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20240507「蛇と薬莢」

草を払い
一網打尽
根っこは残っている
除草剤は撒かない
また生えてくるだろう
5月の暑さで
軒下に座り
それらを眺めている
地面が近い
空は遠い
一服して
また次の作業
いや次との遭遇
緑の匂いが立ち込めて
端の方に鈍く光る
薬莢はもう空になっていた

それは誰かの仕業
何の為で
何があったのかは
誰にも知らされない
空隙を覗き
落ちてくるのは一体何
降りかかるのは何故
そんなどうでもいいことをと
また記憶の橋を掛け直し
蛇の抜け殻をそっと置く
壊れてしまうが
その薄白さは
さっきまでのわたし
打たれたのは
とぼけているあなたなのか
それともわたしなのか

最小の水と
最大の恩恵を与え
手にするものは
そう多くはない
既に持っているのだと
そうしておけばいい
随分と離れ
そしてまた近く
身体を圧迫して
空気を充填する
もう一肌脱いで
次のわたしになっておこう
捨てられた物ものを解いて
重たい荷物を一旦下げる
土の温もりに触って
空撃から逃げている

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