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詩が書けない

詩が書けない
ここまで
詩に連れてきてもらって
手を離されて
しまった場所

取り残された場所こそが
わたしがいなければならない場所

たとえ苦痛に満ちていたとしても
散文に連れられて来たのならわかる

しかしわたしの手をとり
連れて来たのは詩だ

それはまるで親のように
散文は友人だ
どちらに連れられてもいい

だがここまで連れてこられて
置いていかれる筋はない
わたしはただ途方に暮れて

小銭があったら
近くの古本屋で
何かの詩集を買おうかと思う

帰り道の道案内を頼む
詩人を探す為に