推し、評する。✿第16回|実咲
関白道隆がこの世を去った、「光る君へ」第17話。
穏やかな旅立ちとはとても言えない、なかなか壮絶な最期でした。
妹である詮子に「お若い頃はお優しい兄上だったのに」と過去形で語られるほど、物語序盤の鷹揚な姿がまるで嘘のよう。娘定子を無理に中宮へ押し上げたり、疱瘡(天然痘)の流行対策を進言する道長の言葉には耳を貸さず、息子の伊周に高い地位を与えることで家の権力を保持しようと固執するなど、ある意味権力者らしい晩年でした。
この道隆の死をきっかけに、中関白家と呼ばれるこの一家の朝廷