音MAD合作主催講座:入門編

音MAD合作の主催指南って大抵みんな高水準なこと書いてあるんですが、意外と初心者は知らない前提が抜けてたりします。
ですので、今回は「ベーシック講座」として合作のこれだけは押さえて欲しい重要なポイントをいくつかご紹介します。参加者の方にとっても有益な情報を集めました。


自分から動くことをちゃんと誓う

いきなり精神論です。学校の先生みたいなことを言いますが、合作運営は自分から積極的に行動しなくてはいけません。MAD動画も一応界隈内で社会ができているので、リアルと同じような仕組みで動く必要があります。
ただ、最初から全てのムーブを完璧にこなすのはムリなので、最初のうちは熟練者を呼べばやさしく教えてくれることもリアルと同じです。

余裕と責任を持とう

精神論2。●晩合作とかでもない限りは、日程的にも精神的にも余裕を持った進行を心がけましょう。予期しない問題が発生したときのためにも大切です。この記事もギリギリでやらないことを前提としています。
また、主催した責任は取りましょう。どうしても埋まらない空きパートは主催が責任を持って埋めること、他のメンバーに仕事を全部押し付けないこと、何よりちゃんと合作を完遂すること。

まずは完全オムニバス合作か、超短いメドレー合作から始めよう

オムニバス合作

  • オムニバスとは、テーマに合わせ自由に動画を募集し単品ごとに繋ぐ合作のことです。アイマス合作の多くや、感動する真島茂樹合作などがこのパターンです。何を作ってもらうか完全に自由だし、音MAD以外の層からの提出も見込めます。

  • 主催がまとめることになりますが、動画編集ソフトでただ繋ぐ、アイキャッチ、音量調節くらいしかすることはないので簡単。

  • 以前私が主催した合作「ハイキュー!!合作」もオムニバスでしたが人が集まらず一人合作になったように、どれくらいの人が集まってどれくらいの長さの動画が提出されるのかが未知数です。良い点でもあり問題点でもあります。

  • また、東方夏淫夢、年の瀬、このメドレーのこの部分が好きなのでここだけ作りました!などのメドレー風オムニバス形式もありますがこれはまとめがかなり難しくセンスが問われるので慣れないうちは非推奨。

メドレー合作

  • 音MAD合作といえばこのスタイル。ニコニコメドレーに合わせて曲ごとにパートを分け作る形式です。synthesis、おとめっど、流星群などが人気。合作用にメドレーを書き下ろす例も多数見られます(味噌煮込み窓か、NYD、男尻祭など)。

  • ただし、初心者のうちからオリジナルメドレー合作を企画したり大規模なメドレーで作ろうとしたりすると管理が大変です。合作のまとめもオムニバスよりは難しめです。

  • 3分以内のメドレーならまとめはある程度簡単になります。「135だなあ」「カレーライス」「私的メドレーがっさク☆」「メドレーにわか兼音MAD超にわかが「ええなぁ~」って思った音MAD曲によるメドレー」「1Minutes音MadMedley」「鄙びing」「おとましゅれ」辺りがお勧めです。

Googleスプレッドシートを作ろう

通称スプシ。メドレー形式の合作ではどこに誰が入るのか一目で分かるのでよく使われていますが、オムニバス形式でも合作の募集要項を見やすくするために使われたりします(この場合ドキュメントでも可)。
メドレーの場合は情報漏洩などが心配なら募集用と参加者用でシートを分ける方がいいかもしれません。

問題のあるパートを防げるようにしよう

合作の募集要項に「削除、中傷、その他主催/運営側が不適切と判断したものは禁止です」などと書いておくといいでしょう。コメントの荒れ、動画削除、最悪の場合にはIPが権利者に開示、アカウントが停止、荒らしによる嫌がらせを受けたりなどの危険があるためです。

その他、個人的にやってほしくない物があれば(エロ、グロ、ジャンプスケア、中身の極端に薄いパートなど)弾いておくと良いでしょう。

期限は長めに設定しよう

合作の締め切り間近になって大慌てになることは音MAD界隈ではままあることですが、混乱を生んでしまいますので避けられるなら避けるべきです。最低でも3ヶ月くらいは取りましょう。また、締め切りと投稿予定日を近づけすぎるとまとめが大変です。オムニバスなら締切の1週間後、メドレーなら2週間後くらいに投稿予定日を持ってくるのがおすすめです。
あとは、ダメだったときのために予備日も用意しておきましょう。

メドレー形式の時は原曲なし差分も提出させよう(できるならwavで)

メドレー合作は、「動画、原曲付き音声、原曲なし音声(原曲を刻んだり延長した場合はこれらに加えて原曲のみ音声)」の提出が基本となっています。
全体的な聴きやすさ、統一感、音圧などを調整するために原曲と原曲なしを分けてまとめることが多いのが主な理由です。(原曲ありだけでまとめる場合もありますが、その場合でもパートの継ぎ目などには原曲なしが必要になることがあります)。
また、wavはファイルサイズが大きい代わりに無劣化で音質が良く音楽制作の現場ではよく使われます。そのためできるだけwavで提出するように要項に書くといいでしょう。

画面サイズ、ファイル形式は明記しよう

メドレーだと「動画は1920×1080のmp4で提出してください」というスタイルがよく見られますが、オムニバスだと「画質、音質は自由ですが1920×1080で投稿します」も見かけます。
また、スマホ勢の参加が特に多く見込まれるため、できるならオムニバス合作ではMP4だけでなくMOVも許可しておきましょう(iOSアプリだとmovしか書き出せないことが多いため)。

躊躇なく人を呼ぼう

人が足りなさそう!助けて!という場合は躊躇なく誰かを呼びましょう。初心者、初級者同士で結束を高めあうのもいいですし、中堅、大物作者、他界隈の方を呼んでみたら意外とノリノリで参加してくれるかもしれません。
基準としては、合作のテーマに合っている人か(素材が決まっているならその素材に精通しているか、YTPMV合作だったらYTPMVができるか、など)、Twitter(→X、他SNS類)上での言動(問題のある行動をしていないか、合作や企画で忙しそうな様子はないか、遅刻などの経験がないか)が重要です。
他の人を勝手にランク付けするのは気が引けるかもしれませんが、使えない人を呼んで合作運営が停滞してしまうよりも何倍も良いです。
また、合作を断られても落ち込んだり恨んだりしないですぐ次の人に行きましょう。
あと期限間近だと呼んでも誰も来ないのでせめて1ヶ月前までには呼びましょう。

サポートメンバーを設けるときの注意

最初は1人で主催できる範囲内の合作が望ましいですが、想像より合作が大きくなってしまったり、合作のまとめを他の方に任せる必要が出たり、単純に心配だったりといった理由で副主催などの運営メンバーが必要になるかもしれません。その場合は、上記の人を呼ぶ時のポイントに加えて、どんな合作なのか、具体的にどのようなことをしてもらうのか、などをしっかりと説明したうえで打診しましょう。
また、副主催などには非常用で権限をあげる方がいいかもしれません。

運営会議は内密に

運営会議は参加者に対して非公開で進行しますので、存在を大っぴらにしても意味がありません。場合によりますが不信感を生むことも。
運営同士で積極的に話し合っていること自体は良いことですので、「現在運営で協議中です」「話し合いの結果こうなりました」等、話し合っていること自体は明示する方がいいでしょう。
また、運営同士の打ち合わせで決定した事項は迅速に明確に発表しましょう。運営に対する信頼感が高まります。

合作で知り得た情報を漏洩させない

合作鯖内で発掘されたレア素材の共有とかはいいですが、合作参加者や運営しか知り得ない、「◎◎さんが参加した」「◆◆さんが提出した」「☆☆さんがこういうやらかしをした」「鯖内の人だけに□□さんと♡♡さんが同じ人であることをバラした」等の内部情報を漏洩させてはいけません。内輪鯖や鍵垢でもやめましょう(ただし、こうしたら運営がうまくいった、というノウハウは公開すべきですし、誰々はよく遅刻する、という情報も他合作の運営で必要になる場合があるかもしれません)。
場合によっては、合作の存在自体が秘匿事項のケースもあります。
上記の「合作に呼べる人かの評価」なども運営メンバー以外の人に見せないように。

場合によっては擬似審査制にしよう

公募の場合、情報漏洩のリスク、荒らし、スパムを考慮してdiscordサーバーを擬似審査制にすることも考えた方がいいかもしれません。
まず、閲覧用ロールを持ったメンバーだけチャンネルを見ることができるように設定します。
次に、ロール無しでも見れる審査用チャンネルを作ります。
最後に、審査用チャンネルにSNSのリンクを書いてもらう仕組みにし、大丈夫そうだったら主催が閲覧ロールを付与します。

進捗や提出を褒めよう

合作鯖は進捗チャンネルがあるのが基本です。できた進捗に対して褒めたりアドバイスしたり、少なくとも絵文字リアクションくらいはつけるとモチベも上がるし結束が上がって他の人も進捗を出しやすくなります。
提出に対しても何かしら応答をつけたりリアクションを付けたりしましょう。こうすると参加者側も受け取られたことが確認できます。

問題が起こったらすぐ相談しよう

パート決め期限を過ぎたのに決まっていない、1ヶ月前なのに自パートがほとんど進んでいない、メンバーに失踪者が出た、提出されたパートの素材が突然削除対象になったなど、問題が起きたらすぐに相談しましょう。問題発生や遅刻はよくあることです。
プライバシー的な問題だったら運営陣に、広く募るべき問題だったら参加者に、オムニバス形式で鯖が無ければ個別で、と要件に合わせて適した人に連絡しましょう。

謝罪は迅速に、かつ誠実にしよう

故意か過失かにかかわらず、参加者に不利益や不安を与える結果になってしまった場合はしっかりと謝罪をしましょう。
謝罪するときのポイントは、「自分は悪くない」という態度を出したりふざけたりしないこと、具体的なことを言うことです。例えば、以下は悪い例です。

どうも底上げです。実は、まとめ担当の〇〇さんが催促してくれなかったせいでここ最近の提出を確認できてませんでした(おい!!)そのうえバグとかエラーが原因で締め切り確認だけできませんでした。参加者や運営が確認の手伝いをしてくれなかったのもありますが、悪くないと言えば嘘になります。ということで許してください!なんでもしますから!

こんなのはダメ。

いい例を考えるのは難しいし場面にもよりますが、上のような場合だとこうでしょうか。

申し訳ありません。X月10日から15日までに提出された分の確認を怠っておりました。皆様に不安を抱かせてしまいご迷惑をおかけしました。全て私のスケジュール管理不足が招いた事態です。今後はこのようなミスがないよう、チェックを重ねて対策も講じ着実に運営を行って参ります。

かなり真面目っぽくなりました。

ただ、仲が良い人同士でのゆるめな内輪合作とか、些細なこととか、あるいは全然余裕があるのだったら多少軽めに流した方がいいかもですね。

(素材のごく一部)が削除対象になったため、大変申し訳ありませんが無修正での使用を禁止させていただきます。おのれ〇〇社

これくらいのおふざけならアリかもしれません。

合作のことを忘れさせないようにしよう

合作に参加したことを忘れてしまう人も意外といます。discord鯖の雑談に思いついたネタを投げたり、Twitterで定期的に合作を宣伝したりしましょう。期限の1ヶ月半くらい前になったらさらに活性化させるようにしましょう。

締切の1ヶ月半/1ヶ月/2週間/1週間/3日/1日前にはちゃんとお知らせもしましょう。

合作をほったらかさないようにしよう

もちろん主催自身が忘れるなど言語道断。Twitterや他鯖で遊んだり、いつも通り個人作を投稿したりするのはいいですが、それが原因で主催業務をおろそかにしないように。

できるだけ合作のサーバーを先に開きましょう。

思ったことそのまま書いたので乱文になってしまってるかもですが、こんなのでも助けになったならそれは幸いです。


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