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新国立劇場 『デカローグA』観劇記録

【日時】2024年4月28日(日)17:00開演
【会場】新国立劇場 小劇場
【原作】クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ
【翻訳】久山宏一
【上演台本】須貝 英
【演出】小川絵梨子/上村聡史
【演出助手】長町多寿子/西 祐子・中嶋彩乃
【舞台監督】濵野貴彦/清水浩志
【主催】
(株)M&Oplays
【後援】ポーランド共和国大使館 / ポーランド広報文化センター

劇場入り口のポスター

プログラムAデカローグ1&3
デカローグ1 「ある運命に関する物語」 [演出:小川絵梨子]
(以下、公式web siteからの引用)
「大学教授の父と、世の中で起きることを数学で解いていく息子。彼らを待ち受ける苛酷な運命。
大学の言語学の教授で無神論者の父クシシュトフは、12歳になる息子パヴェウと二人暮らしをしており、信心深い叔母イレナが父子を気にかけていた。パヴェウは父からの手ほどきでPCを使った数々のプログラム実験を重ねていたが......。」
【出演】ノゾエ征爾、高橋惠子、亀田佳明、チョウ ヨンホ、森川由樹、鈴木勝大、浅野令子

★”デカローグ”とは旧約聖書のモーゼの十戒のことだそう。ただ、エピソードそれぞれが十戒ののひとつずつに符合しているわけではないようだ。
まず、デカローグ1。50分の短い演劇だが、ゾワゾワ、そして後味の悪さと言ったら。。。様々な伏線が張られているように見えるが、回収されない、いや、それが現実ということか。腐った牛乳、教会の前で死んで凍った犬、一言も発せず遠くから見つめる謎の男、勝手に動き出したPC、なぜか証言をしない隣人夫婦、、、わからないままのことが多すぎる。でも、現実はこうなんだということか、何もかもに理由や因果があるわけではないと。ただ、ややもすると科学を信じることと神を信じることの2択で、神を信じないものへの因果応報のように捉えられてしまうかもしないが、そんなメッセージではないと信じたい。科学は信じるものではない、使うものだ。使い方を間違ってはいけないし、過信しても良くない。そんな物語だと思いたい。

デカローグ3 「あるクリスマス・イヴに関する物語」 [演出:小川絵梨子]
(以下、公式web siteからの引用)
「クリスマス・イヴを家族と祝う男の家を突然訪ねてくる元恋人の頼みとは?
クリスマス・イヴ。妻子とともにイヴを過ごすべく、タクシー運転手のヤヌシュが帰宅する。子供たちの為にサンタクロース役を演じたりと仲睦まじい家族の時間を過ごすが、その夜遅くヤヌシュの自宅に元恋人の女性エヴァが現れ、ヤヌシュに失踪した夫を一緒に探してほしいと訴える......。」
【出演】千葉哲也、小島 聖、亀田佳明、ノゾエ征爾、浅野令子、鈴木勝大、チョウ ヨンホ、森川由樹

★20分の休憩をはさんで50分のデカローグ3。こちらは、ちょっと感情移入できないというか、ただ自ら女に翻弄されに行く哀れなおじさんのお話としか受け取れなかった。そんなおじさんを千葉哲也が見事に演じておられた。


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