「失敗を恐れず」ではなくて・・・

最近、日本のトップと言われる選手から
こういうコメントが見受けられます。

たとえば、当時は読売オンラインで
2016年1月9日に流れたウェブニュースより
引用させていただきます
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男子ゴルフの石川遼が8日、
米ツアーのソニー・オープン出場に向けて、
羽田空港からハワイに出発した。

記者会見ではメンタルトレーニングを始めたことを明かし、
今年の目標に米ツアー優勝やリオデジャネイロ五輪出場を掲げ、
「失敗を恐れずにトライしたい」と語った。

※原文は現在は読売プレミアムで⇒こちら
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次に、日刊スポーツ2016年1月12日のウェブニュースより
引用させていただきます
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本田らからのメッセージ上映「成功のために失敗を」
[2016年1月12日6時57分 紙面から]

U-23(23歳以下)日本代表が挑む
リオデジャネイロ五輪アジア最終予選(U-23アジア選手権)が
今日12日に開幕する。

北京五輪代表の本田、長友、岡崎と香川、
ロンドン五輪代表の酒井高、
両大会に出場した吉田からのビデオメッセージが
9、10日にホテルで上映された。

MF遠藤主将は
「(本田)圭佑君は、次の成功のために失敗を重ねてきたと言っていた」。
FW浅野は、歴代の代表も前評判が低かった体験談を聞き
「同じことを考えてたんだなと思った。
一体感を持って、覚悟を持って臨めれば」と
刺激を受けた。

原文⇒こちら
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さて、ここで、三笠書房から出版されている
アンソニー・ロビンズ氏が書いている
一瞬で自分を変える法―世界No.1カリスマコーチが教える』という本から
一部分を引用させていただきます
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『「失敗」はない、あるのは「結果」のみ』

多くの人が「失敗=恐怖」と刷り込まれている。
テストに落ちたり、片思いに身を焦がした挙げ句にふられたり
綿密に立てた事業計画が頓挫したりという経験は誰にでもある。

しかし、私はこの本の中で
そうした経験に「失敗」ではなく「結果」とか「成果」という
言葉を使うようにしている。
成功者はそういうものの見方が身についているからだ。

成功者はどんな結果が出ても「失敗した」と思わない。
そもそも、失敗という概念が存在することを認めていない。

何かをすれば、必ず何らかの結果が得られる。
人並みはずれた成功を収めている人でも
失敗しないわけではない。
ただ、自分の思ったとおりの結果が得られなくても
そこから学ぶべきものがあることを知っている。
そこで学んだことを生かして
また別のことを試してみようとする。
新たな行動を起こし
新たな結果を生み出していくのだ。

考えてみると
昨日に比べれば今日のほうが
経験がより豊かになっているはずである。
失敗を恐れていると
うまくいかないことばかりを思い浮かべてしまう。
そのために、行動を起こすことをためらってしまう。

あなたは失敗を恐れているだろうか。
「失敗から学ぶ」心構えがあるだろうか。

マーク・トウェインは
「若い悲観主義者ほど見ていて嘆かわしいものはない」と言ったが
まさしくそのとおりだ。
失敗を信じる人は
ほぼ間違いなく平凡以下の人生を送るだろう。
偉大な人物(予備軍も含む)は失敗を失敗と思わず
いつまでもくよくよ悩まない。
ものごとがうまくいかなくても消極的になることはない。
ここである男の一生を見てみよう。この男は

21歳で事業に失敗する。
22歳で選挙に落選する。
24歳でまたもや事業に失敗する。
26歳で恋人の死の悲しみを乗り越える。
27歳でノイローゼになる。
34歳で下院選挙に落選する。
36歳で下院選挙に落選する。
45歳で上院選挙に落選する。
47歳で副大統領になりそこなう。
49歳で上院選挙に落選する。
52歳でアメリカ合衆国大統領に就任する。

この男とは、エイブラハム・リンカーンである。
もし彼がいくつもの不幸な出来事を失敗と考えたなら
大統領になることはなかっただろう。

(中略)

しかし、ほとんどの人はたった一度の手違いや勘違いを
失敗だと思い込んでしまう。

(中略)

『いかにして自分の夢を実現するか』(三笠書房刊)の著者
ロバート・シュラー博士は
こういう質問を投げかけている。

「絶対に失敗しないとわかっていたら、あなたは何をしますか」

この質問に、あなたならどう答えるだろうか。
本当に失敗しない自信があれば
自分の夢を実現するための行動に移し
望みどおりのすばらしい結果を実現させるだろう。
そのほうが、好都合ではないだろうか。
人はそうやって成長していくものだ。

だからこそ、この世に失敗はないことを理解してほしい。
あるのは結果だけだ。

行動には必ず結果が伴う。
万一、自分が望んでいた結果を得られなかったとしても
方法を変えて、また別の結果を出せばいいだけのことだ。

「失敗」という言葉は封印して
「結果」という言葉だけに目を向け
結果から学ぶことを心がけよう。
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何か“行動”をすると、何らかの“結果”が出ます。

その“結果”に、多くの人が
「成功」とか「失敗」とか意味をつけてしまいます。

でも、“結果”に意味をつけてしまいますと、
「今度こそ成功させたい」と
力みを生んでしまうこともあるでしょうし、

逆に「失敗したらどうしよう」と
行動に移す前に萎縮してしまうことが
起きるかもしれません。

ですから大きな成果を生み出す人たちは、
“結果”に意味をつけず、
何回も何回も挑戦し続けていくうちに
あるのは“結果”だけで、
失敗という概念が存在しなくなります。

たとえば、トーマス・エジソン氏も
実用に耐えうる白熱電球を発明することに
没頭するわけですが、
『もう一万回は失敗しているのだから、
電球の発明から手をひいてはどうか』という
周囲からのアドバイスにも、
『このやり方ではうまくいかない』という
発見を得ただけなんだというエピソードは
あまりにも有名な話ですが、

彼も、“結果”に「成功」とか「失敗」とか
意味を持たせず、結果は結果としてだけ
捉えたからこそ挫けることなく
長く挑戦し続けられたのでしょう。

ですから、何か“行動”をすると、
何らかの“結果”が出ます。

その結果が、自分が得たい結果でなければ、
それにあと何をすれば、自分が得たい結果を導き出せるか
考えて、そして、またチャレンジする。

本当はそれだけなのです。

とてもシンプルではないですか!?

でも多くの人は、本当はシンプルなものを、
結果に意味をつけてしまうために
複雑な構造にしてしまう。

ですから失敗という概念がある人と、
失敗という概念がない人では、
行動へ移す際に
明らかにパフォーマンスが違ってくるのです。

こういうことを考えると、
本田圭佑選手や石川遼選手などはプレーに移す際に
まだまだ力みを生みやすい選手と
私からは言えるでしょう。

最後に近年で僕が気に入ってるコメントは
2010 FIFAワールドカップ南アフリカ大会、
日本の初戦、カメルーン戦で
得点の起点となった松井大輔選手が
試合後に語ったコメントなんですが、

『ずっと右足で上げていたので、
たまには左足で上げてみようかなと・・・』

こんなニュアンスだったと
私の中では記憶していますが、
この発想が浮かび上がるには、
「今度こそ決めないと」とか
「次は失敗できない」などの力みが
発言やプレーの動きからも僕には感じられず、
頭が柔らかかったからこそ
思いつき、動けた発想だと私は思い、
僕が気に入ってるコメントの1つです。

さて、むかし、
シュートを外した佐藤勇人選手を責める報道陣に、
オシム監督(当時)が「ボランチの選手が、
あそこまで走っていったことを、なぜ褒めない!」と
逆に叱り飛ばしたこともありましたね。

また、昨日ゴールを決めた岡崎慎司選手について
ラニエリ監督がこのように述べていますので
超ワールドサッカー2016年3月15日9時10分配信の
ウェブニュースより引用させていただきます
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(前略)

▽優勝へまた一歩前進したラニエリ監督は、
勝ち点3をもたらした日本人ストライカーを
以下のように称賛した。
プレミアリーグの公式サイトが伝えている。

「常日ごろからチームの一部として
ハードワークしてくれている彼の活躍は嬉しいよ。
それに、今夜は
ファンタスティックなゴールも決めてくれたね。
しかし、シンジは今シーズンを通して
素晴らしい仕事をしてくれている」

※原文⇒こちら
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海外の指導者は、このように
選手へまた前を向いて挑戦し続けるための
言葉がけや態度を見せます。

では、日本の指導者はどうでしょうか?

「こんなところで三振するバカいるか?」
「ありえないだろっ、あんなミス」

こういう発言や指導が指導者から行われれば、
選手も結果に意味をつけてしまいがちですね。

もちろん、海外の指導者でも
こういう発言をする人もいますが、
マスメディアによって
“old school”(古いタイプの指導者)と
揶揄されたりします。

でも、日本のマスメディアにはできない、
なぜなら指導者から取材拒否されたらどうしようと
ビビっているから・・・。

最後はマスメディア批判まで行ってしまいましたが、
海外の選手の方がなぜ伸びるのかといえば、
伸ばせる土壌があるからなんですね。

その伸ばせる土壌を日本にも築かないと、
日本人は停滞する一方ではないでしょうか・・・。

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