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20240517「にじむ森」

雨が降り
風が唸って
静かに声を聞く
揺れる枝葉が濃くなって
その向こうも見えてこない
それでいい
重なるその奥に
わたしが探しているものが
きっとあるのだろう
目には見えないそれらのこと
青々とした葉の形容と
名前も知らないそれらの存在
踏み分けずに
同等に雨が降りて来る
流れの最中にて
わたしもそこにいる

野生を拾い
また打ち捨てる
これではないが
それでもない
わたしも同じ存在だとして
そこに居てしまう
ざわざわとして
移動しているとして
時に天気雨
ひかりが届き
その印象を照り返す
ちゃぽんと手を濡らし
そろり足を着ける
生ぬるくも少し冷たい
どれもが同等
わたしを忘れている

時に転じ
わたし以外を思い出す
紡がれなかったそれらを
同時に浚いながら
振り向きつつ進む
しばらくすれば
止むだろう
雲の流れを考慮して
十分に溶けておこう
ややもすると煩わしいし
感情を遅らせ
感覚を進ませる
緩やかなのに
すぐに届くこと
充たすきっかけを掴んだら
あとはその他に任せておこうS

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