見出し画像

【雑記】6月・7月に嗜んだコンテンツまとめ

7月も終わりに近づき、最低限月一投稿を目指して始めたnoteでいよいよもってリミットが迫っている。
元来文章を書くこと自体は好きなのだが、「まとめる」ことの困難さを痛感している。
2本ほど、ひと記事で上げたい映画の感想があるのだが、頭の中で記事のラインはありつつまとめることがなかなか出来ない。時間もうまく取れない。
「文章を書く」ということはとかく難しいモノだと強く感じる今日この頃である。
とはいえ仕事も超繁忙期ではないこのタイミングで、僅かながら読書・映画鑑賞等はおこなえたため、ここである程度まとめていこうと思う。

【小説】クリムゾンの迷宮/貴志祐介

5月の“黒い家”“天使の囀り”から引き続いて、本作を再読。
いわゆる「デスゲーム」ものであるが、これを90年代に上梓している事実に驚愕する。
現世から隔絶された舞台であり通信機器も制限されているシチュエーション上、古臭さを感じることはなく「いま」として読んでも十分通用する。
ラストの駆け足具合と落ちは今読むとうーん、ちょっと陳腐に感じる部分はあるが、前回の記事でも書いた「登場人物の情報進度と読者の察し具合」のバランス感覚は本作も絶妙。
他の作品もそうだが、「作中で著されている、執筆当時の現代日本への薄っすらとした危機感」が思いっきり発露している今の令和の世には、筆者の先見の明の鋭さとうすら寒さを覚えざるを得ない。

【漫画】火ノ丸相撲/川田

元々ジャンプ連載時から大変に好きであった作品で、完結の折にはいつか全巻買おうと目論んでいたのだが、家族で大相撲5月場所を観覧したことをきっかけにkindleにて全巻一気買い。
「相撲」という、当時において既にマイナーの域にあった競技(かつ、連載当時はよりにもよって様々な不祥事が噴出した)を題材に、圧倒的な「友情・努力・勝利」を描き出した傑作である。
スポーツ物のセオリーを完璧に抑えた“高校編”の面白さは折り紙付き。
連載当時始まると聞いたときには「そこやらずに終わっといた方がよくない!?」と思わされた“大相撲編”も、蓋を開ければ大変に面白く、当時からして自らの不覚を恥じたものだが、コミックで改めて読み直してもこちらも込みで大名作である。
ただ一気に読むと若干、キャラクターの心情描写や思いの吐露などがかなりしっかり文章として著されるので、少々クドく感じる部分があるのも確か。
1話1話が濃密すぎて週刊で1話ずつ追っていくのが丁度いいのかもという感想は確かに抱き、「人気の割に単行本の売り上げが芳しくない」という連載当時の不思議な現象が少々腑に落ちた。
とはいえ今後も折を見て読み直すし、成長した息子にも読ませたい、購入して良かった作品である。

【漫画】ワールドトリガー/葦原大介

こちらも、SQ移籍後の23巻以降は単行本で買っていた作品を、ついでとばかりにそれ以前の巻を一気に購入(こちらは既購入巻に合わせジャンプ+アプリで)して一気読み。
ちょくちょく無料公開されることもあり大体4周目くらいにはなるのだが、読むたび新しい発見がある名作。「遅効性SF」というキャッチコピーを考えた人は天才である。
作者の体調が非常に心配な作品ではあるが、今後も新刊が出るたびに購入を予定している、自分的には珍しい「現行連載を単行本で追っている漫画」である。
文字と情報量が多いというイメージがあるが、意外とあっさり読み進めることが出来るバランスが非常に良い。
室内で喋ってばかりいる「遠征試験編」でめちゃくちゃ面白いのだから、その精密な筆致には驚愕するばかりである。
「完結の芽が見えていない」という一点を除けば万人にお勧めしたい作品であるが、勧めた方々は割と序盤でドロップアウトしてしまうのが悔しいところ。
確かに絵柄もあって初見はなかなか呑み込みづらい部分はあるが、大規模侵攻あたりまでは読んで欲しい…そしてそこでまた頭から読んでランク編に臨んでほしい…

【小説】名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―/白井智之

“方舟”に続き2022年を席巻したミステリーを読んだ。
現実に起きた宗教事件を基としたこのミステリー、視点と思惑を変えて「3つ」の「解決」、そしてタイトル回収ともなる最後の「真相」を用意するその構成には脱帽した。
個人的には謎を醸成する上で必須の「集団幻覚」という事実にあまり入り込むことが出来ず、「3つ目の解決」は驚きと同時に若干腹落ちしない箇所はあった。
それでも最後の「真相」と、モノ哀しいながらもある意味次世代へのバトンを繋いだ爽やかな結末はプラスの読後感を覚えさせてもらった。
これだけ複雑な構成を思い付き、そしてここまで調理する筆者の筆力に感嘆する。

【映画】スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

驚愕。驚嘆。感動。色彩に溺れる。
2部作で続くことが前提となっている故にクリフハンガーでこの映画は終わるのだが、それでもこれだけの満足感を与えてくれるとは、という驚きで見終えた傑作。
画面の情報量が多すぎてマジで吹き替えで観て良かった。字幕だったら追いつけなかった。(だからこそIMAX上映が字幕しかなかったのが残念)
2度のリブートが発表されるたび、「まーたベンおじさん死ぬんかいな」と軽く思った自分、そして「ここまではもうみんな知ってるよね」とばかりに“その部分”を端折ったMCU版に感心した自分、そこを思い切り刺された。まさかここに踏み込んでくるとは。
そしてマルチバースの仲間たちを知った上で「この世界でたった一人のスパイダーマン」と敢えて語っていたマイルズに発覚する、とある事実、それを知った時の彼の心境は如何ばかりか。
本来であればこの作品で一記事感想を書きたかったところだが、上記に加え
・映像の素晴らしさを語りたい(特にグウェンの世界)
・キャラクターの素晴らしさを語りたい
・ストーリーラインを語りたい
・それぞれの「親子の形」を語りたい
・そうして集まる最後のメンツについて語りたい
と色んな思いが発露した結果、私の構成力ではまとめきることが出来ず断念した次第である。次作の“ビヨンド・ザ・スパイダーバース”も必ず観るので、そこで再挑戦したい。
あとマイルズとグウェンが語り合うシーンの、引きで移された摩天楼のシーン、壁紙で欲しい。

【ドラマ】サンクチュアリ -聖域-

大相撲観戦の流れで、こちらも数日かけて一気見(初恋とかは相変わらず滞っているのに)。
それだけのパワーのあるドラマであった。
内容としては王道でありながら、相撲界という世界を(かなり誇張もありつつ)描くお仕事ドラマ的な側面もあり大変楽しんだ。
ただこれは飽くまで個人的な好みの話なのだが、私は「7話」の展開から先をもっと見たいタイプである。
意識改革や覚醒を経て、最終話の展開になるまでもう一場所くらい使ってそこそこの無双展開を描いてほしかったなーというところ。
7話であの展開があれば12話くらいまで欲しいし、全8話であれば5話くらいでああなって欲しかった、というワガママである。
とはいえ十中八九シーズン2はあるだろうし、そこを楽しみにしている。

【映画】君たちはどう生きるか

宮崎駿監督作品にそこまで惹きつけられない私である。
理由としては、氏が描く「ヒロイン」があまり好みに合致しないからであろう。「母性」に惹かれるものが元来あまりなく、それ故にナウシカもシータもサンもソフィーもそもそもあまり好きではないのだ。
それでも
・直近の作品である“風立ちぬ”が私史上ジブリ№1レベルで気に入った。
・「マジで何の前情報もない中で宮崎駿作品を観るチャンス」に惹かれた
という2点で、ちょうど仕事上でもポッカリと空いたタイミングがあったためいそいそと映画館にはせ参じた次第。
結果としては強烈な印象や映画体験は私的には大きくは残らなかったが、それでも数日はじんわりとこの作品のことを考えている自分がいた。
「訳が分からない」が感想の先頭に立つのが正直なところであるが、それでも「監督の中ではしっかり繋がっていて、かつ理屈付けはしっかりあるんだろうな」ということは伝わってきて、そこに身を委ねることで作品そのものを「楽しむ」ことは出来る。
映画でありながら、よく知らない作品を題材としたアトラクションに乗っているような、なんとも不思議な体験をした。
この映画に関しても、私自身とジブリの付き合いも含めて一記事書きたい想いはある。
ところで、公開後の今も含めて宣伝をおこなっていないのは大したものである。エンドロールに「宣伝担当」はいたから、どこかのタイミングで解禁はするのだろうか。

【ドラマ】3年B組金八先生(第4シリーズ)

これまでの内容とだいぶ毛色は変わったが、TVerで第1シリーズからスペシャルも含めて順次公開されているのである。スペシャルも含めて、がかなり貴重である気がする。
いくつかのSPを鑑賞した後、順番に沿って配信され始めた第4シリーズを追いかけ始めた。その途中でU-NEXTがParaviと提携したことで、配信停止に急かされることがなくなったためにそちらに移行、完走した。
※ちなみに第6シリーズも今年先行して配信されていたため、そちらもTVerで完走している。感想記事を上げようか悩んだ末、こちらもまとめきれずに断念。
なぜ第4シリーズかというと、言うなれば“再放送リアタイ世代”であるからだ。第5・第6は正に“世代”、それに伴って再放送をされまくっていた第4シリーズは、そこで観ていたのである。
縦軸は細めなものが2本ほどで、基本的には1話完結ドラマとしてちょこちょこと各生徒にスポットが当たる構成は、後の5・6に比べれば幾分と“ぬるめ”だが、それはそれで安心感を以ってみていられる心地よさがある。
宮沢歩(第1シリーズで中軸である“15歳の母”で生まれた子供その人)周りのストーリーは、特に両親である保と雪乃中心にかなり心を動かされた。
長期シリーズ故に可能なこの世界の広がりは非常に素晴らしいモノであった。
スポットの当たらない生徒や、初期の小悪党さの割にはずいぶんセリフとかで優遇されているな、という生徒もおり、スタッフや脚本家からの気に入られ具合とかが表れているのかな、などと盤外のことを考えながら見てみたりとちょっと違った楽しみ方もできたり。
恐らく歴代でも屈指の“その後活躍した生徒役”が少ないシリーズだな、と思ったり。例外は小嶺麗奈だが、彼女のその後はまぁあの通りである。
全体的には楽しめたが、このシリーズの振るわなさが続くシリーズの過激化に繋がり、脚本家の自主降板やプロデューサーの更迭という結果をもたらしたと思うと若干残念かつもったいなさを感じてしまう。


最後に

以上である。

なんやかんやで6月も7月もいろいろ楽しんでいるなあと後から振り返って思う。

ただ、自分の文章能力の無さやスケジューリング能力の低さを痛感した期間であった。書きたいことや想いはたくさんあるのに言葉としてなかなか乗ってこない。まとめきれない。
その訓練のために始めたnoteで、それらを理由に記事を断念するのは本来的には本末転倒であることは重々承知だ。

7月のまとめをここでやってしまった以上、8月は何としてでも、まとまっていなくても、きちんと一つの記事を作成したい所存である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?