名被りを避ける」ところから考察をスタートしました。

②指名被りを避ける戦略

なぜ指名被りを避けなければ行けないかというと、損失が大きいからです。例えば、一手目で私とAさんの指名だけが被ったとしましょう。

すると、私とAさんは艦娘を獲得できてないのに、指名が被らなかった6人は艦娘を獲得できている、という事態が起こります。

架空のドラフト例A

もし、私とAさんが一歩も引かず、3巡目まで経過したらどうなるでしょうか。

架空のドラフト例A(続き)

この時点で、他の人との戦力差が開いてしまうことがわかると思います。
このルールにおいて、指名被りは、手番を1つ失うことを意味します。したがって、相手と被ると、被った二人でをし、他の人には得をさせることになります。

特に序盤は、自分の戦力が固まっていません。加えて、編成の核となるような「エース級」の強い艦娘……矢矧、大和、が取られていくことが多いです。したがって、指名被りの損は序盤では特に大きいと言えるでしょう。


では、常に指名被りを回避していれば勝てるのかというと、そういうわけにも行きません。

常に指名被りを回避するということは、「2番手以下の艦娘を常に取る」ということです。それは、相手に「エース級」の艦娘を常に取らせるということにも繋がります。

もし、優秀な「エース級」をたくさん使える人が出てしまうと、その人に勝てる可能性が低くなりそうです。

2番手以降の艦で作る6-3と、エースで固めた6-3

そもそも、このルールは指名に成功した「エース級」の艦娘を独占できるルールです。

自分の戦力強化につながるだけでなく、相手が強い艦隊を組むのを阻害することもできます。

エース級」の単独指名に成功したときの得は、かなり大きいと言えるでしょう。 

指名被りを避け続けるために「2番手以降の艦娘」を指名し続けることもまた、強い戦略ではなく、
いかにリスクの低い状態で、「エース級」の指名を行うかがカギになりそうです。

ここまでの話をまとめると、こうなります。

指名被りするとリスクが大きい。
②特に序盤は指名被りのリスクが大きい。
③被らないような2番手を指名し続ければ指名被りを回避できる。
④ただし、エース級の艦娘を独占できれば強いので、戦略に組み込んでおきたい。

これらの考察から戦略を組み立てると、こうなります。
序盤は、指名被りしないような2番手以降の指名をする
「他の人が指名被りで手番を損するはずなので、その隙をついて中盤以降にエース級の艦娘を取っていく
これが、私の構築した「指名被りを避ける戦略」です。


順を追って話しましょう。
序盤に「エース級」の指名を避けるというのは、損の大きい序盤の指名被りを避けるためです。

また、他の参加者は、多少は「エース級」の艦娘を指名してくることが予想されたので、ここでいくつかの指名被りが発生するはずです。うまく行けば、3巡目ぐらいには、参加者のうち何人かが指名被りで手数を損失した状態になります。私は、「手番の得」を得ている状態になります。

仮のドラフト結果B

手数をロスした参加者は、それを取り戻すために動く必要が出てきます。競争率の高いところ、例えば、水母軽空母潜水母艦などを取りに行く必要が出てきます。

その隙に、手数を失ってない私が「エース級」の艦娘を取りに行けば、被る確率は低いでしょう。また、仮に被りが起こっても、相手はすぐ撤退するはずです。なぜなら、手数をロスしている人の方が余裕が少なく、他の人に必要な艦娘を取らせる危険も大きいからです。

しかも、この「手番の得」は、一度獲得してしまえば、私が被りで手番を消費しない限り失わないものです。したがって、この「手番の得」を盾に、強い艦娘を取りに行き続けることができます。

これが、上記の戦略が強い理由です。

ちなみに、この時点で、「嫁艦」の指名はほとんど諦めていました。


②具体的な指名艦娘

では、より具体的には、どんな艦を指名すればいいでしょうか。

今回のレース海域で手強いのは、4-3のボス前と6-36-4です。
撤退やA敗北すれば優勝は厳しくなりますから、まずはこれらの海域を安定させることを考えました。

まず、6-4について考えましょう。

タッチできる戦艦は、先ほど話した「エース級」に当たります。しかも、競争率が高く、序盤に取られていきます。今回は「序盤に指名被りをしない」戦略なので、パス。

次に、対地駆逐について考えてみます。ざっくり「大発系が装備可能」でソートすると、29隻(睦月型を除くと24隻)もの艦娘がヒットします。
誰かが独占を始めなければ1人3隻は獲得できるということで、かなり取りやすいカテゴリと言えそうです。

しかし、6-4道中では強めの水雷マスと戦艦マスを通ります。できれば高火力高耐久の子を使いたい所。

あとは、道中の戦艦マスで制空均衡を取る手段(できれば航巡)が取れれば、適当な軽巡+適当な高速戦艦+航巡+駆逐3の最短ルートが安定しそうです。

6-4 仮編成

つまり、6-4で優先して取りたいのは 
①航巡(なければ制空要員)
②対地駆逐(なるべく高火力高耐久)
になりそうです。
これを見る感じ、タッチさえ諦めれば、6-4は1〜2巡目に取りたいほど強い艦はいなさそうですね。

じゃあ6-3はどうでしょうか。
安定感を考えると、自由枠の秋津洲をそのまま使うのは心もとないです。仮に日進などの強い水母が指名できれば大きな差がつきそうですが、BANを公言してる人がいる以上、使えないと考えたほうがいいでしょう。

ここで思いついたのが、コマンダンテスト+4スロ弾着軽巡の戦術です。普通の6-3周回でも使われる、安定した戦術です。

6-3 仮編成(航空偵察演出あり)

しかも、コマンダンテストは、RTA的には遅い(航空戦と航空偵察が発生する)ので、上位指名の確率は低いと言えそうです。
また、4スロ弾着軽巡も、数多く存在しています。甲標的軽巡にも指名が流れることを考えると、競争率が高いグループではないでしょう。

ここまでの6-4、6-3の考察から、下位指名した中型艦を使えば、それなりに安定した艦隊を作れそうなことがわかってきました。

また、4-3のルート調査によって、最短ルートである軽空2軽巡1駆逐3という編成以外にも、正空2軽巡1駆逐3という、準最短(+潜水1戦)というルートが存在することもわかってきました。

4-3 仮編成(準最短)

このルートは1マス増えて遅くなるものの、わざわざ軽空母を取りに行く必要がなくなるというメリットがあります。そして、正規空母のプールは軽空母より広く、しかも4-3では、普通は軽空母のほうが優先されるはずなので、下位で正規空母を指名しても買い占められるはずです(激ウマギャグ)。

まとめます。
・4-3は下位指名した正規空母準最短で安定
・6-3はコマ+下位指名した軽巡で安定
・6-4は航巡+下位指名した戦艦+軽巡で安定

こうなれば、1位指名候補の筆頭に上がってくる艦はそう、駆逐です。

6-3も6-4も、地味ながら確実に駆逐の質が問われている海域です。特に6-3で改二駆逐を使えないとどうなるかは、独走状態となったただおみ提督の6-3を見た人なら全員知ってるのではないでしょうか。

また、私は1月の大会で、チームメンバーがガチガチの180駆逐を用いた6-3で無惨にボスA敗北するところを目撃しています。6-3は、ガチ編成でもボコボコにされうる海域です。駆逐艦は強ければ強いほどいい

こうして出来上がったのが、天津風1位指名計画です。

天津風1位指名計画

1位指名の天津風を筆頭に、強い駆逐を序盤に固めて取り、他の人から強い駆逐の選択肢を奪ってしまう。しかも、駆逐は膨大な枠があり、BANや被りを喰らいにくいです。そして、完走に必要な大型艦は、駆逐を取ったあとで拾っていく。

しかし、この編成を作り、一夜明けた後見返してみて、私は思いました。この戦略で出来る編成、遅いです。

参加者の中に、Niwakaという提督がいます。主な実績は、めも杯(EOのRTA大会)4位リレーRTA大会での第7海域区間記録保持者。
要するにこの提督、RTAがかなり強い方なんです。

私が優勝するためにはこのNiwakaって提督を超えなければいけません。
そのためには、ノーミスで安定して通すだけでは不十分です
RTA的な速さを追求した編成
で、ノーミスで通す必要があります。

まず、4-3の準最短ルート(正規空母ルート)は考えないことにします。ここは、何としても軽空母2隻を取って最短ルートを通るのが必須です。

4-3 仮編成(最短)

6-3も、甲標的軽巡と、甲標的水母を用いた、航空偵察カット編成を作ることを目指す必要があります。
(航空偵察カットとは、6-3編成に航空機を入れないことで、マップ内で航空機を飛ばす演出をカットし、時短することです。)

6-3 仮編成(航空偵察演出なし)


その他のRTA編成についても、ひと通り検討しました。
1-4は潜水母艦を使い、空母や航空戦艦を持ち込む編成がポピュラーです。潜水母艦は4人しかおらず、しかも1枠は軽空母枠と同一人物なため、非常に競争率が高そうです。指名率が低そうな平安丸の指名を考えておきます。

1-4 仮編成

2-3は潜水母艦+潜水艦5の編成がポピュラーですが、25枠の中で狙うのはやや難しいです。空母3水母1駆逐2の編成が組めれば、とりあえず良いでしょう。

2-3 仮編成

6-4は、タッチ艦を取れないことは変わりません。また、先述した高速統一編成が最短ルートでもあり、大きく変えないことにします。

6-4 仮編成(変更なし)

まとめると、狙いたいのは以下の艦娘です。
6-3…甲標的水母+甲標的軽巡+強い駆逐
6-4…強い対地駆逐+航巡+(適当な戦艦)
4-3…軽空母2隻+(適当な軽巡)+(6-4で使う対地駆逐)
1-4…潜水母艦+航空戦艦+(適当な正規空母)+(適当な駆逐)
2-3…(1-4や4-3で使った空母)+(6-3で使った水母)+(適当な駆逐)


先程の天津風1位構築と比べると、競争率が高くなっているところがいくつかあります。
1. 6-3の甲標的軽巡
2. 6-3の甲標的水母
3. 4-3の軽空母×2
この3つっを早めに確保することを考え、競争率の高さや相手の妨害を考えて、もう一度指名順を作っていきます。

こうしてようやく完成したのが、本番に持ち込んだ千歳1位指名計画です。

千歳1位指名計画

1位は、最も競争率が高い水母でありながら、軽空母枠まで埋めてくれる千歳。何回も検証し直しましたが、この子しかいませんでした。
2位は、高い砲撃戦火力を持ちながら、甲標的軽巡でもあり、更に6-4に刺さる対地軽巡でもある球磨

我ながら、この1位、2位指名は申し分ない出来だと思います。二人とも、難しい海域を安定させるに足るスペックをしていながら、他の参加者から1位指名やBANを受けにくい、程よい強さ。しかも、先ほど挙げた、競争率の高い3箇所をたった2巡で抑えられます。

私はこの指名計画を固めたとき、初めて本当の意味で球磨を活躍させられる、と思いました。通常海域でもイベント海域でも、今ひとつ活躍が難しかった球磨。優秀なスペックなのに、他の軽巡と比べると少し力が足りず、出番が少なかった球磨。その少しの足り無さまでも手伝って、ようやく、良い舞台を用意してあげられました。

やや話が逸れましたが、これで競争率が高いところにツバを付け終わったことになります。そこで3、4巡目は強い対地+対水上駆逐。強い対水上駆逐というのは、天津風清霜深雪を候補として考えていました。
天津風は強さが知れ渡っていて、しかも複数所持している人が多いですから、先んじて指名できれば大きく計画が崩せるはず。
深雪清霜は、まだ余り強さが知れ渡ってない印象がありました。深雪は昼火力が取り沙汰されやすいですが、れっきとした対地艦です。
清霜は、長波改二と早潮改二をコンバートできるみたいなお化けコンバート艦娘なのですが、イベントで活躍の場を得られていないからか、強さの割に話題に上がらない艦だと思っています。

軽空母航巡を兼ねる鈴谷を5位指名。軽空母も航巡も、そこまで重要性が認識されていないように思っていました。

ここまでの指名で、RTA編成の構築に必要なパーツ(甲標的軽巡、甲標的水母軽空母×2、強い駆逐)はほぼ取れていることになります。

あとは、6-3で使えそうな強めの駆逐→6-4で強い対地駆逐と取っていけばよさそう。潜水母艦は、早めに取られていてもおかしくないのですが、余っているなら平安丸を抑えておきましょう。
正規空母高速戦艦航空戦艦は余り物で良いので、指名が進んだ後に取っていけばいいでしょう。

また、ここまで触れて来ませんでしたが、BANを決める必要があります。
仮想敵であるNiwakaさんは、大量の180夕張を所持していることでも有名です。ここは、夕張をBANすることにします。
また、夕張BANは単なる個人メタではなく、どの対戦相手に刺さったとしても、6-3と6-4を大きく弱体化させる効果があります。

以上が、私の事前考察になります。

本番

ドラフトフェイズ

2巡目までのドラフト結果
右端が私

1〜2巡目……計画通り。BANを喰らわなければ上手く行ってそう。考察が刺さっていそうで嬉しかった。Niwakaさんの2巡目隼鷹は意外でした。(この速度で飛鷹型が……!?)

5巡目までのドラフト結果

3巡目……天津風は取られていたため、深雪から指名。霰指名被りは大爆笑ものでした。霰って強い艦娘なんだなあ……()
ただおみさんのJanusに非常に驚きました。3巡目で!?。
4巡目……エンチャントさんによる航巡狩りを見て、急遽利根を確保しました。残りは筑摩と、BAN濃厚な三隈しかなかった。
5巡目……予定通りの清霜。ここらへん被りが怖かったです。

7巡目までのドラフト結果

6巡目……軽空母確保のために被らなさそうな飛鷹。那智が取られましたが、もともと指名予定がないので問題なしです。
7巡目……迷ったが、RTA編成を確定させるため、最も被りにくい潜水母艦である平安丸を指名。Niwakaさんの矢矧は技ありでした。

BAN指名(最上段)を受けた指名結果(1〜7段目)

BAN公開……被弾してなくてほっとしました。みんな思ったより変な艦娘指定してます(日向!)。あと日進三隈はどうした。
(大和ネルソン矢矧三隈日進大鯨など、BAN候補だった艦娘のほとんどが野放しになっていました。いや全員BANされるのは物理的に無理なんですけど、にしても5枠ぐらいBAN少なかった気がします。みんな思ったより単純じゃなく、強い艦娘はBANもPICKも避けたんだなあと)


8〜10巡目

8巡目9巡目……想像以上にエース級の艦娘が多く残っているため、みんな長門、日進などに集中すると予想しました。駆逐は手薄になると踏んで強気の時雨雪風を指名し、見事に成功します。
10巡目……対地駆逐は、残り1〜2隻欲しいと考えていました。増設対空電探の対地駆逐の残りで、好きな艦娘の一人でもある初霜を指名します。

11〜12巡目

11巡目、12巡目……残っている艦娘を見てるうちに日進、ゴトという「うちの編成の大強化パーツ」かつ「他に取らせたくない」艦が残ってることに気づきました。すんなり2人とも取れたのは幸運でした。
序盤にやや弱い艦娘を取ったところを良い形で強化でき、事前考察よりも強い編成で通す道筋が出来ました。
個人的にはここまでの手順のドラフトの成功が勝負を分けたと思います。


13〜16巡目

13巡目……残りの必須パーツとしてやや被りにくそうなアーク。4スロット目12機が特に好きです。

14巡目……四人目の対地駆逐、やや被り前提での早潮です。Niwakaさんと被ってとりあえずは良し。

15巡目……残りの戦艦枠の中では頭一つ抜けて強い武蔵……のつもりでしたが、BANされていました。ガバで、負けるとすればここからでした。
後にこの一巡を悔やむことになります。

16巡目……気を取り直して引き続き高速戦艦、内火艇が乗り、やや評価が高くなる榛名

17〜19巡目

17巡目、18巡目……1-4要員の航空戦艦として山城(被り)→扶桑。太間さんは6-4想定の航空戦艦だったらしく、不幸にもかち合ってしまいました。不幸だわ……

19巡目……妨害も兼ねて最後の正規空母のアクィラ。この子も、4スロット目まで中程度の搭載数があり、通常海域では頼もしい子です。この巡目まで取れていた空母がやや少なく、アクィラを取られていたら母港操作が余分に発生していました。

20〜24巡目

20〜24巡目……かく乱半分、通したさ半分で2-3潜水を完成させに行きます。
伊47は不意打ちなので確実に取れると踏んでの指名。
長鯨は指名被り避けかつ、1-4固定潰しのため。
伊58はやや読まれやすそうでしたが、この時点での警戒度は低そうなので指名。
Scampは、全力でかわすための指名です。
呂500はあえてど真ん中を投げ、Scampと合わせて読まれにくくするための指名です。
あとろーでちを揃えたくなりました。

ドラフト最終結果

25巡目……残り1巡通せば潜水艦編成が完成する状態だったので、妨害を全力でかわしに行きます。初期潜水のメンツから外れ、でも最近の潜水艦過ぎず、7-4でも使いにくく、スペックも高い伊26……でしたが、ここはよたさんに読まれて指名被りでした。よたさんからすれば、私の潜水艦編成を最もいい形で潰せた指名になりました。

あとから振り返ると、もっと雷装の低い子を……とか結果論で色々と言えることはありますが、決定的に「この子なら回避できた」という子は思いつきません。ここはブロックに成功したよたさんを褒めるべきだと思います。いや凄かったし、めっちゃ盛り上がってた。

レースフェイズ

めちゃくちゃ上手く行きました。2-3や4-3のボス前ランダムにも勝って。ほぼ完璧と言っていい。2-3でのささいな、羅針盤の下振れぐらい。最高の出来。優勝にふさわしい走りでした。
ここに主催者が集計してくれた、各海域のタイムがあります。区間順位で色付けをしてみました。

各海域のラップタイム(拡大してね)

流石に一人だけRTA編成(なんちゃってだけど)を組んでいるだけあって、2-3以外の4海域で、区間1位または、僅差の区間2位が取れています。これが、終盤の独走状態を生んでいました。

他の参加者を見ると、2位のNiwakaさんとは1-44-3,そして母港にいる時間の長さが勝負を分けたポイントだったと思います。Niwakaさんの側にはRTA編成を組むつもりがなく、それがそのまま順位とタイムに現れていたと思います。また、装備の積み替えやプリセットの展開で時間がかかっていたようです。
6-3で航空偵察+航空戦をしているにも関わらず、航空偵察しない私よりタイムが早いのは意外でした。これが矢矧+コマの6-3のパワーか……

3位のしめじ菜園さんとは、装備の積み替えが勝負を分けたポイントでした。本人も反省点に上げられているとおり、ドラフト後から出走までの間(意外と短い)に十分に編成を組み切ることができず、本走中に装備の組み換えが発生していました。もし、組み換えタイムが私とほぼ変わらなかったら、4-3でもたついたNiwakaさんを抜き、2位につけていました。

振り返り

ドラフトフェイズ

改めてドラフト表を見ると、よたさんの獲得艦娘の強さに驚きます。

よたさんのドラフト結果

本人は当日ルールを見たと話しており、たまたまかもしれないのですが……まず初手駆逐の時点で私と結論が近いんですよね。そして強い艦娘を恐れず、素直に取っていくドラフト。今回はBANなどを警戒し、あえて2番手以降を指名する人が(私含めて)一定数いたため、よく刺さっていて、結果、かなり強い艦娘をとれているように見えます。

また、高崎さんの千代田BANには震えました。

上段がBAN、下段が1巡目のドラフト

千歳を2位に指名する予定だったとのことで、私の戦略があと少し違ったら指名被りが起こっていました。また、そもそも千代田を1位にしていたらBANされていました。あれだけ手番が余っていたので、問題なかった可能性もありますが……危ないところでした。

6-3や6-4を重視し、軽めの艦娘から取っていく戦略も私と似ています。ただ、高崎さんは母港100隻提督で、常にフル拡張してサブ艦を抱え込んでる私とは色々と違う艦隊になっているはず。また、より妨害を好むプレイスタイルでもあります。このため、取る艦が微妙に変わり、指名被りは起きませんでした。

Niwakaさんは、自分の戦力に安心し、他の参加者の妨害を始めるのがやや早かったように感じました。RTA編成を組もうとしていなかったことの表れとも言えるでしょう。これには、「Niwakasさんも慢心したのかな……」とか、「ここまで考察してガチでドラフトに挑んでる私って異端者なのかな……」みたいな感想が出ます。

ただし、矢矧を7巡目に獲得した判断や、他人の指名からBANを読んでいく人読みの巧みさは卓越したものがありました。流石は聯合狙いする時のネトスト情報収集の第一人者といったところでしょうか。もし、事前の考察量がもう少し多かったら、人読みの差で負けていたかもしれません。

大会を通して

良かった所

事前考察で掲げた、「指名被りを起こさない戦略」を実行できました。序盤では指名被りを起こしませんでしたし、手番の有利を盾に、強い艦娘を先んじて指名することもできたように思います。

また、序盤にエースを指名しない戦略は、やや弱気過ぎるようにも見えるものです(千歳や球磨を序盤に指名するの、あんまり強くなさそうですよね)。しかし、上手く通せばこんなに強いんだということが示せたと思います。

また、強気のピックに切り替えたのは、8巡目からでした。事前に決めていたわけではありませんでしたが、BANから漏れた艦娘が公開されたタイミングというのは、色々と仕掛けやすい要因が揃っていたように思います。

また、RTA編成を目指した判断も正解でした。他の参加者にRTA編成の再現を目指した人はおらず、この時点で大きなアドバンテージを取れていました。

細かいところでいうと、水母+軽空母や、対地+対水上駆逐というような、複数の役割をこなせる艦を指名することは、手数の圧縮に貢献していました。

また、多数のサブ艦によって、母港操作を削減出来たことも、良かったです。

反省

反省点も見つかったので、いくつかお伝えしていきます。まず、アクィラを取りに行くタイミングは、少し遅すぎました。

13〜19巡目

15巡目ぐらいから残りの空母への指名が集中し、単独指名が大変になっていました。被りを避けたい気持ちも手伝って戦艦の方を指名していましたが、競争率がより高い正規空母を、もっと早く抑えるべきでした
アクィラを抑えられないと、Niwakaさんが空母3隻で2-3を通せるようになり、私の母港操作が増えてタイムの差が縮みます。

また、武蔵のポカは痛すぎました。このミスがなければ、余裕を持って潜水艦編成を完成させられました。

BAN発表後、8〜11巡

また、日進を8~10巡目で見逃したのもミスです。仮にNiwakaさんに獲得されていた場合、矢矧と合わせてほぼ最強の6-3が完成しており、ゴールタイムの差はもっと縮んでいました。

また、高崎さんに千代田ではなく、千歳をBANされて使えなくなっていた場合、どうすればいいかわからなくなっていたと思います。千歳や球磨といった、戦略の核になる艦娘がBANされていたときのプランBの考察が不足していました。ドラフトフェイズではあまり多くの思考時間が与えられません。慌てないよう、いろいろなパターンを想定しておくべきでしょう。

まあ、このあたりは次回までにうまく直せることを祈っておきます。とにかく今回大会では(幸運もあって)勝つことができました。

まとめ

いかがでしたか?
今回、あえて自分の思考を詳しく記事にしたのは、自分がこのドラフトレースという大会のとりこになっていて、より多くの人にこの大会の魅力を知ってほしいからです。

ドラフトレースはボードゲーム好きがボードゲーム好きのために作った、戦略性の高い、最高に面白い大会です。
この記事を最後まで面白く読んでくれた方、戦略を練るのが好きな方、参加して、みんなで戦略ゲームを楽しみませんか?

一方で、今回のドラフトレースでただおみさんが伝説を作ったように、何やってもいい自由な大会でもあります。「強さなんか関係ねえ!好きな艦娘を指名して戦う!」ってやってもいい大会です。それがどんなに素晴らしくて面白いかは……ただおみさんが示された通りです。(まだ見てない人、必見ですよ!ニコニコプレミアムに金を払うだけの価値はあります、たぶん)


ドラフトレースはとても楽しい大会です。
皆さん、ぜひ気軽に参加してみてください。あんまり早く枠が埋まると参加したい私としては困るけど


また、ツイートにも書きましたが、ドラフトフェイズの考察をするにあたり、いろいろな人に戦術を共有し、貴重な意見を頂きました。


本当にありがとうございました!おかげで良い結果を持ち帰れましたよ!


ということで記事を終わります。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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