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お古を

季節はいつも
あたらしいものを運んで来てくれる
花や鳥、風に至るまで
数多のものを
運ぶだが

あたらしいようでいて
それは常に去年のお古
一昨年のお古

その昔のその昔の
お古

ひとは何度使いふるされた
季節をあたらしいものとして
受け入れるのか

兄の着た染みのない
シャツのように

姉が着た汚れていない
スカートのように

季節はあたらしいのだからと
わたしたちを信じさせ

混じり気のない
桜の花の下で
去年のお古を咲かす

ずっとずっと昔から
誰かが着古したお古を