見出し画像

【図解】なぜ、ワークマンは儲るのか?その1

ソラッチです。

作業服チェーンの「ワークマン」が絶好調です。

このコロナ禍でも勢いは落ちず、既に国内ではユニクロより店舗数を超えています。
そんな有名なワークマンの戦略やビジネスモデルを分析してみました。

ワークマンの戦略図解

戦略図解 (1)

今回は長くなってしまったので、三つに分けて投稿しています。
その①では、ワークマンが顧客から選ばれる理由。
その②では、低価格商品にも関わらず1~2割の利益率で儲けている理由。
最後のその3では、勝ち続けている理由と①、②と全体の関連性を分析します。

それでは、その①から。

なぜ、ワークマンは顧客から選ばれるのか?(図上段)

戦略図解 (1)

戦略やビジネスモデルでも、一番大事なのはお客様の分析、お客様の事を知る事からはじまります。

当たり前ですが、お客様から選ばれ続けているからこそ、ビジネスが拡大するのです。

ワークマンでは、お客様は大きく職人と一般客に分かれますので、まずは従来からのお客様である職人のニーズからみていきます。

職人のニーズとは

職人は仕事で使うものを求めて買いにきます。つまり目的買いです。
目的買いをする職人にとってのニーズは、下記の三点があります。
①仕事で使うので丈夫で長持ちするプロ品質かつ低価格な商品を得られる事②仕事前や後に立ち寄るので店舗で商品が簡単に見つかる事
③仕事で必要になった商品が必ず置いてある事

上記のニーズを満たすため、ワークマンでは高品質低価格な商品を、9000SKU(品目、サイズも含む)を100坪で取り扱っており(イケアの中規模店舗と同じ数)、7割の商品は1個しか置いておらず、欠品させない仕組みがあります。

普通、狭い店舗でそれほど多い商品数を扱う事も難しく、欠品や在庫過多になりがちです。

ワークマンでは、創業当初から棚割や商品の標準化を徹底してきた運営力があり、欠品にならない仕組みをFC全店舗(ワークマンではFC展開しています)に実行しています。
この運営力により、職人のニーズを満たして、他社ではなくワークマンを選ぶ職人が増加し続け、作業服市場で圧倒的シェアで拡大してきたのです。

ちなみに、職人は朝7-10時、17-20時に来店され、一般客は10-17時に分かれているそうです。

次に、一般客は業態を変更したワークマンプラスのメインターゲットになります。

一般客のニーズとは

なぜ、作業着チェーンのワークマンが、一般客を狙う事ににしたのでしょうか?

少し話は変わりますが、ビジネスで勝つためには競争しない事が一番です。
もちろんそんな領域、見つけられる企業なんて稀ですが、ワークマンはその領域を見つけ出します。

空白市場の領域の見つけ方として、ポジショニング戦略やブルーオーシャン戦略などありますが、今回はポジショニング戦略で見ていきましょう。

ちなみに、ポジショニング戦略で重要なポイントは、顧客にとっての独自の役割と認識を持つことです

では独自の役割と認識を持つと、ビジネスにおいて何が良いのでしょうか?

それは他社と比較されず、指名買いされる事です。
Appleユーザーで考えるとイメージしやすいのですが、Appleユーザーは他社製品と比較せずに、新製品が出たら買うという指名買いをしていますよね。
独自の役割と認識を持てさえすれば、複数の選択肢から比較されるステップを抜かし、指名買いされるのです。(購入スピードも上がるんです)

※ちなみに、ソニー製品も昔は指名買いをされていたのですが、戦略のミスから現在はファンを失ってしまっています。(残念です・・・)

さて、ワークマンが指名買いされるポジショニングとして、下記のポジショニングマップで発見されています。

キャプチャ

※図「ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか」より引用

図から分かるように、機能性が高く、低価格のポジショニングに進出している企業はありませんでした。

この領域は4000憶円も空白市場があったのです。
そして、この市場は機能性が高く低価格なものを作れる企業なんてそうそうにいないので、他社は簡単に進出する事ができません。

ワークマンは、職人用のプロ品質を追求してきたからこそ、機能性と低価格で作れる土台があり、この領域に進出する事で、競争がなく、かつ低価格で高機能な商品ならワークマンと指名買いされるようになったのです。

ちなみに、ワークマンのリポジショニングの成功の特徴として、商品は新しく作っていない点てす。
元々アウトドアなど一般受けする商品も多く作っており、その見せ方を変えてただけで成功しています。

まとめ

このようにワークマンは職人のニーズを満たし堅実に拡大を続け、そして一般客が求める低価格かつ機能性というニーズを開拓し、一気に事業領域の拡大に成功しています。

さて、コロナ禍において、他のアパレル業界は瀕死なのに、なぜワークマンの勢いが落ちないのでしょうか?

一つ目は、職人の仕事は必要な仕事であったために、緊急事態宣言中も閉めず職人の売上が落ちなかったことです。
またロードサイド店が多いために、密な状況ではない事がさらに集客効果を出します。

二つ目に、コロナ時代の流れとして、田舎暮らし、ジョギング、アウトドアなど運動、ホームウェアや着心地など、コロナはワークマンにとっては追い風の要素が大きいからです。

この傾向はしばらく続くとみられ、今後もワークマンを求める人たちは増加すると考えられます。

お読み頂いてありがとうございます。
ワークマンが儲かる理由は、その②に続きます。もしよければお読みいただければ幸いです。

【参考図書】

ワークマンは 商品を変えずに売り方を変えただけで なぜ2倍売れたのか
ワークマンのビジネスが非常に分かりやすく書かれています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?