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20240516「ちんからり、しゃんしゃん」

ちんからり
しゃんしゃん
夢の塊と
いつかの暮らしとを
丸めて閉じて
また開く
思い出せることと
思い出せないことを
都合よく合わせつつ
今に持って来る
そしてまた先へと投げて
わたしはそのわたしになるのだろう
出会しつつ離れ
離れつつ寄り添う
鈴の音からから並んで
行列が輻輳している

送りの最中
いつの間にか同列した
道の途中で
前後を忘れながら
一瞬だけを抱えておく
どれもを憶えていられないから
掴めるくらいの分量で
そのくらいがわたしの領分
あとは丸めて捨てて
灰になる龍達の群れを眺め
雨垂れの雲を
炎ででっち上げる
頭から被って
裾を引きずり
また汚れてしまう
もう泥にはまっても大丈夫

夕焼けのような朝焼けを過ごし
太陽の下と縁側のごろ寝
空想の彼方の行方
鼻風船が弾け
我に帰ると
そのわたしをあなたが笑う
寝ぼけたままで
戯言を口にして
あれれ待てよと
ひっくり返す
そして鐘が響くこの街では
別の誰かが訪れている
数珠を下げ
数を数え
もくもくの綿飴を
いつかの子どもが頬張るのだろう

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