第118回医師国家試験を受けてみて

2/3と2/4で第118回医師国家試験が行われた。
受験した目線から第117回との違いを考えてみたいと思う。


正答率の著しく低い問題が減った

これは今年から新しい出題基準になり、出題者委員も大幅に変わったことにも由来することと思われるが難問奇問と呼ばれるものはかなり減ったように見受けられる。
ただ、珍しい疾患や久しぶりの出題の内容であったり一部受験生を試す問題も見受けられた。
実際に正答率一桁のものはある社のものでは一問である。


正答率の高い問題が更に増えた

第117回ですら正答率90%以上のものが170題ほどあったのに第118回では185題ほどに増加した
前述した理由もあると思われるが、正直なところ難易度設定をミスしたものと考えられる。
表面的な勉強ですぐ答えられるレベルの簡単な問題を並べただけの視力検査みたいな試験に戻ってしまったように思われる。
ただ、簡単そうに見えて間違いに誘導するトリッキーな問題も含まれるため、惑わされないようにするトレーニングも必要かと思われる。


合否を分けるのはCとFブロック

意外に思ったのはこの部分。
受験生は臨床各論の勉強は充実しているし、各社が力を入れていて比較的触れる機会は多い。
それに対して、一般と呼ばれるこのブロックは正確な知識がより要求される上に臨床では臨床判断も加わってくる…ように見える。
本当に難しいのはそれだけではない。
臨床判断を問うているように見えても実際のところはただの知識問題と変わらなかったり、臨床各論のような総合的判断を求めていたりと一見するとわからないことも難しくしている要因である。
また、この75問が疲労が溜まった夕方に2時間半もの長時間で課せられるのも難しくしていると思われる。いつもの演習なら読み落とさない、誤読しない簡単な文章でミスしてしまい点数を落とすことは想像に難くない。


最後に

長々と書いてきたが、読み飛ばした人はいないだろうか。
その文章に対する対応そのものが今後の点数に影響すると思われる。
国家試験の臨床問題はとにかく冗長である。
ただ、解答に必要な要素は文中に隠れており全て読み、かつ正しく解答する訓練こそが各論をはじめ、国家試験の問題で高得点を取る唯一の方法であり、安易なキーワード探しやテクニックのみに頼るのはお勧めしない。
もちろん用語の正確な理解や記憶は言うまでもないが、最近では洗練されてきているのでどの教材を使ってもそれはさほど差がないと思われる。
一問一問じっくりと読み、問題と触れあって欲しいところである。

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