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 いとしのPOMPON

去年の7月くらいから、実はソワソワしていたフランソワ・ポンポン。

やっと行くことができました。

11月に群馬の館林美術館に行く予定が、諸事情で何度もスキップ、やっと先日、千葉の佐倉市美術館でポンポン作品にご対面できました。

作品数は少ないように感じましたが、まだまだ知らなかったポンポンの魅力を発見でき、勇気も貰ったようです。

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パリのオルセー美術館で牡鹿に一目惚れしてから、熱烈なファン。

遭遇した瞬間に、鹿がたたずむ森に、静かに引きこまれた感覚です。

今回も愛おしい動物たちが沢山いらっしゃって、ずっと口角があがっていました。

なかでも、鳥たちの彫刻が興味深かった。

鳥に対して特別な感情などなく、カラスが煩いとか唐揚げが美味しいとかくらいで、興味の対象外だった。
(小鳥のさえずりはカワイイな、と思いますよ。)

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今にも歩き出しそうな、
体重移動の瞬間をとらえた2足歩行のガチョウやうずら。
羽根を表現していないのに、ふわっふわの羽毛がみえる鳩。
首のくびれが見返り美人のホロホロ鳥。
今でも鮮明に目にやきついています。

あー、愛しくてたまらん!

鳥以外の動物たちも、省いて省いて残ったフォルムの中にみえる、個々の個性や気性が伝わってきて、

本当にすごい彫刻家なのだ、と感動した。

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一番衝撃だったのが、鳥の尻尾が途中で「スパン」と切られていたこと。

尻尾の先端まで綺麗に表現されているものもありましたが、いくつかは気持ちよくカットされていました。

私なら悩んだあげく、自然とフェードアウトで細くするか、地面に尻尾をつけ、取り繕った表現をするのかな、と思う。

潔すぎるなー、ポンポン氏。

こんな表現もあるんだと驚き、胸に刺ささった訳です。

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また、ポンポンさんの年表では、若いころは人物彫刻にこだわっていたようで、この動物彫刻たちは晩年期のもの。

50歳ごろから本格的に取り組んでおり、

代表作のシロクマで彫刻家として認められたのが、67歳の時だそう。
「すごいな。」

今でこそ人生80年といわれますが、
100年前のフランスで初老のポンポンが生み出した彫刻や
ポンポンの人生そのものが

「まだまだこれから、年齢など関係ないよ」

と語ってくれているようで、勝手に「勇気」をもらった次第です。

いつかフランスのポンポン美術館に行きたいな。


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