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《創曲》第6篇 『希望』

漆黒しっこくを切りいて、十方じっぽうに光は放たれる

人々は新しき一日を歓迎し、その光に感謝する

大光たいこうは、すべてを照らさんと輝けど

常にその光とともに、やみは残らんと画策かくさくする

人々は明るきを喜ぶとも、その闇に思いをはせる事少なし

宇宙のことわりであろうか、光に影のそう如く

悪逆なるつたなやからの、卑劣ひれつ蠢動しゅんどうあり


人間生命の尊厳をいやしめ、光彩こうさいを奪い去る悪魔

平凡にしてささやかなる幸福をも踏みにじる悪しき負の属性

時に地位と権威におごり、時に大勢たいぜいをもって押し寄せ、暗闇にて策謀さくぼうをめぐらす

人心じんしん魔性ましょうにつけ入っては、善なる心を破る事たくみにして

親愛なる人々をも引き裂き、疑心暗鬼ぎしんあんきと憎しみの烙印らくいんを押す

闇から闇へとめぐりては、よせてはかえす暗黒の波の如くつけ狙い、社会的抹殺をも試みる

その黒きデマを図体ずうたいの、なんとみにくきことであろうか


ああ、しかし、人間生命に不滅の光源あり

友よ、善なる光を、その生命に取り戻せ


知ってほしい、東天に輝く太陽の如く、神々こうごうしき尊厳が人間にはあるのだ

見てほしい、あの美しき家族的和合を

人々の心のかよう、あたたかき流れが、五体をめぐるではないか

感じてほしい、絶えなき星辰せいしんの営みを

この宇宙の運行も、慈悲より発しているのだ


この星においても、真実なる流れが、あらゆる善性の支流しりゅうを結び、滔々とうとうたる大河となる

広がりゆく沃野よくやに、人々は求めに求めたる希望の文明をはぐくむに違いない

目覚めたる民衆とともに、祝杯をあげる歓声が、君には聞こえるか

平和へのたゆまざる努力と闘争の果てに実現される輝く世紀を、君は何と思うか

君よ、世界は、たとえ紆余曲折うよきょくせつをへようとも、生命主義の勝利のいただきへと向かうであろう事を信じていてほしい

そしてついに、その善性と叡智えいちと信念とは、真実と幸福と尊厳とを、その究極において見出みいだすに違いない


どうか君よ、希望的観測と笑わないでくれ

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