見出し画像

まつもと市民芸術館プロデュース舞台『女40歳 肉屋のムスメ』観劇記録

【日時】2024年5月18日(土)18:00開演
【会場】まつもと市民芸術館 小ホール
【CAST】小林きな子 星野勇太 下地尚子 荒井正樹 草光純太 長野里美
【脚本】田村孝裕
【演出】福士誠治
【音楽】濱田貴司
【美術・衣裳】池宮城直美
【照明】赤田智宏
【音響】中島正人
【演出助手】葛西祥太
【舞台監督】三月一
【プロデューサー】小川知子
【主催】一般財団法人松本市芸術文化振興財団
【後援】松本市、松本市教育委員会
【企画制作】まつもと市民芸術館
【助成】一般財団法人地域創造
(以下、公式web siteからの引用)
郊外の小さな精肉店で働くひなのと、それをとりまく人々の物語。 演出は俳優としてのみならず多彩な才能で観客を魅了する福士誠治。
まつもと市民芸術館プロデュース舞台『女40歳 肉屋のムスメ』の上演決定!!!
2024年5月、まつもと市民芸術館にて、舞台『女40歳 肉屋のムスメ』が上演されます。
この作品は、2014年にONEOR8の田村孝裕により、星野園美のために書き下ろされたもので、今回、福士誠治の演出のもと、新たな作品となり松本に登場します。演出を手掛けるのは 、2002年に「ロング・ラブレター 漂流教室」でドラマデビュー。06年のNHK連続テレビ小説「純情きらり」でヒロインの夫役を演じ注目を集め、近年では大河ドラマ「青天を衝け」ドラマ「警視庁アウトサイダー」や舞台「インヘリタンス-継承-」など俳優として舞台、ドラマ、映画など様々なジャンルで活躍を続け、近年では自身の俳優としての経験を活かし、舞台の演出も手掛け高い評価を受けている福士誠治。主人公のひなのを演じるのは、小林きな子。04年に映画「恋は五・七・五!」での女優デビュー以来、「真犯人フラグ」「王様に捧ぐ薬指」「大奥」「ソロ活女子のススメ」など、様々なジャンルの作品で独自の存在感と演技力を発揮しています。そして、ひなのの母・清子役は、第三舞台出身の長野里美。退団後様々な舞台活動を続け、近年では大河ドラマ「真田丸」や映画「劇場版 あなたの番です」などに出演し、21年には第30回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど、その演技力は幅広い層から支持されています。また、若手俳優として目覚ましい活躍を続ける星野勇太、松本をベースに活動するシアターランポンの下地尚子、荒井正樹、草光純太といった才能あふれるキャストが集結し、物語に深みを加えます。是非、ご期待下さい!」
【STORY】(以下、公式web siteからの引用)
「女。40(歳)。肉屋の娘。私にはそれ以上の肩書きがありません。誇れるものもありません。あるのは売れ残った肉だけで見ていると何だか安心します。愛着がわきます。その肉を私は毎晩調理して、残さずに食べます。これが私の毎日です。郊外の小さな精肉店で働きながら、平凡な生活を送るひなの。時々、店に訪れる福留という若い浪人生との会話が、ひなのにとってささやかな幸せでした。そんなある日、家を出ていたひなのの母・清子が、突然戻って来て・・・。」

【感想】職業差別あるいは地域差別の問題をベースにしているものの、どの家庭でもある親子の価値観の違いや、家族だからこそ語り合えない問題が静かな特に大きな事件が起きるわけではないとある日常を舞台に描かれる。家庭内のアンタッチャブルな話題に触れたときに何が起きるのか、微笑ましいなかにもヒリヒリする感覚がダイレクトに伝わってくる感じ。自分も、両親ときちんと話さないまま、死別してしまったなぁと、自分自身で掘り返さずに蓋をしていたことが、松本のこの劇場で開かれてしまうような感覚に襲われた。差別意識なども世代間差が大きい問題だし、自分の友人が絡んだりすると、どこの家庭でも起きていたであろう問題だ。私も小学生の時に、同和教育の映画を観た数日後に、母親と大きな喧嘩をした経験が鮮明に蘇ってきた。
一方で、母親もまたその両親や祖父母との間に同じような葛藤を抱えていたはずだし、母親は生まれつき母親ではないのだ。そういう視点も大事なような気がする。親も間違えることはあるんだと。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?