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「思わず考えちゃう」


このタイトルを見てすぐにピンとくる方が居らっしゃるかわかりませんが、(居らっしゃったら同志ですね)「りんごかもしれない」など数々の絵本を描かれている絵本作家ヨシタケシンスケさんの1冊目のエッセイのタイトルです。

絵本といえば児童書としてのイメージがとても強いと思いますが、シンプルな言葉と多彩な挿絵で物語が展開していく絵本は年齢を重ねることで忘れてしまうような物事の本質だったり、幼いからこそ出てくる自由な発想に触れることが出来るということで大人にこそ刺さる、と様々な作品が話題になりテレビ等のメディアでも特集されたりしています。

私自身が児童だった頃もたくさん絵本を読みましたし、読み聞かせを聞くのも大好きでした。特に島田ゆかさんの「バムとケロ」シリーズは絵柄がとても好みだったのと背景まで緻密に書き込まれている遊び心が私の子ども心を非常にくすぐり、何度も読み返した記憶があります。

そして時が経ちすっかり活字に夢中になっていた大学生の私はメディアで特集されていたヨシタケシンスケさんの絵本に出会います。まずヨシタケさんが描くキャラクター達の表情が私はとてもツボで、絵本自体の内容も一つの小さな事柄を深く深く追求していくのですが、その発想の展開が独特でちょっとシュールなところがとても面白いのです。

さてそんなヨシタケさんのエッセイが発売しているということを私は普段利用している某電子書籍サイトで知り、直ぐに購入しました。それが「思わず考えちゃう」です。
とにかく内容が面白いのでぜひ読んでみて欲しいのはもちろんなのですが、絵本とは違いヨシタケさん自身の物事に対する捉え方とか考え方が率直に綴られていて、取り上げられる題材は些細な事だけど確かにそうだな~とすごく腑に落ちることが多くて定期的に読み返しています。
そしてこの本の内容を紹介したくてこの記事を書き始めたのではなくて、私も割とそういう小さい出来事とかをちまちまと考え込む癖があるからこの本が面白いし何回も読みたくなるのだなと気がつきました。具体的に今思い出すことが難しいくらい些細な事なのですが、毎日暮らしていく中で不思議だなぁと思う事が多々あって、誰かに話しても「そんなの当たり前だ」と流される事が多いのですが、それでも考えてしまう、まさに思わず考えちゃうだな~と。
でも20数年こんな感じで生きてきているので考え込む癖はもう止められないというか、もう止める気も無くなってきていて、考え込んで自分で腑に落ちて、世界の誰も知らない秘密(実際はそんなことはないです)に気が付いたような気持ちになって、それでなんだか満足している自分が居る、たまに自分でこいつ面倒だなと思う事もあるのですが、そういう自分を楽しめる自分でいられたらと思います。そしてそういう些細なことを文章にするのがこういう場なのかもしれないとふと思いました。

ちょうどnoteを始めてまる2年が経とうとしていることについこの前気が付きました、2年間で書いた記事はこの記事を含めて16本。決して多くは無いですがどの記事にもその時々の私が染みついているので、読み返すととても鮮明に書いている時の自分と出会えるような気持ちになります。これからも更新頻度は不定期ですが続けていきたいと思います。

ちなみに私が一番気に入っている記事はこちらです。私自身の文章を書く時のこだわりのようなものが赤裸々に書かれていて、読み返す度に言葉に対する自分の向き合い方を考えさせられます。(私は割と定期的に自分の記事を読み返しています)

日に日に寒さは厳しくなっていきますが、ご自愛くださいませ。