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#94 つくりたいと思う気持ち その2

ずっと書きたいと思っていたジュエリーについて。

先日、このネックレスのご注文をいただいた。

とっても高価だし、「一般的に好まれるデザインではないな」とか
「私にしか解らない世界なのさ」とか、なかば斜に構えていた所もあって、お客様からこのジュエリーが気になっていると伺った時は、
「え⁉」と驚き、心の中で「あなたも?(好きなの?)」と、
表では平静を装い、内心とても嬉しかった。笑

見知らぬ森で不意に親友に遭ったような、そんな気持ち。
何より、共感いただけたことが心から嬉しく有難かった。
「仲間がいるって素晴らしい!ひゃっほ~い♪」

・・・・

そう、企画当初から「売れる気がしない」と不安だった。笑  

それを作るのもどうかと思うけど、それでも、こういう有りそうでない構造の、職人さんの手間がたくさん込められた、贅沢なジュエリーをつくりたかった。

そして、つくりたいイメージや想いが、そのまま表現できたと思う。

このジュエリーは、板状のプラチナやゴールドが5枚重なって出来ている。一枚一枚を重ねることが大切で、それによって、この段々のフォルムや奥行が鮮明に表現される。

ジュエリーは作り方で、その佇まいや美しい緊張感が、差となって必ず現れると信じている。

もし、この段々を簡単につくろうとして、一発の一体型でつくったら、
「ぼてっ」とした鈍く重い印象になっていたハズ。

また、通常、磨く作業は最後に行うが、これは、先に一枚一枚ピカピカに磨いた後に、組み立てて仕上げている。

一体型でつくると隅や窪みの部分に、磨く道具が入らずムラになる上、角も「ピシっ」と出ず(磨く道具があたってしまう為)緊張感のないモノになってしまいます。

別々でつくり、綺麗に磨いてから、組み立てる、
そんな作り方をしています。

精巧な時計のような作り方ですね。
もともと腕時計の文字盤などをつくっていた老舗のジュエリー企業さんで作って頂いているので、真骨頂のジュエリーになる訳です♪

あと、一番底のダイヤモンドも、
きれー--いに整列しているのが気持ち良い。
覗き込む楽しさがあります。
まるで椿の花の中をのぞいているようで、ダイヤモンドの雄しべ達みたい。

重なる花びらの奥底に雄しべが鎮座している感じです。

・・・・

一見、派手さはないジュエリーですが、上品で日本人らしい美しさが宿っていると思っています。私らしい、そして、そのお客さまらしいジュエリーだと感じています。

ぜひ、こちらもお読みいただけると嬉しいです。つくりたいと思う気持ち1


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