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エッセイ~川に消えた鯉
まだ祖父が生きていた頃、
よく祖父の離れの座敷に訪れては
話をしていた。
戦争の話しや近所の他愛もないこと、
祖父の子供の頃の話し。
薄明かりの座敷で祖父が布団に潜り込み、
眠るまでの数十分、話をしていた。
今にして思えば
ほとんどがとりとめのない話しだった。
その奥座敷の隅に
隼の剥製が置いてあった。
松の木の枝に爪を立て
翼をしまい。まるで辺りを睥睨するかのような、
黄色い眼をしていた
まだ祖父が生きていた頃、
よく祖父の離れの座敷に訪れては
話をしていた。
戦争の話しや近所の他愛もないこと、
祖父の子供の頃の話し。
薄明かりの座敷で祖父が布団に潜り込み、
眠るまでの数十分、話をしていた。
今にして思えば
ほとんどがとりとめのない話しだった。
その奥座敷の隅に
隼の剥製が置いてあった。
松の木の枝に爪を立て
翼をしまい。まるで辺りを睥睨するかのような、
黄色い眼をしていた