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時には気障(きざ)になってみる

お酒は粋に飲みたい。そして粋に飲むという文化がある。

お酒はどんなお酒でも種類、銘柄がたくさんあって、知的探求の宝庫である。
材料、作り方、作られた地方、作った人たち、ブランド、歴史、それらを思い描きながら楽しむことができる。

お酒は飲むと「酔う」という作用がある。
ある意味、お酒は「酔う」ということに魅力がある飲み物だ。
だから、酔うことを目的に飲みたい人も大多数いるのは事実だ。

もちろん、お酒は酔うからこそ魅力があるというのは否定しない。

でも、お酒は太古の昔から存在していて、先人達が、どうやったらおいしく飲めるかを工夫したということが確実にそこにあって、その恩恵に授かっているのは事実だ。
うんちくを語りすぎるのは胡散臭がられるが、お酒の知識をもっていることで飲み方にカッコよさがにじみ出るものである。

今日はカクテルの話の話を。

伊丹十三が「ヨーロッパ退屈日記」のなかで、こんなことを書いている。

 カクテルというものは、本当は愉しいものなのにねえ。第一、カクテルがのないとしたら、晩餐前、夜の早い時間に何が飲めるだろう。ブランディは食後の飲み物だから、先ず除外しよう。ビールはおなかが一杯になってしまう。じゃあ日本酒でも飲むかね。これから、ステーキでも食べようという時にも日本酒でいってみますか。すると残りはウィスキーとでもいうことになるのだろうが、ご婦人と一緒の場合だってあるんだぜ。君はウィスキーでいいだろうが彼女は何を飲みますかね。
 わたくしは、彼女の、その日の気分や、好み、アルコール許容度、そして、服装の色などをおもんぱかって、これ以外なし、というカクテルをピタリと注文する悦びは男の愉しみとしてかなりのものと考えるのだが、いかがなものだろうか。

カクテルの美味しさを知らない男性が多い。
カクテルを女子の飲み物だと勘違いしている人も多い。
007のジェームス・ボンドでは、マティーニを飲むシーンが有名だ。
小説家のヘミングウェイはダイキリを、ローリングストーンズのミック・ジャガーはテキーラサンライズを愛飲した。レッドツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムは大酒のみだったがスクリュードライバーが大好きだった。

こういえば、飲んでみたくなったのでは?

カクテルは、選び方によって、食前酒にも食後酒にもなる優れモノの飲み物だ。基本的におつまみを必要としない。度数は高めだが、度数を意識せずに楽しむことができる。

何回目かのデートで、ちょっといい食事のデートを考えるなら、少し明るめのお酒が飲めるカフェで待ち合わせして、食前酒として、お酒が強い彼女ならスイートマティーニ、マルガリータなんかもいい。そうでないならカンパリソーダやキールロワイヤルなどを1杯だけ飲んで、それからレストランに行くのなんて粋でカッコいい。男性はできればドライマティーニで気障(きざ)に決めてほしいが、カクテルが嫌いになるといけないので、そこは強がらずにスイートマティーニで。ドライマティーニが美味しく飲める人は結構少ない。
そのレストランの後は、オーセンティックな暗めのバーで、今度はデザート感覚で、甘いアレキサンダーなどを頼むのもいい。

さりげないうんちくと美味しいカクテルを勧められる知識と余裕。
そうやって、バーにスマートに行ける男性は絶対モテるはず。

バーはゆっくりと話ができるので、デートには最適です。

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