自民党に次ぐ資金力を持つ共産党の錬金術とは

定期的に浮上する政治とカネの問題。
その多くは戦後政治の殆どを与党として過ごしてきた自民党から出てくる。

こうした問題が出てくるたび、永田町では政治改革が叫ばれるがもはやそれも恒例行事と化しつつあるのが現状だ。

今回も不正の温床となった政治資金規正法を改正したり、国民の税金が原資となる政党助成金の廃止を求める声が高まっている。

仮に政治資金規正法が改正され、厳格化・厳罰化がなされたうえ政党助成金が廃止されれば、資金力が乏しい野党はもちろん自民党も党の存続にかかわる事態となるかもしれない。あの1党を除いては‥‥。

そう、共産党のことだ。
結党から100年を超え、唯一戦前から存続する国政政党。
政治経済のグローバルスタンダードとなっている資本主義社会を批判的にとらえ、共産主義社会の実現を目指している。
そのため、日本国民からは共産党が実質的な一党独裁を展開する中国と重なること、現在は削除されているがいわゆる”暴力革命路線”を堅持しており、それを危険視した公安の監視対象にいまでもリストアップされていることから忌避されやすい。

さらに、支持者の高齢化が進み若年層への訴求力も弱まっている。政党支持率や国政選挙での得票数でみれば、第5党に入る規模だ。

そんな共産党は政党助成金や企業団体献金を一切受け取っていない。今回の事件の舞台となった政治資金パーティーも行わない。
一方で衆議院選挙では2009年以前まですべての小選挙区に候補者を擁立していた。

直近の衆議院選挙(2021年)でも小選挙区の候補者数は自民・立憲に次ぐ3番目。
いったいその資金はどこから捻出しているのか。

まず、各政党の政治資金は毎年開示されている。

自民収入249億円でトップ、共産止まらぬ減収 2022年政治資金
https://www.asahi.com/articles/ASRCS53PFRCSUTFK001.html

朝日新聞:2023年11月24日

上記記事によれば、減収となってはいるが依然として自民党に次ぐ収入を得ている。

最大の収入源は、党の機関紙「しんぶん赤旗」の購読料。この収入が自民党が受け取る政党助成金を上回るのだから驚きだ。

善し悪しはともかく、おそらくほぼすべての党員がしんぶん赤旗を購読しているのであろう。

これだけの資金源があるからこそ、企業団体献金も政党助成金も受け取らずに国政政党として存続できる。

だからだろうか。これまでの長い党史において、政治資金にかかわる不祥事がまるでなかった。

それに、共産党は単独での政権運営を構想しておらず、連立政権の一翼として政権運営を担う青写真を描く。

したがって、与党側に入ったとしても政権を単独で維持する程度の資金力を要しない。

資金面からみれば、最も透明性の高い政治資金の使い方を実現できるのは共産党なのかもしれない。

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