【是々非々で】いま揺れている電波停止発言

今年2月8日、9日の両日、
高市早苗総務大臣が、国会の衆議院予算委員会において、
放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返したと判断した場合、
放送法4条違反を理由に、電波法76条に基づいて
電波停止を命じる可能性について言及した、
いわゆる高市早苗総務相の「電波停止」発言が
大きな問題となってきている。

この発言をめぐり、本日、
田原総一朗氏、鳥越俊太郎氏、岸井成格氏ら
放送業界で活動しているジャーナリスト有志が
抗議の会見も行った⇒こちら

ここで1つ考えてもらいたいことは
たとえば沖縄県の翁長雄志知事が
「オール沖縄」という言葉をよく使用していますが、
先に行われた宜野湾市長選の結果でもわかるように
必ずしも「オール沖縄」ではないということは
露呈したと思います。

そして自民党や高市早苗総務大臣などが求めているものは
たとえば翁長雄志県知事が
「オール沖縄」と発言した事実を報道するなとか、
事実を捻じ曲げて報道しろということではなくて、

たとえば、ある会見で、翁長雄志県知事が
「オール沖縄」と発言した内容を
ニュースで流す場合、

「オール沖縄」という発言は、
翁長雄志県知事個人(ケースによっては団体)が発した言葉であり、
必ずしも現実を指しているとは限りません。

と、テレビならテロップで流すとか、
新聞やウェブニュースなら注釈を入れて報道するなどの
「事実」と「現実」を切り分ける
配慮をして頂きたいということだと私は捉えている。

今の報道体制だと、
先に言ったもん勝ちになっていて、
先に言った側が貼ったレッテルについて、
レッテルを貼られた側は
それを払拭するのに相当の時間とエネルギーが
費やされるのが現状ですからね。

さて、毎日新聞夕刊特集ワイド( @t_yukan )の
ツイッターアカウントが2月18日19時37分につぶやいた内容を
ここで引用させていただきます
---------------------ここから---------------------
「高市氏の『停波』発言 ホントの怖さ」 
報道機関の仕事は権力の監視です。
テレビは報道機関です。
そのテレビを、逆に権力の側が監視し、呼びつけ、
揚げ句に「電波停止」をちらつかせる…
その重大な意味を徹底的に論じます。
http://mainichi.jp/articles/20160218/dde/012/010/060000c

※ツイートの原文⇒こちら
---------------------ここまで---------------------

これに対し、的を射た発言をしているのが指南役氏。
そこで2月9日に指南役氏がつぶやいた2件のつぶやきを
引用させていただきます
---------------------ここから---------------------
マスメディアの役割は権力の監視だ!ってのは、
すごい驕った考えで、
権力の監視をするのは国民だっつーの。

マスメディアは正しい情報、
多面的な考えを国民に伝えるのが役割。

もちろん、その中に編集者の意見を入れるのはいいけど、
押し付けちゃいけない。

あくまで判断は国民自身。

それが民主主義。
15:22 - 2016年2月9日


マスメディアが、
義憤から特定の誰かを攻撃する行為は
「私刑」と言って近代法で禁じられています。

やるならデータを並べてロジックを作って開示する。

そして国民に判断を委ねる。
もしくは法に訴える。

間違っちゃいけないのは、
マスメディアが伝えるべきは「正義」じゃなくて
「正しい情報」だってこと。
15:41 - 2016年2月9日

※ツイートの原文⇒こちらこちら
---------------------ここまで---------------------

僕は指南役氏の主張に同感で、
今の日本の報道の多くは自分たちのストーリーに合う報道を積極的にし、
自分たちのストーリーに合わない内容は小さく扱ったり、
取り上げなかったりもする。
だから流れてくる情報を精査するために
主張の違う新聞を読み比べないと
見えてこないものがあるのが現状です。

本来なら「正しい情報」がきちんと流れてくれば
こんなに苦労をすることもないのだが・・・。

今一度、報道各機関に検証していただきたいのは
「事実」と「現実」を切り分けた報道が
果たしてできているのだろうか?
「正しい情報」「多角的な見方」「賛否併記」ができているのだろうか?

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