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犬猫の睡眠を考える

犬と猫が健康であるように・・note60

 ヒトの「睡眠障害」について、何件かのお問い合わせがありましたので、ここではパートナーの眠りについて書いてみようと思います。
 ヒトでは「不眠症」「浅い眠り」でお悩みになっている方がとても多いようですね。 

■大きくならない犬
 以前、ペットショップで購入された大型犬が、「大きくならない。中型犬のような大きさのままだ」という問題が、ペット業界で広がったことがあります。一年経っても二年経っても大型犬の大きさにならないので、ショップに問い合わせて問題が発覚したわけです。
 そのショップはどのように返事をされたか分かりませんが、「遺伝」や「病気」をその原因に挙げるようでしたら、いささか見当違いかもしれません。
 何故なら、この問題は多分「成長ホルモンの不足」が原因していると推測されるからです。

■成長ホルモンとは
「成長」という名前がついていますが、成長ホルモンは小児(幼犬・幼猫)の成長のためだけに働くものではありません。人間や動物の一生にわたって代謝調節に関与し、現在では免疫機能、認知機能などにも作用を持つことがわかってきました。

①免疫機能を促進する
②脂肪分解作用があり、体脂肪を減少させる
③筋肉量を増大させる
④骨を成長させ、発達させる
⑤認知脳に関与すると考えられる   等々です。

■ペットショップでの睡眠不足 
 ペットショップの大型犬になぜ成長ホルモンが不足したかと言いますと、「睡眠不足」が原因です。
 この話をすると、ショップさんでは「いやいや、夜は静かでぐっすり眠っているよ」と反論されるでしょう。しかし、以前にも書きましたが、犬猫は「夜行性」です。ましてや、乳幼児の頃は一日の2/3以上を寝て過ごすものです。

 明かりが煌々と照らされ、多くのお客さんに注視され、「昼夜逆転した、不規則な生活を強いられている犬猫」に何らかの問題がでたとしても、それは否定できないと思います。

 睡眠不足は、何も成長のことだけではありません。
ストレスの蓄積・・寝たいときに寝られないのですから、心身共にストレスを受けます。
免疫力の低下・・寝ている間に身体は各部の補修、メンテナンスを行っています。ですから、正しい睡眠ができていないと身体は痛んだままなので、免疫力の低下や病気の発現につながります。

■ご家庭でも正しい睡眠を
 ご自身のご愛犬・愛猫を寝ている間に観察してみてください。まぶたがピクピク動いていませんか? この状態を「レム睡眠」といいます。
 「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の人間における周期は、だいたい90分といわれています。犬猫の場合にはその周期が15分という短い周期になっています。
 これは外敵に襲われた場合、すぐに逃げられるように身体が作られているのでしょう。

レム睡眠・・浅い眠りを指す。身体の骨格筋は弛緩状態だが、脳は覚醒に近い状態で活動し、まぶたの下で目がキョロキョロと動き、「身体は眠っているのに、脳は起きている」という状態。
ノンレム睡眠・・いわゆる深い眠りを指す。脳の温度は下がり、身体は弛緩し心拍のテンポも遅くなり、眼球は上転して殆ど動かない。「脳も身体も休んでいる」状態。

※睡眠中には成長ホルモンが多く分泌されています。成長ホルモンは、睡眠中に均等に分泌されるわけでなく、ノンレム睡眠の第1周期に70〜80%分泌されます。

 犬や猫にとって、この寝る時間がとても大切なのだと理解してください。

 猫の場合には飼い主さんがあまり猫の時間に介入しないので、自分の時間をもてていることが多いと感じますが、犬はゆっくりと寝ていられない環境になってはいないでしょうか?

 犬の午前中の散歩は排泄目的だけで済ましてやり、日中は正しい睡眠時間を与えてあげること。そして夕方以降の散歩時に運動や長い距離の散歩をするというのが、彼らの習性を考えた生活習慣ではないかと思います。

 「睡眠は健康の必須条件」ですから、ご愛犬・ご愛猫に正しい睡眠を、静かに寝る時間を与えてください。それが健康につながっていくものです。

いぬとねこの健康食品の店ソフィア 代表池田
ご愛犬、ご愛猫のことでお悩み(病気や高齢になっての心配、ペットフードのこと等)がありましたら、遠慮なくお問い合わせくださいませ。丁寧にお答えさせていただきます。


最後まで、お読み頂きありがとうございました。少しずつですが、継続して載せていきますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。