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【雑記】今週のジャンプがとても読み応えがあり楽しかったという話

齢30を過ぎて幾年か経ち趣味や嗜好、生活様式は年々変わっていくが、そんな私の生活で変わらないモノ、それが

「週刊少年ジャンプを購読し、読む」

ということである。

紙の雑誌で買うところから始まり、ワンピースが載っていない週は電子版を買う、というような切り替わり式を経て、何年か前にジャンプ+の定期購読で完全に電子版に切り替えた。
この電子版ジャンプをより楽しく読むため、ということをきっかけとして我が家にipadも導入した。

仕事の忙しさが重なると読み終わるのが木曜だったり金曜だったりすることもあったりするが、それでも「毎週ジャンプを読む」というこの生活は気付けば20年以上ずっと続いているわけだ。

取り敢えず「ワンピースが終了したら止める」と決めてはいるが、いざ“その時”が来たらどうするかはいまだに分からない。
息子が大きくなっていて、息子のためという名目でなんやかんや購読し続けているかもしれない。

さてそんなジャンプ、毎週毎週感想を挙げるようなバイタリティはないが、2023年4月25日時点での「今週」、すなわち「週刊少年ジャンプ2023年21・22合併号」、これは非常に良かった。久々に良すぎてnoteを開いた次第である。(4月がまだひとつも記事を挙げていないというのももちろん大きな理由である)

【感想】というより【雑記】レベルであるが要素要因を挙げていく。

現在の三本柱が揃い踏み&揃って良展開

各々好みの差は当然あれど、売上や人気の面で今現在のジャンプ連載陣のトップ3が“ONE PIECE”・“呪術廻戦”・“僕のヒーローアカデミア”であることはさすがに論を俟たないだろう。

近年は各作者の負担や集英社でも多少なり働き改革が始まったのか、この3作品は割と休載が多い。特にヒロアカは急な休載も増えており大変に心配な状況であったりする。
その結果、この3作品の内のどれかが載っていないというのは割と恒常化している。
それ自体はもちろん悪いことではなく、むしろ人気のある作品をうまいことローテーションで休載させることで雑誌自体の質は下げず作者の負担を減らすという、むしろ良い循環を生むことが出来るはずだ。

それでも…それでも!やはり上位3作品が同時に載るというのはココロオドルものがある。それが当たり前の話ではなくなった現在では特に。

そしてこの3作品、この号に載っている話が(安い言葉になるが)いずれも神展開なのだ。
どの作品もこれまでの積み上げや積み重ねがしっかりと活きている上に、きちんと「この後も楽しみ」という引きや余韻がしっかりとある。

この3作品が掲載順もしっかり上から並んでいたのだが、読み終わった段階で「今週のアンケの3枠これで埋まるな。他の連載陣ご愁傷様」と思ったものである。

余談だが私は「月曜日中に読み切れたら」という条件付きで、電子版巻末の読者アンケートに回答をしている。一度Googleギフトカード3,000円分が当たったこともある。

「月曜中に読み切れたらこの3作品に入れるか……いや、この作品たちへアンケを入れたいから月曜中に読み切ろう!!!」と思わせたレベルで、誠に失礼ながら残りは一応内容確認の消化試合くらいのつもりで読み進めていたが…

読み切り「超巡!超条先輩」が超面白かった

かつてジャンプに“左門くんはサモナー”という漫画を連載していた沼駿先生による凱旋読切である。
左門くん自体は良質なコメディ漫画で、絵柄や言語センスにも光るものがあり一定の人気を博していた覚えがある。私自身も楽しんで読んでいた。
が、人気が上向くきっかけ(即ち「受けた」)であったろう「クズ・カス」という要素を安易に多用・発展・深堀しすぎたために飽食かつネタ切れ気味になり、人気の出た要素が逆に足を引っ張るという形で1年ちょっとくらいの連載の末に最終的には打ち切りとなってしまった、という作品であった。“バランス”というものはかくも難しいのだと感じる次第だ。

さてそんな沼駿先生の新作読切、元々悪いイメージの無い作者であるため普通に読み進め…気付けば声を上げて笑っていた。

言語センス・展開の良さ・絵柄とのマッチ度・キャラクター描写など全てがレベルアップしており、ここ最近の読切では、少なくとも私の中ではトップクラスの傑作であった。

フォーマットとしては「天然・天真爛漫要素のある女性×特殊能力持ちのひねくれた男性」という左門くんとほぼ同じモノでありながら、否、同じものであるからこそ作品としていかにアップデートされたものであるかが分かる。

キャラクターの持つ要素、ズラシ部分もまた絶妙に効いていて、このコンビの今後の活躍が容易に想像できるし、また見たい。ずっと見ていたい。

これは恐らく連載までいくだろうとはっきり感じさせるものであった。

「月曜中に読み切れたらこの作品に入れるか……いや、この作品へアンケを入れたいから月曜中に読み切ろう!!!」と思わせたレベルで素晴らしかった。

もはやこの時点でアンケート枠は溢れている。

他の連載陣も面白い

上に挙げた4作品だけでなく他の連載陣も十分に魅力を発揮していた。
今のジャンプは中堅~下位層がけっこう粒ぞろいで充実していると思っているのだが、そもそも私が普段からお気に入りとしている下記の作品はいつも以上に光っていた。

あかね噺
アンデッドアンラック
これらはストーリー漫画として新展開と佳境に入り今後が気になる次第。

僕とロボコ
は一話完結ギャグマンガで、正直ここ数週はちょっと失速気味か…?と思わせられていたが、今週はきっちり「らしさ」が詰め込まれていて大いに笑わせられた。アンケートを入れたいレベルであったが…正直今週は運がなかったなというところ。

その他ことさらお気に入りでもないが嫌いじゃないむしろ好き、な作品群たちも敵(ラスボス)へのちょっとした反撃や良質なコメディ、新たな衝撃の事実発覚と本当に粒ぞろいだった。
(“逃げ上手の若君”・“SAKAMOTO DAYS”・“一ノ瀬家の大罪”・“ウィッチウォッチ”など)

新連載や下位も面白い!

※「下位層」は飽くまで掲載順の話で、実際の私の好みとは必ずしも一致していない

より正確に言えば「別につまらなくない」という部分もあるが、これはなかなかすごいところである。
正直なところ一目見て「打ち切りレベル」くらいの展開となっている作品たちは先週段階で一掃されており、現状ではマッシュルや夜桜や何ならロボコ辺りでも決して油断できないくらい「下」が充実している。

先週号から開始している“キルアオ”は設定にいろいろ既視感があるし主人公を活躍させる展開も強引ではあるのだが、さすがベテランの腕、絵柄と展開で今のところは十分なスタートだと感じている。

もう一つの読切作品“ゲリラ食堂”も展開の転調が利いていてある程度は及第点だろう。

人造人間100”は当初からかなり期待を寄せており掲載順最下位なことが信じられないレベルなのだが、今週の主人公のモノローグはかなりクるものがあった。彼のキャラ立ちにも大いに寄与している。
(ただここ数週は「能力」とかそっちに行き始めたか~~~という思いはなくもない)

そして“暗号学園のいろは”。これだ。
もともと好きで期待している作品なのだが、今週はすごかった。クラスメイトたちを総動員して暗号を作り更にそれらひとつひとつが彼女たちのキャラ立ちにもなり、最後に現れる匿名希望の素顔には大いなるカタルシスを感じる、上位3作品と並ぶレベルの神回であった。
一話から私にはヒットしている漫画であるため、掲載順が非常に不安だが踏ん張って欲しいものである。ここにきてアンケート投票候補がまた増えてしまったのだ。

最後に

もちろん全部が全部良かったということでもない。
アオのハコ”は「またこの手の展開か~~~」と食傷とフラストレーションがたまり始めてきたし新連載組の“テンマクキネマ”は主人公格の天幕(浮遊霊)のキャラクターや言動が全く好きになれずどうにも入り込めない。

だがしかしその程度だ。

こんな記事を書きアンケートには「大変満足した」と答え理由まで記入する、普段ならやらないようなことまでするほど今週のジャンプは素晴らしかった。本当に中堅どころも含め、普段から面白いものがより面白かったのだ。

というわけで最終的に私がアンケートに入れたのは。

1位 “超巡!超条先輩

読切でアンケートに入れたいと思わせた時点で勝ちである。
もはやこの作品に入れることは確定しており、であれば中途半端なことはせずに1位だ。連載を待っている。

2位 “呪術廻戦

三本柱の中でひとつ選ぶならこれ、と決めていた。やはり五条復活の待ってました感、これまでのひたすら追い込み展開に少々うんざりしていた私の目を再びこの作品に向かわせてくれた。

この時点でワンピースは落としていた。
確かに熱く素晴らしい展開ではあるのだが、やはりワンピ自体ここ数話は常にフルスロットルであるので「非常に高い位置で平均値くらい」という部分がやはりあった。ちょっと感覚がマヒしてしまっている。

そして

3位 “僕のヒーローアカデミア

結局ヒロアカだ。正直ここは迷いに迷った。
具体的には“暗号学園のいろは”と。いろは自体も非常に好きかつ素晴らしい話であったし、掲載順的にもここはいろはに入れて少しでも支えになるべきでは…と思ったのだが……

最終的な決め手は、ヒロアカ作者堀越先生の「巻末作者コメント」である。

マーク5が好きなんです…!

今週のヒロアカ最終ページの絵につながるこの言葉。
この言葉にやられてしまった。
男は全員、“アイアンマン2”に登場するマーク5が好きなのだ。この気持ちには抗えない。抑えられない。堀越先生は抑えなかった。それに敬意を表して。

巻末コメントでアンケート結果を決めるなんて生まれて初めての経験である。


とにかく!

長くなったが週刊少年ジャンプ2023年21・22合併号はとにかく素晴らしい号であった。これがあるからジャンプはやめられないのだ。

合併号のため次回はだいぶ先、その上その号では呪術が休載予定のためやはり三本柱がまた揃うのはだいぶ先になりそうだが、それでも私はまだまだ楽しんでいく所存である。

今期は打ち切りレースもだいぶ気になる状況だ…

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