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安定的な、不安定な生活の中で。

先月、大学の友人と東京アートブックフェアに出向いた。以前から興味はあったが、きっかけがなく行ったことがなかった自分にとって、またとない機会となった。
そこでは写真をはじめ、自らのアウトプットの手段の可能性を信じる人たちがいた。
ZINEなどの形にし、想いの共感してくれる人たちがそれぞれの思いを胸中に秘め、会話に花を咲かせる。

それぞれが、自分の作品について話すときは表情が輝いていた。
みんな、自分の作品を愛していた。
そんな姿を見ていて、自分も堂々と写真を撮っていいし、誇っていいんだなと、なんだか安心した。

写真を撮ると言うことは、ある意味孤独だ。
街中でカメラを構えていると、街ゆく人からチラ見をされることなんて日常茶飯事だ。
大多数の人がスマホのカメラで写真を撮るようになり、わざわざカメラで、イベントでも何でもない日常の風景を撮ると言うことは、今はもう特異なことなのかもしれない。

それでも、自分は写真を撮ることが好きだ。旅も好きだ。旅するように生活する、を毎日の密かな目標にしている。
旅先での気持ちが新鮮であるように、毎日の生活の中のどこかにも、そんな気持ちを巡らせたいと思っている。

普通なら足早に素通りするところでも、一度カメラを手にするだけで、近くの路地がとてつもなく魅力的に見えてくるし、体力の許すかぎり、どこまでも歩いてみたくなる。
それが良い方向に働いて、今まで気が付かなかった路地とかお店とか、飲み屋とか、そういうのを見つけられれば、日本中、世界中の街がお気に入りで満たされる。
ただのカメラ、写真趣味でなく、視野を広く持つとか、無意識にそう言うところまで多分意識している。

話が逸れたが、そんな気持ちを分かってくれそうな人たちが、東京アートブックフェアには沢山いた。
というか、自分よりもずっと、自身のやりたいこと、表現したいことに忠実で、周りの目なんて気にしてないように見えた。
作品は、言ってしまえば作り手の自己満足。共感してくれる人もいれば、そうでない人もいる。
それでも、なんと言われようと彼らは自己の表現を思うままに、彼らは、彼女らは粛々と行っていた。
出展者の方々に、なんだか救われた一日だった。
自分は、小さいことで悩み過ぎていたな。

転職して早くも5ヶ月が経過。毎日覚えることや新しいことで、気づけば夜になっている。
それでも、写真は変わらず撮り続けているし、きっと、これからもずっと撮り続ける。
そんな気持ちは全く変わっていない。

自分にその気持ちがあり続ける限り、きっと自分は大丈夫。
どこまでも、走り続けよう。

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