見出し画像

ドラフト2021総評〜今年もお疲れ様でした〜

 こんばんは。2021年ドラフトが終了しました。1年間の集大成ですからね、ファイターズファンもいつも以上に熱を帯びているのが伝わってきました。今回は指名した支配下9名、育成4名について、簡単なまとめができたらと思います。
 そもそも「ドラフトは5年後になってみないとわからない」と良く言われます。私もそこには同意で、最終的な判断は5年10年経ってやっとわかるものだと思いますが、現時点での判断も少なからずできると思います。なので、あくまで現時点での感想ということで、呼んでいただけたらと思います。

総評

1巡目 達孝太   投手(天理高)
2巡目 有薗直輝  内野手(千葉学芸高)
3巡目 水野達稀  内野手(JR四国)
4巡目 阪口樂   内野手(岐阜第一高)
5巡目 畔柳亨丞  投手(中京大中京高)
6巡目 長谷川威展 投手(金沢学院大)
7巡目 松浦慶斗  投手(大阪桐蔭高)
8巡目 北山亘基  投手(京都産業大)
9巡目 上川畑大悟 内野手(NTT西日本)
育成1 福島蓮   投手(八戸西高)
育成2 速水隆成  捕手(群馬ダイヤモンドペガサス)
育成3 柳川大晟  投手(九州国際大付高)
育成4 阿部和広  外野手(平塚学園高)

 今年のドラフトは、即戦力を多めに獲得した2020ドラフトとは打って変わり、将来性重視のドラフトになりました。上位を高校生が占めている様子は2018ドラフト(吉田、野村、万波、柿木、田宮)を彷彿とさせましたね。「最下位なのにそんな余裕があるのか」という声も聞かれますが、一つ一つの指名はポイントを押さえており、120点とは言わずとも、80点(好みによっては90点)と言えるでしょう。
 まず驚いたのは、1巡目の達投手の指名です。高校生BIG3の指名が有力視されており、事前に「ポテンシャルNo. 1」との情報がありましたが、風間投手のことだと推測されていました。ただ、確かに達投手のポテンシャルは非常に高く、ダルビッシュや大谷といった高校生長身右腕を大成させている実績もあるので、彼らに重ねたところがあるのかな、とは思います。個人的には、直前に映像を見返していて、達投手に非常に魅力を感じていたことは事実なのですが、初回入札には少々面食らいました。現状総合力では小園投手、パワーでは風間投手、森木投手に軍配が上がっていることは事実なので、達投手を大成させて初めてこのチャレンジは実ります。
 また、昨年の今川の指名に始まり、社会人野手の指名が本格的に解禁になったのも非常に嬉しいです。水野選手と上川畑選手と、社会人トップクラスの野手が加わり、内野のデプスは厚くなりました。ともに低身長のショート・セカンドですが、選手としてのタイプ、年齢(水野選手が高卒社会人、上川畑選手が大卒社会人)が異なることを踏まえると、重ねた指名は非常にメリットがありました。
 また、今年の顕著な傾向として「選手の大型化」がありました。投手は1巡目の達投手を筆頭に、松浦投手、福島投手、柳川投手と190cm前後の大型投手を獲得し、野手も有薗選手、阪口選手、速水選手と非常に大柄のパワータイプが揃っています。もちろん素材型が多いのですが、時間をかけてでもチームの屋台骨を育てていくという気概の感じられる指名だったのかな、と思います。個人的には高身長投手を推していたので非常に嬉しい傾向ですが、育成してなんぼの世界なので、これからのチームに期待ですね。
 補強ポイントに目を向けると、前の記事でも書きましたが、1軍〜1.5軍のプロスペクト野手が多くなってきたために、鎌ヶ谷でじっくり育成する大砲候補が欲しかった中で、有薗選手と阪口選手が指名できたのは非常に大きいです。大砲候補は取れて1名だと思っていたので、3〜5年後のクリーンナップに厚みが増しました。
 また、最も補強の必要であったショートは、アマチュアNo. 1の呼び声も高い水野選手を補強し、守備走塁のバックアップに上川畑選手まで獲得しました。ともに早期の戦力化が見込め、メリットのある指名でした。特に水野選手は昨年の古川と同様に、是が非でも獲得するべき至上命題のような位置付けでしたので、3位までよく我慢できたと思います。野口選手が残っていたら水野選手を逃してもリスクヘッジができたのですが、オリックスに野口選手が獲られた時は首脳陣も少し焦っていたかもしれません。今年の快心の指名は間違いなく水野選手です。
 即戦力投手も必須でしたが、8巡目で北山投手が残っていたのは救われましたね。入団拒否もよぎりましたが、涙ながらに指名を喜んでいたので、入団は間違いないと思います。栗山監督もコメントしていましたが、上位評価の選手がスリップして下位で指名できたところが多く、1〜3の選手の評価よりもそれ以降の選手の評価で全体的なボリュームが出たのかな、と思います。

 残念だったことについては、即戦力のパワーピッチャーの指名を行わなかったことがあります。今回の指名傾向でも感じましたが、大卒や社会人卒のパワーピッチャーには懐疑的なんでしょうね。ドラ1クラスであれば問題ないのでしょうが、廣畑投手や山田投手、柴田投手、長谷川投手など本質的なパワーピッチャーからとりあえずスピードがある投手まで揃っていましたが、全てスルーしました。過去の指名も2巡目以降では西村にまで遡ります(生田目はパワー系リリーフとして評価していたか微妙)。しかし、大型の投手は乱獲していたので、本質的なパワーピッチャーはじっくり育てて、ということなんですかね。高良、西村、生田目と育成に難航している中、石川直也は育て上げてますからね。
 また、強打の二塁手が欲しかったです。当然あれもこれもというわけにはいかないので、優先順位が低かっただけなんでしょうが、池田選手や山城選手など候補はいたにもかかわらず指名しなかったのは何か意図があるんですかね。渡邊のバウンスバックが期待できるとはいえ、層は明らかに薄いので、いよいよロニーの残留も現実味を帯びてきました。
 捕手の指名については、清水の復調と古川の成長を見込んで見送った形でしょうか。捕手は他のポジションと異なり専門職ですから、どうしても出場機会を分け合う形になるため、もう1年待とう、という意思が感じられました。個人的には補強が必須だとは思っていなかったので、より優先度のあるポジションがあったということで折り合いをつけるのが良さそうです。

 選手個々の寸評も行いたかったですが、総評で長くなったので一度切って改めて投稿します。個人的にはある程度満足できる指名でした。最低限押さえるべき補強ポイントは押さえつつ、ロマンにも振れていて、5年後の成果次第で評価が激変する振れ幅の大きい指名ですね。ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?