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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬…

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詩を書くことが好きで読んでいただけたら光栄です。詩が好きです。群馬に住んでいます。司馬遼太郎や村上春樹をよく読みます。子供がいないので、子育てをされている方を尊敬し、かつあこがれています。小説や詩、随筆を書かれる方も尊敬しています。

最近の記事

ジャノメチョウの居た夏

照り返しの強い 夏の日 近所の道脇に生えている 椚の木 じわじわと酸っぱいような 臭いの樹液を出しながら そこは まさに争いの場だ 樹液を巡る カブトムシ とクワガタの戦い オオスズメバチと クワガタとカナブンの戦い そこに 混じって なんの牙も針も角もない 蝶 一羽 ジャノメチョウ ひたすら地味な色をして 争い事を持ち込まず 樹液を吸っている 牙も針も角もないのに よくこの場にいられるなぁ~ 怖くないのかなぁ~ でも怖いだろうなぁ~ お腹も空くだろうし わた

    • 朝靄のアルバム(歌詞)

      きっと続けられるさ きっと続けられるよ 僕が居ない 日常を繰り返してればさ きっと忘れられるよ きっと忘れられるさ 二人でいた あの日溜まりの日々を 忘れることだけが 癒しだってね きれいさっぱり無くすことが でもそれが僕にはできないさ 後生大事に言葉をもつ 誰かの言葉は 想い出に過ぎない アルバムにしまうには 崩れやすくて 胸の中にしまうには 大きすぎて 街の音が聴こえなくなるまで走り続けよう ただ君の元から 君の元から いつか君は笑うだろ いつか君は笑うだろ あ

      • 甘えた声

        何を云うかと思えば ちょろちょろと 小川がわれに 甘えた声を立てているではないか ちょろちょろと 耳をそばだてて聴いていると 遠くに行くなと云う 花も魚もいるじゃないかと 草も青くなり始め 風もやさしいじゃないかと 云って わたしをとらえて 離さない声を立てている わたしは立ち止まり 小川を見つめる おお、こうも囁くか ひかりまで芳しいではないか

        • 六畳一間

          世界は確かに広くて大きい しかし そこを泳ぐとなると わたしの姿は誰にも見えないし 感じない 大海原の中の一匹の金魚のようだ 世界を小さくして 住みやすい 水槽を用意してもらえるのならば 幸い 誰の眼にも わたしは入ることができる 世界は広い だがわたしが住むには 広すぎる 六畳の一間に置いてある 金魚鉢のようにありたい

        ジャノメチョウの居た夏

          鈴と星夜

          置いた鈴は鳴らない 決して 振らなければならない 鈴を鳴らすには 面倒みるのに疲れたわたしは 鈴を置いて夕寝した わたしの面倒みること疲れたかみさまは 星をつけっぱなしにしてくれて 揺らさずにも鳴る鈴虫を 庭に放ってくれた

          鈴と星夜

          愛される側にいるってことは 心地いいことですが 案外形見の狭いものですよ 愛されなきゃ 皆、ただの男と女ですから

          子守唄

          人生の最期には どうか わたしに 子守唄を歌って欲しい 忘れてしまった歌を 深い深い眠りの中で 聴くために

          子守唄

          流れ

          時の流れは 確かに 若さをどこかに 流して 失わせていく だが流された時が ここに 置き忘れたものこそが あなたがこの世で手にした 確固たるものなのである

          行動でしか 赴けない地も あるだろうが 読書でしか 行けない地もある

          青春ダイナマイト(歌詞)

          みんなで置き忘れた 宝物を探しにいこう ガラクタまがいの宝石や 色の付いた貝殻を 西陽はまだ残ってる 振り返るには遅いけど あの隠れ家に残された 青春の着れっぱしを 手探りで 探しあてた 君の手のひらとても あたたくて 暗闇では大切な宝物も 尖った 遺物に過ぎない 手で探るには鋭すぎて ひかりが無きゃ 輝かない 色が無ければ 美しくない 価値がない歌を歌おう かすれた声で必死に まがいものと呼ばれた才能 色の落ちたジーンズも 西陽はまだ残ってる 戻るには遅すぎるけ

          青春ダイナマイト(歌詞)

          つかの間の校長

          授業中静かに手をあげ トイレに行きたいと云う 背後に感じる 微かな笑い声を残し 廊下に出る ひんやりと冷たい灰色の 迷路が広がっている トイレに行きたい訳ではなかった ただひとの中にずっといるのが 嫌だったのだ 階段の手すりを撫でながら その冷たさに恍惚となり 他のクラスの様子を 聞き耳を立てて伺う よし、このクラスはまとまっている どっと、笑い声がして 何があったのか気になる教室もある わたしはつかの間 校長先生になり ごくろうさんと云いながら 悠然と構えて廊

          つかの間の校長

          ファイティングポーズ

          恐怖は遅れてやって来る 希望なんて もっと遅れてやって来る どっちも遅れて来るから 逃げていいのか 立ち向かえばいいのか わからないんだ どうか… どうか… ちゃんと 時間に間に合うように やって来てくれよ ファイティングポーズ とり続けるのだって しんどい時あるぜ

          ファイティングポーズ

          かぜに聴く

          聴いてみよう かぜは 誰にあたると気持ちいいのか? 木にあたると 気持ちいいのか ゆさゆさと葉は笑い 風は花に あたると気持ちいいのか? 香りがふわふわと舞って それとも かぜは わたしにあたって気持ちいいのかな? わたしは夏前の日差しの中 やって来る かぜにあたることが好きだ お日様のひかりを纏い 森を吹き抜けるかぜのことが どうかかぜよ わたしに触れたことで 微笑んではくれないか? きみに触れられた場所は とてもこそばい きみが触れることが出来るものは多い

          かぜに聴く

          筆と空想

          空想を描くべきだ 空想がなければ現実もまたない しかし空想を描くならば 筆を持つべきだ その現実不可能と思える 世界に色をつけていく 筆を つけるべき色を探すことが 楽しみでもあり 探しても見つからない色を 思うことが癒しにもなる 最初から最後まで 空想だった人生というものは まれだ ひとは知らず知らずのうちに 筆を使っているのだ

          筆と空想

          ちっとも

          お互いの眼が 互いに覚られないように 互いを盗み見る 町で店で道で ほらこんなにも 盗み合って暮らしているのに あなたったら ちっとも わたしのものにならない

          ちっとも

          飼い慣らせ

          怒りや憎しみといったものは 人間が唯一飼い慣らすことの できない 動物の別名ではないのか 野良犬は町から消え 狼も山から消えているのに 相変わらず 怒りや憎しみは 町に繰り出し 好き勝手している 誰もそんな感情に 手を咬まれるのは嫌だ 出来るなら関わりたくない 飼い慣らせ 飼い慣らせ 出来るなら このわたしよ 自らの怒りや憎しみを飼い慣らせ!

          飼い慣らせ